明日からも頑張りたくなる、リフレッシュの仕方!【夏期講習前に生徒に伝えたい】
夏期講習に入る前に
じめじめした梅雨の時期も中盤にさしかかり、いよいよ夏期講習が目前に迫ってきました。
生徒にとっては、受験の合否に大きく関わる1ヶ月弱。
そろそろ夏期講習でどのような講習科目を選択するか考えだしている頃ではないでしょうか。
よく使われる言葉ですが、「夏は受験の天王山」という有名な格言があります。
毎年多くの生徒がこの夏休みの使い方次第で合格をぐっと引き寄せますし、反対にライバルに差を付けられたりもします。
最終的な進学実績は塾における最大のアピールポイントの1つになりますよね。
つまり、この夏期講習は塾の将来的な顧客獲得のためにもとても重要な時期と言えるわけです。
塾の運営の方にとっては、生徒が最大限成績を伸ばせるよう試行錯誤が続く毎日になると思います。
そんな踏ん張りどころの時期ですが、クーラーの効く部屋に長時間いるためか、意外と体調を崩す講師が多いのもこの時期の特徴です。
”本当に必要な時に先生が体調を崩していていない”
こんなことが起こらないよう、どうか適度に休憩もとって夏期講習の時期をお過ごしください。
そして、これは生徒にも全く同じことが言えます。
筆者が塾に努めていた頃に、「ここが勝負所!」という意識を強く持っているためか、気力や体力の限界をこえているのに頑張り続けてしまう生徒の姿を何度も目の当たりにしました。
運動における全力でのダッシュがせいぜい200メートルほどしか初速を保てないように、
勉強におけるエネルギーも所々で上手く抜かなければ、思ったほど成績が伸びなくなってしまいます。
とはいえ、あくまで一生懸命頑張った上での心地よい休憩=”リフレッシュ”です。
後ほどまた詳しく述べますが、リフレッシュのためのリフレッシュにはならないようにしましょう。
上記のような問題意識から、本稿では一体どのようにリフレッシュを考えれば良いのか?
本稿では講師が指導にも応用できる
心地よい休憩を取るために意識しておきたい大事なポイント
をご紹介していきます。
リフレッシュとは
心地よい休憩=リフレッシュと定義しましたが、
そもそも休憩とは何のためにあるのか?
その点から確認してみましょう。
受験時代を思い返しながら考えていただきたいのですが、
講師の皆さんは心地よい休憩を取ることって何のために必要であると思いますか?
・心身ともに気分転換すること
・張り詰めた緊張感をほどくこと
・今しかできない仲間との遊びの時間も大切にすること
などなど、色々な答えがあると思います。
もちろん受験生に限らなければ上記のような目的で休憩をとっても良いのですが、受験生となると少し状況は違います。
受験生は学校の部活や行事なども忙しい中で、浪人生も含めたライバルと競争しなければなりません。
そして、年明けから本格的にはじまる大学受験は、勉強をしていてもしていなくとも刻一刻と迫ってきます。
確認するまでも無いことですが、時間は決して待ってくれないのです。
ということは、どのような休憩の取り方にせよ、休憩する以上は、
「よし!明日からまた受験勉強を頑張っていこう!」
こう思えるようなリフレッシュの仕方でなければならないはずです。
休憩の取り方の悪い例
筆者が過去に見た失敗例をご紹介します。
ある生徒のA君は、夏期講習の授業がない日に高校の友だちと海に遊びにいくことになりました。
久しぶりの遊びであるがゆえに、A君も含めて皆大喜び。
朝早くから江ノ島の海岸へ遊びに行きました。
1日だけとはいえ、日頃の勉強から解き放たれた開放感からA君は仲間とともに日が暮れるまで、遊びに遊び、夜の10時頃帰宅します。
ところが次の日、前日あまりにはしゃぎすぎたために全身が筋肉痛。疲れもピークに達していたため、とても立ち上がれる状態ではありません。
致し方なくA君はもう一日家の布団でゴロゴロして過ごし、その後も数日間日焼けの痛みで思うように勉強に集中できませんでした。
いかがでしょうか?
