大学入試を終えて、合格が決まり、そして新しいバイトとして塾講師でも始めてみようかなと思っている方に向けて。
この記事では私が集団指導の塾講師になり、集団指導講師に慣れるまでの道のりを書いていきます。
いわば、体験談というものです。
今、塾講師をしている人がどんな環境に身を置いて、どんなことを考え、何を感じたのか。
ここに書いていることはあくまで自分のことであって、その考えが正しいものではありません。
あくまで、「塾講師の仕事ってこんな感じなんだ」というイメージを持っていただくために、読んでいただけたらと思います。
ちなみにこの記事での私のステータスは、大学2年生で、科目は国語でした。
研修時 ーまだ大丈夫でした
集団指導をやってみたいと思い、応募して1ヶ月。
面接も終えて、さぁこれから研修ということで、3月ぐらいに研修を始めました。
私はサークルで人前で話すことに慣れていたこともあって、集団指導は「いける」と思っていました。
研修内容については、企業秘密とかあるかもしれませんので深く言及はできないのですが、
おおまかに言えば、元気に語る練習をしていました。声を出す練習ってかんじですね。
研修のときは本当に楽で、1人の講師を前に大きな声で語る練習をしていればいいので、
特に緊張しませんでした。
ただし、人前で話すことに慣れていない人は、相手が1人であっても、立ちながら話すということには少し苦痛を覚えるかもしれません。
けれども、これは塾講師になるためには本当に必要なステップですので、避けることはできません。
なぜなら実際の授業では、10人以上の生徒の前で話すわけですからね。
初回授業 ー本当に緊張します
さて場面は変わって初回授業。
研修のときとは違って、初回の授業は本当に地獄でした。
研修で人前で話す練習はさせられるのですが、
その人前というのはあくまで研修官1人を前にしてのことであって、
20人以上の前で話すというのはやっぱり緊張します。
さらにいえば、
初回の授業というのは単に人前で話すというだけでなく、「初対面の人の前で」という条件付きなのです。
慣れがあるとしても、数回授業した後のクラスで行う授業よりもつらいものです。
教室に入ると、20人の視線がこちらに集中。ざわめく生徒たち。
そして生徒がこちらに向けた顔には「誰だこいつ?」みたいなことが書いてあります。
想像しただけで身震いがしますね。
そして、大人数の前にたって自己紹介。
このとき大人数の前で初めて声を出すわけですが、もちろん声は震えている。
一応事前に、笑いネタを準備していたのですが、あまりにも緊張しすぎて忘れてしまいました。
何の笑いも取らずに自己紹介していきなり授業をやるはめになるんですよ。
すると生徒からしたら「え?面白くない」っていう顔が見えるわけです。これがまたつらい。
そして、本題の授業です。
授業は自分の事前準備に基づいて進行していきます。
事前準備では、
「ここまでヒントを出したら生徒がきちんと答えを思いついてくれるだろう」と考えた質問を準備したり、
「きっとこの問題の答えはわからないはずだ」とあえて答えられないような質問を準備したりします。
しかし事前準備のときのリハーサルとは異なり、
生徒たちに質問を投げかけたら予想外な答えが返ってくることが多いのです。
例えば、
私「か・き・く・け・け、a・i・u・e・eと4つのローマ字を使ってるけど、これは何段活用?」
生徒「上二段活用」
みたいな感じでです。
私は、このとき、自分の中では「4つのローマ字というヒントを与えているから四段活用と答えてくれるはずだ」と思っていました...。
結局、これをどうにかうまく返すこともできず、言葉を濁すしかできませんでしたね。
このような状況が、塾によっては120分も続いたりするわけですね。あるは45分か、80分か。
そもそも5分のスピーチをしたことがないのに、それを45分も続けるというのはなかなか苦痛でした。
黒板・白板を書くのが難しい
授業に不可欠な黒板・白板、これを書く技術には大変苦労しました。
白板に何を書くべきかを瞬時に判断する能力も必要です。早く書く技術も必要です。
けれども本当に苦労したのは色分けです。
けっこう自分の感性で、白(黒)だとか赤だとかを使うわけですが、それって許されないんですよね。
生徒に意味をもたらさないといけないわけです。
