微妙すぎる！工学部と理工学部の違い！
工学部と理工学部
皆さんは「工学部」と聞いてどんなイメージを連想しますか？
理系でものづくりなんかに取り組んでいるイメージ、実験に追われているイメージ、その答えは様々でしょう。
では、「理工学部」と聞いたらどんなイメージを考えますか？
理系で･･･ってあれっ？となりませんか？
工学部と理工学部、名前もやってることもほぼ同じそうなのに、どんな違いがあると言うのでしょうか？
この記事ではその違いについて迫っていきたいと思います。
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工学部と理工学部で迷う
ズバリ理系の皆さんにお聞きします。
あなたは工学部と理工学部の違いを受験生時代に意識していましたか？
おそらくですが、迷った経験のある方はあまりいらっしゃらないのではないでしょうか？
かくいう私自身もほぼ気にせず、「同じようなものだろう」という感じでした。
実際にその学部の理念や組んであるカリキュラムなどを照らし合わせてみてもほぼ違いがなかったからです。
しかし、どうやらその間にはわずかな違いがあるようです。
では、さっそくその違いについて具体的に探っていくことといたしましょう。
工学部とは
工学部とは、「工学の教育研究がなされる大学の学部のひとつ」として定義されます。
ここで言う「工学」というのは、科学技術を実際の生活に役立てようとする学問のことです。
つまり、工学部というのは、
科学技術を実際の生活に役立てようとするような教育研究がなされる学部ということになります。
学問の追究、研究というよりかは、どちらかというと社会への関わりが強いのがポイントです。
理工学部とは
工学部に対して理工学部は、
理学と工学の両方の立場から総合的、学際的な研究と教育をする学部とされています。
理学というのは自然科学（数学や物理学など）を純粋に探求する学問のことですから、自然科学と工学の両方の立場にまたがった研究と教育をするのが理工学部ということになります。
工学部と比べると、多少学問の追究といった趣旨が強いのがポイントです。
結局どう違うの！？
と、おおざっぱに工学部、理工学部それぞれについて説明をしましたが、いまいちパッと来ませんよね。
それもそのはずで、あえて違いを見つけようとすると前項のようになるのですが、実際はほとんど違いがないのです。
ではなぜ違いがないのに名前が違うのかと言いますと、
理学系の学科と工学系の学科（例えば情報科学科と情報工学科）を同じ学部内に置きたいときだったり、
事実上は工学部だけれども、大学の教育理念的に理工学部の方がしっくりくる、といった場合に「理工学部」という名称が用いられるからのようです。
その実、内容はほとんど変わらないため、入試の時にはほとんど意識する必要はないでしょう。
重ねてにはなりますが、かくいう私も現在理工学部に在学しているものの、入試の時はほとんど気にしていませんでした。
もちろん、入学してからも「工学部にしておけばよかった･･･」、「工学部の方が学びたいことがあった」などと感じたことは全くありません。
実際の大学にみる理念の違い
とは言ったものの、やはり名称が違う以上理念的には若干の違いが見受けられます。
工学部と理工学部を両方設置している大学として有名なのが東京理科大学です。
そこで、その東京理科大学の工学部、理工学部それぞれの教育理念についてみていきましょう。
まず、工学部（第一部）の理念は下記の通りに設定されています
最先端の科学技術につながる基礎力と応用力を持ち、新たな発想や問題解決能力に価値観を見いだす人材の育成を目的としています。工学の分野の研究者・技術者・設計者に求められる学識・技術・研究方法を修得してもらうことを目的としています。同時に、学術的あるいは実務的課題を自ら発見・解決する能力を有し、社会に対する良識と責任意識を持つことができる人材の育成を目指しています。引用元：（http://www.tus.ac.jp/fac_grad/fac/ko1/）
そして、理工学部の理念は以下の通りです。
科学技術を広い視野から捉える理学と工学の知見に富んだ科学者、技術者、そして教育者の育成を目的としています。事物の本質を探究する理学とその知見を応用する工学の連携の下に教育・研究を展開し、新たな科学技術を創造することが、理工学部の基本理念です。国際社会で科学者、技術者、教育者として通用する英語力や、幅広い教養と理系の基礎力を身に付けた学生を育成します。参考URL（http://www.tus.ac.jp/fac_grad/fac/riko/）
