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【新人講師対象】失敗を成長につなげよう!今知っておきたい仕事の心構え

2023/09/05

新人塾講師がぶつかる壁

新人塾講師の皆さん、塾講師生活スタートおめでとうございます!


本稿を読んでくださっている皆さんの中には、

おそらく大学に入学して塾講師の採用が決まり働き始める人、

大学を卒業して新社会人として働き始める人・・・色々なスタートを迎えている頃と思います。

 

これまで学んできたような事にさらに磨きをかけて、後輩の受験生たちにその受験で培った知識、テクニックなどを伝えられるだけ伝えていってあげましょう。

 

 

さて、働いている方はもうそろそろ受験生の時との違いを肌で感じていると思うのですが、受験生と講師の違いを今一度考えてみてください。

 



もちろん色々あると思うのですが、受験生の頃と何より違うのは、


お金をもらう立場になる

 

ということですよね。

 

これまでは塾であっても、家庭教師であっても皆さんはお金を払う立場として勉強していたはずです。

つまり、塾にとっての大切な顧客、お客様として皆さんは塾に通っていました。

 

 

それが、塾講師生活を始めると今度はお金をもらう立場=サービスを行う側になります。


そうなると、授業も含めてこれまでとは違う塾の姿が見えてきているのではないでしょうか。

 

楽しい面、やりがいもたくさん感じていると思います。

一方で、

・授業を行う側になり、教室の風景が変わった
・受験生で通っていた頃は、いつもニコニコ優しい塾長だったのに、講師として働きだすと仕事に対して
 厳しい上司だった
・これまでの勉強で自分が理解したと思っていたところが以外と上手く説明することが出来なかった。
・生徒の保護者の対応                               etc.

 

というように、壁に当ることも今後きっとあるはずです。



あえて挫折をする必要はもちろんありませんが、新人講師の皆さんには、

 

挫けそうになった時に、それをどう成長につなげるか

 

という視点を是非もってもらいたいのです。

 

 

 

筆者が塾講師として務めていた頃、こうした失敗や辛いことに耐えられず、辞めてしまう講師を何人か見てきたからです。


後ほど詳述しますが、

失敗や挫折をした時ほど、成長に繋げられるチャンスなのです!

 


そして、これは塾講師だけでなく社会人になってからも大事なスキルであるといえるでしょう。

その点について新人講師の皆さんの背中を押せるような記事を書いていきたいと思います。

 

塾講師という職業の特殊性

塾講師というのは、新人にとってある意味とてもシビアな仕事です。

基本的に企業というのは、1年目から大役を任せたりすることはなく、新人を先輩の側にくっつけて働き方を観察させたり、研修を通して仕事内容を紹介したりして、責任ある仕事をこなせるように新人を育てます。



仮に1年目の大抜擢で、大きめの仕事を任せる場合でも、ほぼ例外なく先輩であったり上司がサポートする体制を取っています。

 

それに対して塾はどうでしょうか。

 


塾の場合、新人に行う研修は働き方や契約の事であったり、塾講師としての責任感を植え付けるようなものはあります。

 

しかし、初めての授業で先輩と一緒に授業を行うような事はまずありません。

塾という業界では、企業にとって最も大切で、大きな仕事である授業を1年目から1人で任せられます。

 

しかも、1年目であっても30年目の大ベテラン講師であっても1つの授業に対する責任は全く同じです。

 

経験量の多さだけが塾講師の良し悪しを決めるものさしではないのですが、塾では講師の力量によって授業料を分けることはしないからです。

料金体系はそれぞれですが、基本的に中学生は1授業〇〇円、高校生は〇〇円という形になっており、美容院のように美容師のランクによって指名料を別途とるところは普通ありませんよね。

 

授業や勉強量の経験値が全く違っていても、顧客である生徒や保護者からは全く同じ期待値で見られているというのが塾講師の大きな特徴の1つであると言えるでしょう。

 

失敗の捉え方

こうした事があるゆえに、塾では新人に対する指導も、他の大学生が行うバイトに比べて厳しめに設定されていると思います。


それゆえ、想像以上の厳しさにやめてしまう新人講師がいたという話もよく聞きますし、筆者が務めていた塾でも実際にやめてしまう新人は毎年1人2人いました。(さらに言えば、何人か辞めることも見込んで多めに採用をしている事もありました)

辞任

あまりの高圧的な厳しさは確かに問題ですが、なかなか学生のバイトでこれほど社会人と同じような経験が出来る仕事もありません。



もし、よっぽど、教えるという仕事に嫌悪感がないのなら、その挫けそうな気持ちを自分の成長に繋げられるように前向きに捉えて欲しいのです。

 

