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【2次試験対策に!】「名詞構文」を解釈する3つのポイント

高校生

2021/12/17

名詞構文…訳しづらいですね。

名詞構文は、ほかの文法の単元と比べてひと癖もふた癖もあるものです。

訳す時によく頭を使わなければいけない分野といっても過言ではないでしょう。

それゆえ、長文中に突然出てきたときにすぐに対応できる生徒は極めて少ないです。

名詞構文を理解するにあたり、

大半の生徒が、自分で考えて意味が通る訳、自然な日本語訳にするように心がけていることでしょう。

 

 

ですが、いちいち考え込んでいては時間が足りなくなってしまいます。

今回は、

いちいち自分で考えなくても、「いくつかのパターン」で思考していけば、簡単に訳すことができるということを生徒に簡単に指導できる方法


を紹介していきます。

 

まずはじめに、

なぜ訳しにくい構文というものが出てきてしまうのか。


そこから簡単に説明していこうと思います。

 

そもそも、英語というのは「名詞」が中心の言葉なのですが、日本語は「動詞」中心の言葉です。

その本質的な違いによって、無生物主語のような、そのままでは訳しにくいケースが発生してしまうのです。

 

 

日本語が動詞中心で、英語が名詞中心のわけ

言語にわけも何もあったものではないですが、この感覚を生徒に理解させることは非常に重要なことです。

特にこの感覚は英会話、英作文に役に立ちます。

 

このことに関しては言葉では難しいので例文を使って説明しましょう。

 

 

まずこの日本語文を生徒に英訳させてみてください。

 

「ポスターが壁にかかっている」/「壁にポスターが貼ってある」 

 

すぐにできる生徒はあまり多くないと思います。

 

実際この前、私が高校3年生の生徒に聞いてみたところ、「貼ってある」、「かかってある」の英語の動詞がわからないと悩んでいました。

 

しかし、この英文は中学生でも理解できるものです。

「A poster is on the wall」

これで十分に通じます。

 

もう少し丁寧に言うと、

「There ia a poster on the wall.」

これも中学文法の範囲ですね。

 

これこそが日本語は動詞中心、英語は名詞中心であるというなによりの証拠です。

 

このような体験から、私は普段意識しない、

<言語は何詞中心でできているのか>、

その重要性を十分に理解しました。

  

講師の方もぜひこれらの例を用いて、根本的な言語の仕組みを生徒に説いてみてはいかがでしょうか。

 

では、すこし内容がそれてしまいましたが、

名詞構文とはどのような用法なのかを例文を用いて説明していきます。

 

名詞構文の解釈、3つのコツ!

1、名詞を動詞になおす

(例文)

The exsistence of you encouraged me to quit my last job.


ではまず、主語のthe exsistence of youに注目してください。

そのまま訳すと「あなたの存在」となりますよね。

 

・encourage~to…は「~に…するようにすすめる」

・quit my last jobは「前職をやめる」という意味なので、

<あなたの存在が私に前職をやめるようにすすめた>

というのが直訳になります。

 

そこで生徒は、意味はなんとなく分かるけど

「あなたの存在が~するようにすすめた」って変な感じ

と思うはずです。

 

では、ここでなぜこの英文は直訳だと不自然な感じになるのか、考えてみましょう。

 

無生物主語の観点から考えると、不自然な感じの原因は、

The existence of youに隠されているということが分かります。

 

名詞がくっついてできた主語を、日本語で「あなたの存在」と名詞のまま訳してしまうから、すこし違和感を覚えてしまうのです。

 

ではここで、

最初にした、なぜ訳しにくい構文がでてくるのか…という話を思い出してください。


日本語は動詞中心の言葉だと説明しましたよね。

ではこの名詞ばかりの表現に動詞を入れてみましょう。

 

「あなたの存在」➡「あなたがいてくれたから」

このようにするとencourage me to quit my last jobとのつながりも自然になり、「あなたがいてくれたから、私は前職をやめる気になった」となって、ずいぶん読みやすい日本語になります。

 

つまり、訳すときはexistenceという名詞をexistという動詞に直して考える

ということです。

 

このような名詞を中心とした構文を「名詞構文」と呼びます。

 

英語で名詞が続いて1つの語句をつくっている場合は、今回のように動詞を混ぜて1つの文のように訳すと自然な日本語になるということを生徒に理解させましょう。

 

2.名詞を形容詞的表現に置き換える 

 

では次は形容詞との関連です。

日本語では形容詞を使って表現することを、英語では名詞だけで表すことが出来ます。

 

(例文)

The climatic diversity enables us to harvest a lot of crops.

