後悔しない夏休みを過ごすための"○○○○"の作り方【夏休みの受験対策はこれで決まり!】
受験生を持つ保護者様・塾講師必見!夏休みの過ごし方とは
講師の皆様、こんにちは。
人材教育コンサルタントの上田一輝です。
いよいよ夏休み期間。
塾にとってはまさに一番忙しい時期を迎えることになりますね。
そして、受験生にとっては勝負の夏になります。
この夏休みをいかにうまく過ごすかが、生徒の人生を変えるといっても過言ではありません。
(“夏は受験の天王山”という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。)
今回は私の講義経験から、失敗しない夏休みの受験対策について、お伝えしてまいります。
受験生のあるある!失敗例
今まで、多くの受験生を見てきた中でも、多い失敗例を最初にご紹介します。
受験生という自覚がいまいち芽生えず、ついだらだらと過ごしてしまう
→気が付くと秋になっていて焦るも、間に合わず不合格に…。
学校の宿題が最終日まで終わらず、徹夜になってしまう
→翌週に体調を崩してしまい、考査を受けることができなかった…。
子供に管理を任せていたら、過去問演習までたどり着かなかった
→授業の復習と過去問演習で、毎日深夜まで勉強してしまうことに…。
いかがでしょうか。
皆様にも(自分自身を含め)心当たりがあるのではないでしょうか…?
ですが、自分の子供・生徒にこのような失敗はしてほしくないですよね。
では、どうして彼らは失敗してしまったのでしょうか。
答えは“○○○○”をきちんと用意しなかったのが原因です。
まずは一度、この中に当てはまる言葉を考えてから、次へ読み進めましょう!
なぜ多くの受験生は失敗してしまうのか
受験において、夏休みが重要であることを伝えない先生はいません。
保護者様もご家庭で口酸っぱく「勉強しなさい!」とお話しされているのではないでしょうか。
実は生徒も、夏休みが貴重な学習時間であることはしっかり理解しています。
しかし、重要であると認識していても、結果を出すことができない生徒には、共通点があります。
それが“学習計画”の欠如です。
学校があるときは計画を立てなくても、“学校の存在”が計画の代わりになってくれます。
自分でいちいち考えなくても、勉強を強制的にやらせる仕組みがあるわけです。
しかし、
夏休みには自ら “やるべき範囲” “やるべき教材” “やるべき量” をきちんと設定しなければなりません。
そして多くの受験生は、この訓練を全くと言ってよいほど、受けていないのです!
これこそが、受験生が失敗する大きな原因です。
どんなに意欲があっても、具体的な計画と行動が伴わなければ成果を生み出すことができません。
これはどんな場面でも言えることですし、大人でも失敗することもありますね。
(スケジュール管理をすっぽかしたり、自分で決めた目標を達成できなかったり…)
受験計画の責任は大人にある!
ここで、私は皆様にはっきりお伝えしたいことがあります。
それは「しっかりした受験計画を立てるのは講師・親の責任」であるということです。
生徒は長期計画を立てた経験はほぼ皆無です。
この状態で、ただ“スケジュールを立てて、自分で管理しなさい”と言うのは、あまりにも無責任。
ある程度自分で考えさせる訓練は必要だとしても、支援をしないと失敗するのは当たり前です。
このことを、講師の方・保護者の方は絶対に忘れないでください。
計画の欠如を、決して生徒1人の責任と決めつけてはいけません。
「でも、あれこれ話すと生徒(子供)が文句を言う…」
「結局、計画を立ててもやってくれない…」
私がセミナーでお話をすると、必ず上記のようなご質問を頂きます。
これは残念ながら、大人側のしつけ不足が原因です。
文句を言うのは、受験の意味をしっかり理解しておらず、意欲がないためです。
これは計画以前の問題として、受験をさせるかさせないかを、今一度生徒としっかり向き合って話す必要があります。
また、計画を実行してくれないのは、計画設定にミスがある可能性が高いです。
ただなんとなく、塾で設定されたスケジュールを画一的に押し付けてはいないでしょうか。
その状態では、意欲を持って、コツコツできる生徒は5%もいないのが現実です。
では、どのようにすれば学習計画を効果的に立案できるのでしょうか。
学習計画の立て方
ここでは、具体的な計画の立て方をお伝えしていきます。
ポイントは“生徒との対話を繰り返す!”ということです。
1 現時点の学力を正確に把握する
まず、生徒の学力を正確に把握する必要があります。
しかし、この“正確に”というのが意外と大変な作業になります。
