高校数学の学習分野「論理」をわかりやすく教えよう!
今回は高校生数学の序盤で学習する内容である「論理」についてわかりやすく教える方法を説明したいと思います。
数学の答案で「十分」とか「必要」という言葉を何も考えずに答案で使ってしまうということがあります。しかし、数学の講師からすればそうした言葉を不適切に使ってしまうと「あ、こいつは数学全然理解できてないな」と心象を悪くしてしまいます。
こうした論理の言葉の意味を生徒により正しくイメージさせるための指導法を以下では紹介したいと思います。
本当のことを言ったのに逮捕される!?
突然ですが問題です!
""ある刑事は、犯人に「本当のことを言わなければ逮捕する」と言いました。その後犯人は本当のことを言いました。それなのに、その犯人は逮捕されました。そして、犯人は「どうして本当のことを言ったのに逮捕されるのか」と聞きました。刑事は嘘をついていません。なぜでしょう?""
突然この問題を出されて教師である皆さんはすぐに分かったでしょうか?一瞬「ん??」と悩んだ方も多いのではないでしょうか?
お気づきの通り、この問題は数学Aで習った論理・集合の話を使って解くことが出来ます!教師の皆さんでもおそらくこの問題を理解するのに少し悩むと思いますので、生徒にとってはもっと難しく感じられるわけです。
皆さんもぜひこの問題を生徒に解かせてみて下さい。「逆」を説明するのに非常に有効です!つまり数学Aで習った、
""命題Xが真の場合でも、その「逆」が真とは言えない""
事を使って命題X「本当のことを言わない→逮捕する」と置いた時、命題Xの逆「本当のことを言う→逮捕しない」は成り立つとはいえないので、刑事は嘘をついてないことになるのです。上の問題では「逆」を説明することができました。
必要条件と十分条件の関係はセンター試験と二次試験の関係と同じ!
次に多くの生徒が理解しづらいと感じる必要条件・十分条件の関係について筆者自身が分かりやすいと感じた説明方法を紹介したいと思います。
特に国立大学の受験を考えているような生徒に分かりやすい例としてはセンター試験と2次試験合格の関係が挙げられます。
「センター試験で足切りを回避したならば2次試験は合格」ということには当然なりません。しかし、「2次試験に通っているならばセンター試験で足切りは回避している」という命題は成り立ちます。
つまり、大学に合格する(2次試験に通る)ためにはセンター試験で足切りを回避することが「必要」ですが「十分」ではないわけです。よって一般に言われる「A⇒Bの時AはBの十分条件、BはAの必要条件」となるわけです。
このケースなら、
A…大学に合格すること(2次試験に通ること)
B…センター試験で足切りを回避していること
ということになります。
以上になります。必要条件と十分条件の関係はセンター試験と二次試験の関係に同じですね!