 

・climatic diversityは「気候上の多様性」

・enable~to…で「~に…することを可能にさせる」


この英文を直訳すると、

「気候上の多様性は私たちにたくさんの作物を収穫することを可能にしている」となります。

 

ですが、The climatic diversityは無生物主語なので、

「気候上の多様性のおかげで私たちはたくさんの作物を収穫できている」

としないといけません。

 

ここまでは大丈夫だと思います。

無生物主語の訳による工夫でかなり日本語らしくなりましたが、「気候上の多様性」というところがまだ少しひっかかりますね。

 

この部分が名詞構文になります。

 

では、

このdiversityという表現を、訳すときだけ形容詞的表現に置き換えてみます。

 

「多様性」というのは、いろいろな種類があるという意味なので、「さまざま」と訳してみましょう。

「さまざま」に置き換えるとclimaticの訳も多少なりとも工夫しないといけませんね。

 

「さまざまな気候があるおかげで、私たちはたくさんの作物を収穫できる」

 

diversity「多様性」という一見複雑な名詞も「さまざまな」という形容詞的表現に置き換えると、非常に読みやすくなりました。

このように名詞構文は形容詞的な表現に置き換えると自然な形になるということも生徒に伝えましょう。

 

3.動詞+名詞の主な意味は名詞が表す

 

では最後に動詞と名詞がセットになる名詞構文の形を見ていきます。

この構文は受験において、かなり多く見られます。

 

例えば、

日本語だと「微笑む」を動詞一語で表せますが、英語だとgive a smile と動詞+名詞で表すことがあります。

 

英語にはこの動詞に名詞がつくパターンの表現がとても多いのです。

 

(例文)

He made efforts to pass the exam.

「彼はその試験に合格するために努力した」

 

この英文では「努力する」という動詞をmakeという動詞とeffortという名詞で表現しているのが分かります。

では、これを直訳するとどうなるでしょう。

 

makeが作るという意味だから努力を作る…。

それだと変になってしまいます。

よって「努力する」となります。

英語ではこのようにmakeやgive、他にもhave、takeといった動詞が名詞を伴って1つの動詞になるような意味になることが多いのです。

では他の表現もみてみましょう。

 

 

(例文)

I will make a phone call to her.

makeという動詞に続いて、a phone callという名詞が続いていますが、これも単純に電話するでいいのでしょうか?

もちろんそれでOKです。

このような文でmakeの意味をあれこれと考えてしまう生徒が多くみられます。全訳は

「彼女に電話するつもりだ」となります。

これら2つの文を例として取り上げましたが、動詞+名詞の用法では動詞自体の意味はあまりないということがわかります。

 

試しに先ほどの例文で動詞をとってみると、a phone callとなりますが、名詞のa phone call自体ですでに「電話」という意味を表しています。

逆に名詞をとってしまうと意味が分からなくなります。

ここにも英語は名詞中心の言語であるということが垣間見えたと思います。

 

このような名詞構文の場合でも

動詞の意味に惑わされないようにしっかり例文を使って生徒に理解させましょう。


以上3つのポイントをもう一度整理してみましょう。

  1. 名詞を動詞になおす
  2. 名詞を形容詞的な表現に置き換える
  3. 動詞+名詞の主な意味は名詞が表す

まとめ

名詞構文は難関大学の訳の問題でよく出てきます。

生徒はより自然な日本語文に直そうと試行錯誤し、貴重な時間を削ってしまいます。

ですが、そのようなひねりのある訳の問題に対しても、

 

今回説明した3つのポイント

 

をあらかじめ覚えているだけでもだいぶ違ってきます。

 

今回説明したような、問題に臨機応変に対応する能力は上にいけばいくほど必要になってきます。

講師の方はぜひ早い段階からこのような力を生徒が身につくような指導を行っていくことを心がけてください。

 

この記事が1人でも多くの講師の方に役立てていただければ幸いです。

 

 

 

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