文学部って何してるの?【学部紹介】
「文学部って何してるの?」もくじ
ー文学部で学ぶ科目
ー「文学部の就職率はよくない」(というレッテルたち)
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1. はじめに:文学部で学ぶこと?
文学部と聞いて、皆さんは何を想像するでしょうか?
私は最初これを聞いたとき、
「文学部って文学の研究するのか。すごいなー」
と思いました。文章を書くこと、文章を読むことを好きな人が、”学部”として成立するぐらいにはたくさんいるということにびっくりしたものでした。
ちなみにこれが、おそらく大半の人の文学部に対するイメージだと思います。
しかし、文学部の友人に「君はどこの国の文学勉強してるの?」と聞いた時には、「いやいや、文学部は本読むばかりじゃないから」と返されてしまいました。
実際、彼の研究分野は歴史であって、戦間期の日本を研究しているとのこと。
このように、必ずしも「文学部」=「文学の研究」ではないのです。
昨今の大学改革では、「人文系学部の縮小」が問題となっています。
(参考:「国立大学の文系学部廃止(人文社会学部・教員養成系)最新情報まとめ」)
しかし、こう疑問に思う方もいらっしゃることでしょう。「そもそも文学部って何してるの?」と。
今回の記事は、
文学部に対する一般的なイメージを崩すこと
を目的に執筆しました。
2. 文学部が扱う「もの」
文学部というくせに、やってることは文学のみではない学部。そこでは何が学べるのでしょうか。
まずは「文学部とはなんぞや」というのを見て行きましょう。
東大の文学部の目的は下記のとおり定められています。
人間の思想、歴史、言語、社会に対する真の理解を目指して、文献読解、資料 分析、実験・調査といった基本的な方法論を身につけ、幅広く深い知識を獲得すること を通じて、人類文化の継承と発展に寄与しうる人材を育成することを目的として教育を行う。 参考URL:http://www.u-tokyo.ac.jp/gen01/pdf/2e_10.pdf
ここで注目すべきは、”人類文化の継承と発展に寄与しうる”というところでしょう。
文学部とは”文学”だけではなく、文化全般を取り扱う学部なのです。文化と捉えれば、その範囲は文学を超えます。歴史だって、哲学だって、倫理だって、しいては民族学、心理学、社会学まで、広く扱われます。
とはいえ、「じゃあ文化を学んで何になるんだ」という話になるかもしれません。
おそらく皆さんが「何になるんだ」という質問の裏には、実用性だとか、就職の意識があるのではないかと思います。
そのとおり、文化を学ぶことは実用性には欠けます。経済学部のように統計を学ぶわけではありませんし、商学部のように経営戦略を学ぶわけでもありません。
しかし、文学部が目指しているのはそういった実用性ではなく、私たちが「人間として楽しむ」娯楽を提供する役割を持っているように思います。つまり、”教養”と呼ばれるものです。
私はシェークスピアだとかハムレットだとかいう文学作品を知りませんが、それを知っていると「教養のある人」と呼ばれるでしょう。そうした教養を徹底して深めることが、文学部の生き様だと、僕の友達が言っていました。
過去の人の軌跡を学び、深めることは大変有意義なことですよね。
文学部で学ぶ科目など
具体的に文学部で学ぶことを紹介していきます。文学部では、思想、歴史、言語、行動の4つの分野に分かれます。
思想系
いわゆる哲学ってやつです。哲学のみならず、倫理だったり、宗教だったりも学びます。思想系の授業というのは、他の学部でも開講していることが多いのですが、基本的に「一般教養」として開講されていることが多いです。つまりこれらのものは”教養”として位置づけられているんですね。
歴史系
これは考古学だとか歴史学、美術史が関係してきます。私の友人(大阪大学の文学部)はこの分野を極めようとしているらしく、日本と満州の関係だとかを研究していました。友人の宿題は歴史の一次資料をあたって分析することだったりするので、けっこうガチなものです。
言語系
いわゆる文学というやつ。日本の古書にかぎらず、他の国の文学にも触れたりして、翻訳を行ったりします。もちろんいろんな文学を読みあさることが強いられるわけです。皆さんが聞いたことあるような文学を読んで、それについてのレポートを書くことも。あるいは原典(英書)を読むということもあるようですね。この分野に進む人はやはり文学が好きなようで、「君何読んでるの?」と聞いたら「源氏物語」と返ってくる環境だとか言っていました(早稲田大学文学部の友人より)。
行動系
社会学だとか心理学といった、人間の認知・行動を学びます。最近この分野を目指そうとしている人が多いようです。心理学の授業は面白いようで、実験に参加すると単位がくるというのもあるみたいですね。心理学は人を用いた実験が中心ですから、学部生を使って実験することが多いようです。
※※文学部の雰囲気について※※
京都大学の文学部の人曰く、文学部は変わった人が多いらしいです(正直それって京都大学だからじゃないかと思ったりもしなくはないのですが...)。文学を学ぶというイメージを強く持っているがゆえに、そこが少し暗い雰囲気だと思うのは間違いだとか。実際は、どこの文学部もけっこうはっちゃけている人はいますし、けっこう明るい雰囲気を持っているようです。
3. 文学部って就職できるの?