だからなんとか、色分けは使う場面を定義しなければいけないのです。
もちろん定義はしたのですが、いかんせん初めのほうの授業は緊張していたために、
その定義を忘れてしまうことがけっこうありました。
授業前後 ー準備は大変です
そんなこんなで初回は大変でした。
たぶん集団指導を初めてやった講師はみんな同じ思いをしたことだと思います。
当時、私は「授業の質がしっかりしていれば生徒はついてくるはず」と思っていました。
ゆえに、授業が終わった後はその日の授業の振り返りをしていました。
あのときはああ言えばよかった、とか。
あの生徒にはこんな言葉をかけてやればよかった、とか。
そういったことをあれこれ回想していました。
集団指導を始めたての人は、これをやらずにはいられないのです。授業後は後悔の連続です。
もちろん、そのときの反省は次の授業に活かされます。
授業の2時間ぐらい前から授業の構成を練り、イメージトレーニングを繰り返していました。
たぶんここでつまづくだろうとか。
ここではあんなたとえ話をしてあげようとか。
とにかく考えます。
集団指導では、こういったあれこれ考える時間を加味してしまうと、時給が安くなってしまうといいます。
けれど、この時間は無駄にしてはいけません。
というのも、ここであれこれ考えることが、自分の思考力を伸ばしてくれましたし、
なにより後のほうで集団指導の授業前に、授業準備に時間をかけることもなくなってきたのですから。
それからしばらくの授業 ーやっぱり生徒が怖い
試行錯誤した成果を毎回の授業でぶつけることをしてきました。
続けているうちに、生徒がいわゆる「初対面」ではなくなりましたし、
人前で話すことも慣れるようになりました。
1ヶ月もすると緊張はなくなってきます。
しかしそれは講師だけではなく、生徒側も同じです。
彼らが最初私を見た時は「誰だこいつ」といった目線でした。
そのためか、とりあえず言うことには従っておこうかということで宿題をきちんとしてきていましたし、
授業で騒ぐこともありませんでした。
秩序、崩れる
けれども慣れてくると、生徒たちもだんだん私がどんな人なのかがわかってくるんですよね。
私の性格の問題ではあるのですが、私が強く言えない人だということが伝わってしまいました。
すると、一気に授業をサボり始めました。
ある生徒は遅刻をよくするようになり、
ある生徒は宿題をまったくしなくなりました。
授業の質を上げるどうこうの問題じゃなくなったんです。教室の秩序とでも言うのでしょうか。
最初のうちは、私も無視をしていたのですが、やっぱり我慢ができなくなり、いくつかの対処を試みました。
・サボる生徒を呼び出して説教
・居残りをさせて課題をやらせる
・保護者と相談
などなど。
ちなみに全部失敗しました。生徒はそもそも私をなめているわけですから、説教しても聞くわけがありません。
居残りさせても課題をやらず、おしゃべりして終わることが多く、保護者も効果はなし。
どうしたものかと思い、社員さんだとか、教室長だとかに相談して、解決策を考えていきました。
名前覚えるのが難しい
この時期苦労したことといえば、名前を覚えること。
人数が多かったというのもあるのですが、全員の名前を覚えることが難しかったです。
名前を覚えていないと生徒を指名するのも難しいので、出来る限り早く覚えようとしました。
ちなみに生徒の名簿とかを家に持ってかえることはできません。個人情報保護のためですね。
ですから、塾にいるときしか覚えることができないのがつらかったです。
前半戦の感想
とりあえず生徒は手強いです。
相手が中学生なのか小学生なのかで特徴は分かれるのでしょうが、感想を一言でいうと、
生徒は頭がいいということです。
とにかく先生の何かしらのミスを見つけるのがうまいですし、
説教したとしてもそれに対する反論もなかなかのものでした。
加えて、授業の進行にあたっては不確定要素が多すぎて、思い通りに進まないことが多いのです。
そんな不確定要素に出くわしたときに、どう対処するのかを瞬時に判断する能力が、集団指導では求められます。
これらが身につき始めたのは、だいたい夏休み以降でしたね。
それについては次回の記事で書きたいと思います。
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