ほとんど似通っているように感じられますが、
やはり工学部は社会に対する貢献が望まれていて、
理工学部はその工学と物事の本質を探究する理学の融合が掲げられていますよね。
そこの微妙な部分が、両者の違いです。余談ですが、この東京理科大学の場合、偏差値だけでみると工学部の方が理工学部よりもレベルが高いようです。
生徒にはどう伝えればいい？
これだけ似通っているわけですから、生徒さんからその違いについて質問を受けたとしても何ら不思議ではありませんよね。
もし質問を受けたとしたら、先述のように、
「工学部と理工学部にはそう大きな違いはないんだけれどもやっぱり多少の違いはあることがあるから、興味のある大学のホームページなどでカリキュラムとかをみてみるといいよ」
などと、丁寧に説明してあげると良いでしょう。
この記事をその生徒さんに見せて説明していただけると、（自分で言うのもなんですが…）効率的に理解できるかと思います。
ただし、工学部と理工学部の両方を設置している大学で有名どころだと東京理科大学くらいしかないため
、大抵は気にしなくても大丈夫そうです。
本当は怖い工学部と理工学部
志望する受験生にとっては、工学部と理工学部で気をつけなければならないことがあります。
それは、どの大学では「工学部」を志望していて、どの大学では「理工学部」を志望しているのかです。
自分の志望する大学等を模試だったり、学校の調査だったりで記入する機会がきっとあるかと思います。
そんなときに、工学部と理工学部を間違えてしまうと、存在しないところを狙っていることになってしまうことになりますので、注意しましょう。
私自身、工学部を志望する大学もあれば理工学部を志望する大学もあったのですが、学校からの志望校調査のとき、誤って「工学部」と書くべきところを「理工学部」と書きそうになってしまい、担任の先生から注意を受けた記憶があります。
また、模試等で記入するとき、例えば上記の東京理科大学の例では、工学部と理工学部を間違えて記入してしまうと誤った判定結果が出てしまう恐れがありますので、注意が必要です。
工学部または理工学部を志望する生徒さんをもつ先生方には、このことを生徒さんにしっかりと注意喚起していただければと思います。
思いの外違いを把握できていない生徒さんが多い印象があります。
理学部と工学部の違い
この記事のメインは工学部と理工学部の違いでしたが、同じく間違えやすい学部である理学部と工学部の違いについても知っておいて損はないでしょう。
両者には、端的に言ってしまうと、理学部は純粋に学問の追究をするところであり、工学部はその理学部での学問の追究の成果を活用して、社会に活きる技術を創出するところである、という点に違いがあります。
理学部→工学部→社会という流れになっているわけですね。
イメージ的には、
理学部は中学高校で学んだ数学や物理、化学といった科目をさらに究めていく、
工学部は学んだ知識を生かしてさらに発展させて、社会に貢献していく、
といったところでしょう。
この両者には、工学部と理工学部とは違い明確な違いがあるため、志望する生徒さんがいる場合には非常に注意が必要です。
もし誤った学部に入ってしまうと、4年間想像していたのと違ったことを学ばなければならなくなってしまう恐れがあります。
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この記事を最後までご覧いただきありがとうございました。
今回は「工学部と理工学部の違い」をテーマにいろいろと述べてきましたが、両者の実情を細かく知っていたという方はそう多くはないのではと思います。
この記事でつけた知識は、生徒さんの進路決定に関する相談等に必ずや役立つでしょう。
特に理系の生徒さんを持つ先生は、理系には医学の道など特別な進路を希望しない限りほとんどは工学部、理工学部、理学部の３つに落ち着く（基本的に理系は学部でなく学科で専攻が分かれる）と思いますので、この記事のことを意識していただければと思います。
重ね重ねにはなりますが、最後までお読みいただき誠にありがとうございました。
皆さんの塾講師生活がさらに充実することをお祈りしております。
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