というのも、単純に1回だけの偏差値や点数で見るのは不十分です。
(テストで運悪く、苦手な単元が集中的に出題された可能性など)
まずは数回のテストの成績推移をきちんと確認しましょう。
そのうえで、以下の観点から生徒の苦手をチェックしていきます。
・どの科目が苦手であるのか
・どの単元が苦手であるのか
・どのような問題が解けないのか(難度)
・どのような問題は得意なのか
・上下変動が激しい科目は何か。その理由はなぜか
(あくまで一例です)
生徒の成績を見て「○○ができないなぁ」と切り捨てるのは簡単です。
そうではなく、なぜできないのか、どうすればできるようになるのかを考えてあげましょう。
加えて、ご家庭(塾)での学習態度も聞くと、より良い分析が可能です。
ときには保護者(講師)と話し合い、家庭での様子を確認してみることも検討しましょう。
※この分析は、プロ講師による勘と経験が必要になる部分も沢山あります。
もちろん、ご家庭だけで行うこともできますが、心配な方は、専門家に依頼することをおススメします。
2 受験校を決める
学力を正確に把握したら、次は受験校を絞っていきます。
多くの生徒は、自分の能力を過信しており、合格可能性が低くても強気で受験校を決めています。
ですが、1・2校ならまだしも、それ以上はきちんと合格できる学校を“志望校”にするべきです。
当然ですが、大人が勝手に志望校を決めるのではなく、相談を綿密に行ってください。
(参考)進路指導で保護者と生徒の意見が違う場合はこちら
3 受験校の分析を行う
続いて、受験校の問題を分析し、必要な勉強内容を洗い出していきます。
ハイレベルな生徒なら本人にやらせてもいいが、現在では難度が高すぎて分析どころではない生徒がほとんどです。
できれば“合格点を確保できる学力を有する人”がやるとよいでしょう。
(もし、姉妹・兄弟で受験を経験した人がいれば、その人に頼むのも一考です)
なお、過去問題集に“学習のアドバイス”等と記載されていることも多いので、ぜひ活用しましょう。
4 勉強可能時間を割り出す
ここから視点を変え、学習可能時間を割り出していきます。
同じ学校に通っている生徒でも、意外と学習できる時間は異なるものです。
例えば、部活動やほかの習い事などもある場合は、勉強できる時間が限られてきます。
すでに高い意識を持っている生徒であれば、1日10時間×○日、と単純に計算してもよいでしょうが、当てはまらない生徒も多数います。
休みの時間やゆとりの時間も考慮したうえで、勉強可能時間を割り出しましょう。
ここでも、生徒本人と相談しながらすすめることをおススメします。
※つい、保護者・新人講師は多めに見積もりがち。
ここで過大に見積もると、生徒のモチベーションが非常に下がりますので、細心の注意が必要です。
私が新人講師にアドバイスする際は“勉強可能時間―1日の予定学習時間×3~5日分”で作り直してもらっていました。
5 1日当たりの学習量に落とし込む
最後に、これを1日あたりの学習量に落とし込んでいきます。
ポイントは“見える化”すること。
エクセルなどを使い、TODOリストのように作成してあげると、終わるたびに“消す快感”を味わいながら学習を進めることができます。
(逆に終わらなかった場合は、焦りを生み出す効果もあります)
表にして整理する時間は学力向上に結び付きませんから、大人が手伝ってあげるとよいでしょう。
6 1週間単位でスケジュール進捗をチェックする
あとは1週間単位で進捗管理(生徒と面談)をすれば完璧です。
毎日だと頻度が多すぎて生徒も疲れてしまいますから、1週間単位で十分でしょう。
なお、遅れている場合は、必ず理由を明確にしてもらうようにしましょう。
体調不良などやむを得ない場合は仕方ありませんが、意識の問題であれば叱ることも必要になります。
まとめ
これを読んで「なんて計画をつくるのは大変なんだ!」と驚かれる方も多いかもしれませんね。
しかし繰り返しになりますが、計画の良否が勉強の良否、すなわち合格可能性に直結します。
そして、受験において計画の責任は大人(親・講師)が担う必要があります。
学習計画を立てた後、実際に勉強してくれるのは生徒です。
実は、私たち大人ができることは、本当に限られているのです。
だからこそ、努力を無駄にさせないように、
- 正しい受験計画を立てる
- 生徒(子供)をしっかり応援してあげる
という役割を担っていくことが重要です。
ぜひ、しっかりと計画を作り、生徒が“やりきった!”と感じることができる夏休みをサポートしてあげましょう!
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