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観光学部って何を学ぶの?【学部紹介】

2021/12/17

観光を学ぶってけっこう楽しいよ! 

私がこの記事を書こうと思ったのは、グローバル化が進む中、観光学部は注目に値する学部だと思ったからです。

 まず、受験生の多くが観光学部や観光学科といった、観光を学ぶようなところに行こうとするようになっています。平成14年までは観光学部の定員数は250人ほどでしたが、日本政府からの斡旋もあって平成21年には4400人ほどになっています。立教大学観光学部の志願者数を見ても、増加傾向が衰えることはありません。

私が受け持っている生徒にも3人ほど観光学部志望がいます。

彼ら・彼女らが言うには、英語を使って外国の人とコミュニケーションを取りたいとのこと。いろんな国の人と交流を深めていきたいという、国際志向の強いものでした。

観光学部は最近流行ってきた学部であり、多くの塾講師はここの知識を持っていないと思います。しかし、観光産業に参入せんとする受験生は確かに増加しており、そこのAO入試の対策は準備しておかなければなりません。そのためには小論文やら志望理由書に出るだろうと想定される、

 

「あなたはなぜ観光学部を志望するのですか?」

 

という問いに答えられるようになっていなければなりません。塾講師はこの学部の特徴を知りつつも、あらゆる小論文の対策を練る必要があります。

 

観光を学んで何をするの?

私が観光学部の人から話を聞く限り、方向性は2つあります。現場と経営です。

現場で働く

いわゆるホスピタリティを極めるところです。ホテルの従業員といったような、現場でお客様のためにあらゆるサービスを提供する人間です。観光学部を志望する受験生の多くは、観光に対するイメージをこれで捉えています。 

しかし、こちらの職業はメジャーではありません。ワーキングホリデーを通じて海外のホテルで働くことは、大学生であっても可能ですし、一定の職業訓練を受ければそれに該当するような職業につくことは可能なのです。

ですので、大学で学んで現場で働く、という感じではありません。大学で学ぶことはこれから紹介する、もっと俯瞰的に観光をマネジメントする分野になります。

 

経営する

どちらかというと観光学部といえばこちらがメジャーになります。というより、日本政府や地方の自治体が望んでいる人材も、こちらの方です。どんな仕事をするのか具体的に見て行きましょう。

 

①ツアー会社

観光学部の大学生にも人気なのはこれです。ツアー会社に入り、ツアープランニングすることです。大学生であればおそらく一度は使ったことであろう「ツアー」をプランニングする仕事がこれに該当します。JTBやHISといった有名企業はこれですね。観光産業の中核になります。

しかしツアー会社の仕事はこれだけではありません。観光を興そうとする地域に赴いてアドバイスをしたりすること(まちおこし)をします。ブライダル(結婚式)を組むような、企画系に特化することもあります。JTBはリゾートウェディングとかもしますね。

 おそらく一番イメージしやすく、やりがいも感じやすい職場です。

  

②インフラ系

個人的には、ツアー会社よりもインフラ系は観光産業っぽい企業になります。具体的な例を挙げるとしたらJR東日本でしょうか。「そうだ、京都に行こう」といったキャッチフレーズを作って鉄道の利用(人の移動)を促すのも、一種の観光です。 

鉄道会社は観光産業に尽力しており、駅のある地域の観光を興すために様々な施策を打っています。駅構内に観光の案内所を設置したり、地域の商店街に投資をしたり、あるいは駅自体を観光向けにしたりします。

個人的に面白いと思ったのは、こまち115の「おかりなさいプロジェクト」ですね。震災後に初めてこまち115が東京ー秋田間で運転されるのですが、その第一号の列車に向けて、秋田県内の”一般の方々”が列車に手をふろうというプロジェクトをたてました。

 次の動画は本当に素晴らしいので是非見てください。

https://www.youtube.com/watch?v=XGTkNn8YxCE

 列車そのものを、観光資源にしようというのは政府が積極的に進めようとしている施策です。東北のみならず、九州の新幹線でも行われようとしています。これ3泊4日で18万ぐらいかかるのですが、それでも半年先まで予約でいっぱいらしいですよ。インフラ系はかなり観光中心ですので、観光学部の人たちはこれを目指している人も少なくないと聞きます。


③公的機関

少し偉くなると、官僚っぽくなります。地方自治体に赴いて、その地方・地域に観光産業を興すようなお仕事です。これはどちらかというと、本当に事務的。観光産業だとか官僚だとかと連携したり、あるいは宣言戦略を立案したりします。

日本観光振興協会だとか日本政府観光局だと思っていただけたらいいでしょうか。けれどもこれは本当に重要な仕事です。

というのも、観光って一つの企業、一つの自治体で成果を出せるものじゃないからですね。観光業界の人たちは、人をある地域に行ってもらうことを目的とするわけですが、その”ある地域”にはたくさんの要素が含まれています。

 

まず人がそこに行くまでのインフラ。

そして到着したら、商店街やお食事処のお店。

宿、タクシー、バス、温泉街などなど…

 

これらがうまく連携をとれて、結果として観光しにきた人が

 

「いい場所だった」

 

と思わないと行けないわけです。

さきに上げた①や②は本当に一部の話で、実際にはそれらをうまく結びつける人が必要です。それが地方自治体だったり、日本政府だったりするわけですね。

そういえば最近島根の出雲大社が有名になっていますが、あれは地方自治体が地域の人々と一丸となって成功させた観光戦略の一つです。

 

こう見てみると、案外観光って面白そうじゃないですか?

ええ、私も少し惹かれました(笑)

 

なぜ今、観光なのか

昨今、観光産業がすごく注目されています。その要因はいくつかあるのですが、大まかには2つでしょう。

 内需の縮小

日本の人口はどんどん減って生きていることは皆さんもご存知でしょう。もう少しで、1億人を切ります。この傾向がどんどん進めば、日本で消費活動を行う人間も少なくなります。いえ、生産を行う人も減ります。つまり市場がどんどん縮小するということです。そうなると当然、社会保障を賄うことだって難しくなります。

その対応策として必要なのは、外国人を呼び寄せ、日本で消費をしてもらうことです。一度外国人が日本に来れば、彼らは様々なところで消費活動を行います。というより、彼らの行動そのものが消費になるのです。宿に泊まることも、食事をすることも、自販機で飲み物を買うものも、すべて、外国のお金が日本で使われるということになります。

小泉政権のときから日本政府はこの施策を積極的に打ち出し、昨年には外国人観光客1000万人を突破しました。

地方創生

もう一つ重要な目的となるのは、地方を発展させることです。外国人観光客は確かに増えていますが、それを地方に回すことが課題となっています。地方の人口は、日本全体の人口減少よりも激しいスピードで縮小しています。 

地域の人が1人減少すると、当然その地域の経済は縮小します。消費活動もしかり。これの対応策として挙げられるのは、その地域に観光客を呼び寄せることだと言われています。その地域の人ひとりの減少によって生まれる経済的な損失は、日本人観光客7人で埋め合わせができ、22人の外国人観光客で埋め合わせができると言われています。

 

まとめ

さて、いかがでしたでしょうか。

観光学部は商学部や経済学部に比べたらマイナーな学部ではありますが、その成長ぶりや政府の志向を鑑みるに、将来性のある学部になります。

それに先進的でもありますし、国際志向を持った生徒さんにはけっこうオススメできるのではないかなと。

 

 

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