A君は、本来勉強漬けの毎日の気分転換として、思い切って取った休日だったはずです。
しかし、気分転換どころ遊びで疲れ果ててしまった分を取り戻す方に余計に時間がかかってしまっています。
こうなっては本末転倒になってしまいますよね。
夏期講習の間はライバルの受験生も精一杯努力しているので、わずか数日であってもやらなかった分は大きな差がついてしまうこともしっかり意識しなければなりません。
機会費用
これに関連して1つの考え方をご紹介します。
経済学には、「機会費用」という概念があります。
受験生に限らず、私達は何かをする時、1つの行動を選びとると同時に他の色々な可能性を犠牲にしています。
例えば、休みの日に何か社会人向けのセミナーに出る選択をしたとしましょう。
それが仕事に関する講演内容であったとしたら、仕事のスキルアップに役立てることが出来るかもしれません
しかし、休みの日の過ごし方は他にもたくさんありますよね。
例えば、
・友達と遊びに行く。
・トレーニングジムに体を鍛えに行く。
・好きなアーティストのライブを見に行く。
・恋人とデートする。
などなど、他にも例はいくらでも出せますが、この場合はセミナーに出るという選択をしたことによって、
上で示したような選択肢を切り捨ててもいるわけです。
つまり、「機会費用」という考えを頭の片隅に入れておけば、
何か行動するときに、
”果たしてこれが他に取りうる選択肢のどれよりも最善のものなのだろうか?”
と自らに問いかけるきっかけを与えてくれるのです。
これはちょっとした休憩の取り方にも当てはまります。
自習をしている間のちょっとした休憩で友達とついつい熱が入って話し込んでしまう生徒を時々見かけます。
それが互いを高め合う勉強に関する話(質疑応答など)であったり、たまたま1回勢いが乗ってそうなってしまった、ぐらいであれば大したことはないのですが、恒常的になってしまうと話は変わります。
仮に1回の会話が30分であるとしましょう。
そうすると、1週間に1回であったとしても1ヶ月で約2時間、そして1年間では24時間にもなります。
まるまる1日休憩と称した会話に費やすことになってしまうのです!
このような時にも、
「本当はこの時間も勉強して成績を伸ばせるかもしれないけれど、その可能性を潰して今話している」
と意識できるかどうかで休憩の取り方も変わってくるはずなのです。
話を戻します。
繰り返しになりますが、筆者が言いたいのは、「脇目もふらずにひたむきに勉強するべき」ということではありません。
あくまで頑張っている状態を長くキープするためのリフレッシュならば、その頑張りをキープするための方法でリフレッシュしてほしい、ということです。
ルールを守った休み方を!
それでは、どのようにリフレッシュすればよいのか?
何が楽しくて気分転換となるのかは1人1人違う人間である以上一般化することはできません。
しかし、1つ言えることは自分なりのルールを設定してリフレッシュすることです。
具体例を紹介します。
筆者は小学校から高校までずっと野球に打ち込んでいました。
なので高校3年生で部活を引退した後、受験勉強に疲れてリフレッシュしたくなった時は”後輩の指導”という大義名分のもと部活の練習に参加させてもらっていました。(もちろん部活の顧問に事前に許可を得ています。)
自分の大好きな野球で汗をかくことが自分にとっては何よりの気分転換になったからです。
ただ、その際には必ず
・ヘッドスライディングなどケガの危険があるプレーはしない
・17時を過ぎたら帰る
・肩や肘に負担がかかり過ぎないようにする(書くことに支障が出ないようにするため)
というルールを設定していました。
こうすることで、過度の疲れを残したリフレッシュになることを予防することができるからです。
何でリフレッシュするかによってこのルールも変わってくるとは思いますが、あくまで大切なことは、
「よし!明日からまた受験勉強を頑張っていこう!」
と思えるようなリフレッシュで終われるルールにすることです。
やってみるとわかりますが、意外とルールのある中でも十分なリフレッシュになりますよ。
最後に
本稿では、効率的にリフレッシュをするための方法をご紹介してきましたがいかがだったでしょうか?
おそらく、これから本格的に夏期講習がはじまる中で塾講師の皆さんはこうした指導を行う場面が訪れることになるかもしれません。
そうした時の1つの参考になれたら・・・そのような想いで本稿を執筆しました。
生徒の指導を第一に書きましたが、塾講師の皆さんも是非適度にリフレッシュして大事な夏期講習を乗り切って下さい。ご活躍をお祈りしています。
長くなりましたが本稿は以上です。ここまでお読み下さりありがとうございました。
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