文学部と聞いたら、「なんか就職が危ういんじゃないか」という印象は古くから持たれますが、実際のところどうなのでしょうか。
これについては少しばかり難しい問題があります。それは「就職がいい」というのは何を基準としてそう言えるのかということです。
例えば就職率が良ければ良いのか、あるいは内定先が有名企業であればいいのかという問題がありますし、さらにいえば”有名企業”とはなにかという問題もあります。
ですので、そもそも「就職がいい」の定義があいまいであるから、この点だけを見ても一概に「文学部は就職が良くない」とはいえないでしょう。
「文学部の就職はよくない」(というレッテルたち)
ではここで、文学部の就職状況の”レッテル”について少し考えていきたいと思います。
文学部で学んでいることは企業では役に立たない(というレッテル)
こういった意見が言われていますが、これ自体の意見は正しいです。しかし、文系学部であれば他の学部であっても同様で、学部で学んでいることは企業に直接には役立つことはないです。
というのも、他の学部で学んでいることが役に立つようであるならば、相応の研修を企業が実施するわけですし、そちらはより実践的ですので身につき具合も異なってきます。
ゆえに、文学部で学んでいることが他の学部に比べて不利だということはありません。さらに以下のグラフをごらんください。
参考URL:http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/13/dl/13-1-5_01.pdf
こちらは企業の人がどういった人を望むのかといったアンケートですが、昔は専門知識を重要視されてはいましたが、最近では基本的に人柄を重視するものばかりで、専用スキルを要求していません。むしろ教養を深めることで人柄がよくなるとすれば、文学部は他の学部よりもむしろ有利といえるでしょう。
実際に文学部の就職率はあまりよくない(というレッテル)
これについては大学によって異なってきます。やはり東大やら慶應の文学部でしたら就職がいいのは当たり前です。しかしそれでも、「文学部は就職がよくない」と言われています。なぜでしょうか?それは文学部の特徴が、直接に就職に良い影響をもたらしていないからです。
けれどもこの前提がそもそも間違っているような気がするのです。
ついでに中央大学の商学部と文学部の卒業生の進路についてのグラフを掲載してみます。
参考URL:http://www.chuo-u.ac.jp/career/center/employment_data/2013/
注目すべきところは「進路不明」と「その他非就職」だとは思うのですが、その点においては両学部とも別に大きな差があるわけではありませんよね。むしろ文学部のほうが教員志望だとか公務員志望だとか留学だとかを志望していて、自分の夢を目指している気がしなくもないですね。
ここまで見ると、文学部の就職が良くないというのは、都市伝説なんじゃないかと疑わしくなってきますね。
ではさらにここであえて、本当に文学部が他の学部よりも就職状況が悪いとしたら、それはどうしてかというのを考えてみたいと思います。理由は主に3つあるでしょう。
- a)そもそも就職を希望していない
文学部には歴史だとか心理学だとか、あるときには教育だといった分野を含みます。その場合よくあるのは、「教員」だとか「精神医療」だといった目標を持つ人が多くなるのです。文学部の文学科にいくようであれば、やはり文学を志望している人はある程度はいるわけで、その人達はその研究を行うことになります。
他の学部と違い、没頭しやすい分野であったりするがために、就職をしようと思う人がそんなにいなかったりするのです。就職率というのは「学部生全体において就職する人数」を表したものであって、就職しようと思って就職に成功した率を表しているわけではないのです。
- b)女子が多い
文学部には女子が多いです。数年前はやはり就活において男女差別的なところはありましたから、女性の方は就活に苦労したと聞きます。文学部は他の学部に比べても女子が多いがために、就職が良い状況だと言われない、という仮定もできなくはないのです。
しかし最近では、むしろ女性を優遇しようという動きが安倍政権以来出てきたので、むしろ文学部の就職状況がよくなるんじゃないかという噂もあります。
- c)OBOGの少なさ
これはa)とb)の結果として生まれるのですが、就職している先輩が少なければ、当然OBOG訪問の場面では、他の学部と比べて不利が生まれます。まぁこれは仕方ないですね。
4. まとめ
結局のところ、就活というのは自分がしたことを仕事にどう活かせるかを考えるのが必要なのです。それは文学部のみならず、経済学部だって商学部だって同じです。むしろ、文学部で学べることは、誰しもが一度は興味を持ったことがあるような分野を学べる空間なのですから、知の宝庫といえるでしょう。
文学部は外から見れば何をしているのかわからないから、そういうことを言われているんでしょうね。
実際はいろいろとやっていて、けっこう面白い学部なんですよ、実は。
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