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いくつ知ってる?多種多様な入試形態!part1

2021/12/17

入試方式の多様化

皆さんは、

どのような入試形態で大学に入学しましたか?

 

一般入試ですか?

それとも、

推薦入試ですか?・・・

 

現代の少子化社会では、生徒が大学に入ろうと一生懸命になるのと同様に、

大学側も優秀な生徒を採ろうと必死になっています。

 

そのため、従来からあり、最もオーソドックスであると言える一般入試だけでなく、

様々な形で受験生の受け入れをしています。

 

この記事では、

多様化した入試方式をわかりやすく皆さんにお伝えすること

(お伝えした結果)担当されている生徒さんの進路相談の精度を上げることを目的とします。

 

どんな入試形態があるの?

現在実施されている入試方式のうち、


一般入試/指定校推薦/AO入試

 

などは皆さん耳にする機会が多いのではないでしょうか?

 

しかし、一口に一般入試とは言ってもその種類は様々で、推薦入試においてもまた然りです。

それらすべてをしっかりと把握することで

生徒さんに合った入試方式を選択し、それに沿ったアドバイスをすることができます。

 

それでは、1つずつ丁寧に入試方式をみていきましょう。

 

一般入試

皆さんが「入学試験」と聞いて真っ先に思い浮かべるのがおそらくこれでしょう。

昔ながらの、従来型の筆記試験です。

完全なる実力勝負で、その人の経歴、個性、実績などなどは全く関係ありません。

大学の作問した問題を解いて、基本的には1学科単位で試験が行われます。


メリット
  • 実力がある人にとっては、その要素だけで勝負が行われるため有利。
  • 入学定員も基本的には最も多い。

 

デメリット
  • 実力不足の人にとっては、逆転できる要素が薄いため厳しい。

 

センター試験利用入試(単独)

センター試験だけで合否が決まる入試制度です。

2015年現在、ほぼすべての私立大学でこの入試方式が採用されています。

センター試験の結果のみを用いるため時間的な負担が少なく、一度に複数校出願できるのが最大の強みです。

そのため、抑え校の獲得に非常に向いています

 

メリット
  • センター試験のみで合否が決まるため、個別の大学試験を受ける必要がなく、時間的制約がかなり緩和される。
  • 一度に複数校に出願することが非常に容易。
  • 大学側で作問する必要が無いため、受験料が安い。


デメリット
  • センター試験が苦手な人には不利。
  • 時間的制約が緩和されることから、押さえ校の獲得に用いる人が多く、一般入試よりも合格難易度が高い傾向にある。
  • 一度のマークミスがすべての結果に響く。

 

 

センター試験利用入試(併用)

センター試験を合否の判定に用いるという点では、上記の単独型と同じですが、

こちらは大学別の入試もあり、両方の得点を加味して最終的な合否が決定します。

 

抑え校を獲得するのであれば単独型、抑え校以外であれば一般入試を用いる人が多いため、

どうしても入りたい大学へのチャレンジ回数を増やす目的で利用する人がほとんどです。

 

メリット
  • 受験回数の観点から見て、純粋な受験回数が増える。そのため、合格率が上がる。

 

デメリット
  • センター試験利用入試単独型と一般入試の中間的な存在であるため、どっちつかずで強力なメリットがあるわけではない(押さえ校にするのであれば単独型、実力相応校以上になるのであれば一般入試が適切。詳しくは後述)。
  • 一度のマークミスがすべての結果に響く。
  • センター試験が苦手な人には不利。

 

 

全学部統一入試

全学部統一入試に関しては、聞き慣れない方も多いかと思います。

これは、全学部で共通の問題を用いて試験を行い、その結果から希望する学部に関して合否判定が行われる入試方式です。

 

説明だけでは分かりづらいため、例を用いていきたいと思います。

 

<例>

【行われる試験】

英語・数学・国語

 

【必要科目】

文学部:英語・国語

法学部:英語・国語

経済学部:英語・数学

 

と受験要項に記されていた場合、

もし共通試験である英語と国語を受験したとしたら、

一度の受験で文学部と法学部の2学部に出願し、

それぞれで合否の判定を受けることができます。

 

(経済学部に関しては、英語と「数学」の受験が必要であるため、受験資格を満たすことができません。英語・数学・国語の3教科を受ければ上記3学部すべてに出願することができます。このように、全学部統一入試においては受験できる科目が制限されていないことがほとんどです。)