具体的にどのような時か。

 

これも答えは色々あると思うのですが、全員に共通しているのはやはり仕事の上で失敗をしてしまった時なのではないでしょうか。

 

例えば、

・授業を興味深くてわかりやすいものにできず、生徒が何人も寝てしまった
・教材作成、コピーなど、上司から頼まれていた仕事がきちんと出来ず叱られてしまった
・指導内容を間違えてしまい、保護者からの苦情が来てしまった

などなど。誰しもがこうした失敗をすると嫌な気持ちになるものです。

 

しかし、こうした事が起こり、塾長や先輩から叱られてしまっても、必要以上に落ち込む必要はありません。

 

 

あくまで塾長や先輩はその仕事上での失敗を言及しているのであって、決して叱られる講師の人間を否定しているのではないからです。

 



スポーツをやっていた方なら、動作時のフォームなどが悪いと、「もっと腰をいれろ」「もっと腕を振って走れ」という言葉を、時には罵声も交えつつコーチや監督から声をかけられましたよね。

 

塾講師の失敗に対する叱咤激励もこれと同じです。

 

失敗の内容を責めようとしているのではなく、新人講師にそれがいけないことであると意識付けようとしているのです。


なので受け取る側もその言葉を、自分が成長するために必要な言葉をもらえたのだと前向きに捉えるようにしましょう。

 

そして、同時に2度と同じ過ちを繰り返さないよう心がけることです。

 

 

どう成長につなげるか

では、その失敗を具体的にどう成長につなげるべきか。ここから述べていきます。

 

忘れないための最も有効な方法はきちんとメモをとることです。

メモ

大学受験時代を思い返してみてください。

覚えたい重要語句や公式などは、単語カードを作ったり、公式を利用したりして何度も何度も反復練習をしなければ覚えることが出来ませんでしたよね。

 

覚えたいことでさえ、覚えようと努力しなければ覚えられない。

ということは、逆に言えば失敗したりした嫌な経験というのも、その時は悔しくてもきちんと言語化しておかなければ、段々記憶が薄れていってしまいます。

 

だからこそ、

<失敗した後に記録したいこと>
①どうして自分は失敗をしてしまったのか

②どうしてそれがいけなかったのか
③それが再び起こらないためにはどうしたら良いのか

この3点だけでも記憶が鮮明なうちに、言語化しておくべきだと思うのです。

 

筆者はこうした事を先輩に教えてもらい、帰りの電車の中でいつも手帳の最後の部分にメモを取るようにしていました。

こうすることで再発を防止することができましたし、よりスムーズに仕事が行えるようにもなりました。

そして、自分が先輩となって、後輩に指導する際にもこうした事をきちんと消化吸収しておいたことで質の高い指導が行えたと思います。

 

まとめ

ここまで、新人講師が失敗をしてしまった後に、どうやってそれを成長につなげていくかについて述べてきました。

筆者も、これまで仕事上で失敗してしまったことがあります。


時には猛烈な勢いで怒られてしまうこともありました。

しかし、本稿で述べたような、失敗を成長に繋げるための方法を先輩講師から教わっていたため、
失敗を失敗で終わらせないようにすることが出来たと思っています。

例えば、授業で生徒を惹きつけられず、居眠り生徒が何人も出てきてしまった時。

上記の<失敗した時に記録したいこと>には以下のような内容がメモされていました。

 

①どうして自分は失敗してしまったのか
→塾講師の自分の教えたい内容と、生徒の知りたい内容が一致しておらず、授業の展開にも工夫がなかったため生徒にはつまらない授業になってしまった。
②どうしてそれがいけないのか
→生徒は質の高い授業を受けるためにお金を払ってまで通っているのに、質的にも量的にも薄い授業をしてしまっては、塾そのものの信頼を落とすことになってしまう。
③それが再び起こらないようにするためにはどうすればよいか
→教える内容の魅力を伝えるためにより深い教材研究をすること。
そして、授業の展開にも工夫を持たせることで、生徒が飽きないような構成にしよう。

 

このような事をメモしておいたことで、工夫の材料とすることができ、状況をかなり改善することが出来たと思います。


この点については拙稿「【塾講師の専門性は授業力!】生徒を授業に飽きさせない方法とは!?~社会科を例として~」に詳しくご紹介しているので、よければ合わせてご参照下さい。

 

 

 

 

長くなりましたが、本稿は以上です。新人講師の皆さんのご健闘を祈っております。

ここまでお付き合い下さりありがとうございました!

 

 

 

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