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【学生講師向け】PDCAを回そう【ビジネスツールを応用する】

2021/12/17


今回の記事は、ビジネスマンに紹介されるツールを塾講師に応用してみようというコーナーです。世間には様々なツールが存在します。PDCAやMECE、SMARTといったツールもあれば、少し専門的になれば先行指標や遅行指標といった、目標達成を数値化するようなツールまでもあります。

しかし、それらはビジネスマンによって活用されることはあっても、学生にはあまり紹介されることなく、彼らは自分なりのやり方を見つけていくしかありません。

ビジネスマンが使うようなツールを塾講師が身につけ、それを生徒に適用させていく。いえ、あるいは自分自身で使ってみるのもいいでしょう。

今まで紹介してきた知識はあくまで生徒のための知識ですが、たまには塾講師にも役立つような知識をと思ってこの記事を書きました。

 

PDCAを回そう

さて第一弾はPDCAサイクルです。これをすでに知っている人もいれば、知らない人もいるでしょう。PDCAとは、Plan-Do-Check-Actionの頭文字を集めたものです。どういうときに使うかというと、何かの目標を達成しようとするときであればいつでも使えるツールです。いや、ほんとに。

目標を立てたらみなさんは、まず何をするでしょうか?

もちろん、それを達成するための計画を立案するわけですが、実行しているとき、その計画はうまく進んでいるでしょうか?

おそらく大半の計画はうまく行きません。というのも、計画を立案する段階ではあまりにも不確定要素が多すぎて、うまい計画というのが立案できないからです。しかし、いざ実行すると、その不確定要素が確定要素にかわり、実際に計画の進行をどのように阻害しているのかが目に見えてきます。

PDCAサイクルとは、そのような確定要素を計画に織り込んでうまく計画を進めるためのツールなのです。それでは具体的に中身を見て行きましょう。

 

Plan:計画を立てることを意味します。目標を達成しなきゃいけないなぁと思っている時にはもちろん計画は必要です。それは1年単位でもいいですし、1ヶ月単位でも構いません。まずは目標を立てて、計画を実行しましょう。

Do:これはそのままの意味で「する」です。計画を立てたからには実行しましょう。しかし残念なことに、この段階にくると諦める人がけっこういます。計画したからにはまずは実行しましょう。そうでないと、計画の意味がありません。

Check:実行すると当然齟齬が生まれてきます。計画には、毎週100単語覚えるつもりだったのが、今週80単語しか覚えられないという現実に直面することもしばしばあります。計画を見直し、現状と計画の間にどのようなギャップがあるのかを確認しましょう。

Action:確認を終えましたら、なにかしらの対応策を講じます。たとえば、毎週100単語覚えるのが難しいと感じるのであれば、100単語ではなく80単語にするだとか、あるいは、先行指標(成果物で測るのではなく、進捗で測る)を用いるなどして対処します。そして、Planに戻ります。

 

なんだ当たり前じゃんって思いますか?

しかし、当たり前と思ったときが一番危険です。この当たり前を実際に実行している人がどれだけいますでしょうか。当たり前だからこそ、大切なのです。

 

実際に、やってみた

さて、単に内容を紹介しただけではどうにも味気ないので、実際に私がPDCAサイクルを使ったシーンを紹介しましょう。現実にはもうちょっと複雑なプロセスがあるのですが、内容は省略して紹介しますね。


状況

ある生徒が「英単語を毎週400語ずつ覚える」と急に宣言しました。彼は英語がすごく苦手で、センター模試を受けた時も60点ぐらいしか獲得できませんでした。海外に出て金髪美女と英会話できるようになりたいことがきっかけだったようです。もちろん先生であるあなたは是非応援したいと考えるでしょう。しかし、どうすればいいでしょうか?

まずは、計画(Plan)を立ててもらいましょう。計画は複雑である必要ありません。簡単なものでいいです。たとえば、1日50単語ずつ覚えるでもいいですし、400単語を1週間で2周するでも構いません。とりあえず、わかりやすい目標を立てましょう。

 

【計画】

1日100単語を覚えて、1週間の後半3日間は復習に当てる

しかし、これだけだと本当に実行可能かがわかりません。生徒の状況を確認してください。勉強する時間はどれだけ確保できますでしょうか。

 

【生徒の1日の時間の使い方】

確認したところ、4時に学校が終わり、5時~8時までは塾の自習室にこもる習慣は身についているようです。そして、他教科や宿題にかける時間は1日1時間ほどです。これらを考慮すると、だいたい2時間の時間が確保できます。2時間があればとりあえず実行(Do)できそうだなということで、あなたはGOサインを出しました。

 

1週間後の状況

しかし、1週間後、テストをしようとしたら単語を覚えきれなかったと言い出しました。聞いてみると、200単語しか覚えることができなかったとのことです。このとき、あなたは決して叱ってはいけません。なぜなら、PDCAサイクルの良さは、そのときの失敗をきちんと次の糧にすることなのですから

ここはCheckの段階です。どうして単語を覚えることができなかったのかを分析すると、2時間も単語をずーっと繰り返して覚えることに飽きが出てきたということがわかりました。

これより、とりあえず今回は200単語をテストするということにします。Checkで浮き上がった課題は、「単語の勉強に飽きてしまう」ということです。それならば、2時間という勉強時間をできるだけ分割し、そしてその一部を通学中の時間を活用することを提案します。時間でいえば、塾での学習を1時間、そして通学中にもまた1時間を使って学習します。このように、次どうするかを打ち出すのがActionです。

 

以上の流れは、実際に私が回したPDCAサイクルなのですが、PDCAを2周回して軌道に乗りました。おかげで2ヶ月弱で1500単語覚えました。

 

整理すると

Plan:1日2時間で100単語を覚える。

Do:実行

Check:2時間だと途中で飽きてしまって、100単語覚える気力が生まれない

Action:1日の中で学習時間を分割することを提案

このように、単純に計画を立てるだけじゃなくて、きちんと進んでいるか、そして進んでいないとしたら何が原因なのか、その原因を潰すためにはどうすればいいのかをきちんと考えることが重要です。

 

 注意事項

塾講師がPDCAサイクルを使うにあたって注意点があります。それは、計画の失敗の大半の原因は、生徒のモチベーションの欠如にあるということです。Planの段階で明らかに実行しそうなものを立てたとしても、うまくいかないことが多いです。それは生徒自身に勉強のモチベーションがなかったりすることが大半の原因です。そういうときは、Checkの段階で、モチベーションが上がらないのはなぜか?というところを徹底して分析してください。先ほどの例で言えば、「飽き」がモチベーション低下の原因でした。他にも「時間の使い方を知らない」「定着している感じがしない=達成感がない」などあるかもしれません。そういったところを、徹底してヒアリングし、それに応じたActionを提示してみてください。

 

まとめ


私が個人的にこのツールがすごいなぁと思うところは、計画を立案した後の動き方をうまくまとめていることです。普通、計画は立案されたらそれが放置されるのですが、それを適宜修正する、ないし軌道に載せるためのActionを否が応でも考えさせる点が素晴らしいと思いました。

ちなみにこのPDCAサイクルは授業中でも使えます。ある文法問題を間違えたときには、なぜそれを間違えたかのCheckを行い、そして次にどうしたらいいのか、あるいは次同じ問題を解くまでに何をしたらいいのかのActionを考えさせます。

すると、生徒の成績も伸びました。

みなさんぜひ、PDCAサイクルを使ってみてください。

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