 

 

ここでしっかりと確認しておきたいのは、

「問題が共通である」という点です。

 

理系・文系・学部・学科に関わらず、全員同じ試験を受け合否が決まります。

そのため、極端な話、

理系の人が英語と国語で良い点数を取れば、文学部などの文系の学部に入ることも可能ということになります。

 

全学部統一入試は一般入試に比べて問題の難易度も低いことが多いため、十分に起こりうることです(一般入試はより専門的な内容が問われるため、そういったことは少ないですよね)。

一般入試にはない魅力がこの全学部統一入試にはあるのです。

 

 

メリット
  • 一度の試験で同じ大学の複数の学部・学科に出願できるため、その大学に入れる確率が高い(そのため、この大学にどうしても入りたい!という人には特に向いている)。
  • 上記のメリットと重なるが、1つの学部の合格点に届いていなくても、他の学部で合格していれば入学することができる(上記の例でいうと、たとえ文学部に落ちたとしても法学部に受かる可能性がある)。

 

デメリット
  • 1回のテスト結果に依存するため、失敗すると全て落ちてしまう可能性が高い。
  • 複数学部に出願するのが前提の試験であるため、受験費用がかさみやすい。

 

 

どの受験方式を選べば良いのか

 

ここまで学力試験での入試方式を4つみてきましたが、これだけの種類があるとなると、どの受験方式をどのように活用すれば良いのか悩んでしまいますよね?

 

そこで、一般的な活用方法をお教えします。

 

結論から言ってしまうと、

 

第1志望・・・一般入試

実力相応校・・・一般入試

押さえ校・・・センター利用入試(単独が特に)

 

 

がおすすめです。

 

 

様々な入試方式があるとはいえ、あくまでも入試の主役は一般入試です。

一般入試が総じて一番定員が多く、また、受験者層も相応だからです。

そのため、実力相応以上の大学は一般入試を選択するのが無難です。

 

逆に、実力で勝るおさえ校は、時間を少しでも節約するため、センター利用入試(単独)の活用がおすすめです。


センター試験を受けるだけで複数の抑え校を獲得できますので、1つずつ大学に出向いて試験を受けるよりは圧倒的に楽になります。


そしてなにより、その大学ごとに過去問分析等の対策をする必要がなく、本命の志望校に時間を多く割くことができます。これは意外と大きなメリットとなります。

 

以上が、入試方式の正しい活用法です。

一般入試をメインに添えつつも、どう他の入試形式を活用していくかが鍵となります。

 

 

 

失敗例!センター利用入試の罠!

ここまで読んでこられた方ならお気づきかと思いますが、


4つの試験方式の中ではセンター利用入試(単独)だけ抜きんでて楽だと思いませんか?


わざわざ大学まで行く必要もない、過去問分析等の対策も必要ない、おまけに費用もかからないとなれば、なるべくこの方式で合格を勝ち取りたくなるはずです。



・・・ですが、ちょっと待ってください。

 

前項の内容に則ると、

センター利用入試(単独)は「押さえ校」の獲得によく用いられることがおわかりいただけたと思います。


というのはどういうことかと言いますと、

センター利用入試(単独)はその大学を押さえにできるような実力を持つ猛者たちがひしめき合っている試験であるということです。

その中でやっとその大学に手が届くか届かないかという位置にいる人が勝負に出ると・・・

 

ご想像の通りになります。

 

一般的に、一般入試が一番難易度の低い試験です。

そのため、第1志望などの本命校こそ、一見楽に見えるセンター利用入試の罠にかからず、一般入試で勝負に出ることが大事なのです。

 

 

 

まとめ

記事を最後までご覧いただきありがとうございました。

今回は、近年多様化している入試方式を紐解くというテーマのもと、本記事では主に筆記試験の中での様々な入試方式をご説明しました。

入試方式の説明だけにとどまらず、その方式をいかに活用するかについてもしっかりと踏み込んだ記事となっていると思いますので、担当されている生徒さんの進路指導等に役立てていただければうれしいことこの上なしです。

 

 

シリーズとして続くpart2では推薦に関わる入試を主に説明していきたいと思います。

 

この記事を読まれた方がこの知識を使い、塾講師としてさらにご活躍されることをお祈り申し上げます。

 

 

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