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単語帳だけでは不十分!?絶対に知っておくべき“勉強法と学習効果”の関係性とは?

2021/12/17

勉強法を知り、効率的な学習を行う方法を学ぼう!

講師の皆様、こんにちは!
人材教育コンサルタントの上田一輝です。

前回、夏休みの学習に絶対必要な“学習計画”の立て方についてお伝えいたしました。


(参考:後悔しない夏休みを過ごすための"○○○○"の作り方【夏休みの受験対策はこれで決まり!】

 

ここで、計画を立てるときにあわせてお伝えしたいことがあります。

 

それは、

“具体的な勉強法として、どのような手法を取るか”ということです。

 

ただ“勉強をしろ”と言われても、具体性が欠けていると生徒は困ってしまいます。

下手をすると、我流で行い効率が良くない学習を続けてしまうことに繋がりかねません。

ですから、学習内容に応じて勉強法を変えることを教える必要があります。

 


また、塾講師として、生徒が知らない“効果的な学習法”を教えてあげることも業務の1つです。

しかし、新人講師だと経験がうすいため、自分の学習体験以外の話ができないことも多いかと思います。

 

そこで今回は、

学習内容に合わせた「3つの学習法」についてお伝えしてまいります。

 

どうして勉強法を知ることが重要なのか

勉強には大きく分けて、4つのフェーズがあります。

知らない

全く何もわからない状態・あるいはうろ覚えである状態。

この場合は授業・参考書を通して、きちんと理解させる必要があります。

また、反復学習で知識を入れていくことが重要です。

 

知っている

内容を理解しているが、解けない状態。

この状態においては演習を通して、知識をアウトプットする(外に出す)訓練を積むことが有用です。

 

できる

自力で知識を駆使して、基本的問題が解ける状態。

ここまでくれば、中堅校なら合格することができます。

 

広げる

複数の知識を応用して、その場で考えることができる状態。

難関校対策にはこのレベルが求められます。



生徒の状態や出来により、どのフェーズにいるかは異なります
それぞれの段階で効果的な学習法は違いますから、使い分けて指導してあげるとよいでしょう。

よく私は「受験に百ます計算を早く解けるようになれば、受かるようになるのか?」というお話をします。
当然、多くの人は笑いながら「そんなことはない!」と言います。

ですが、受験生を見ていると、つい“計算演習”や“単語帳”といった、勉強している感覚を得やすいものばかりをする生徒が目立ちます
受験問題を見ていただければわかるのですが、合否を左右するのは一問一答では対応できない問題ばかりです。
にもかかわらず、ひたすら単語帳をやっているのは、百ます計算をひたすら解いているのと同じですよね?

このように、勉強法を考えずに宿題を出すと、効率が悪い学習になりがちです。
ぜひ、皆様はしっかり勉強法の違いを覚えて下さいね! 

 

講師なら使い分けたい!勉強法3選

では、具体的な勉強に入っていきましょう。

1 繰り返し学習法

レベル:知らない→知る
目的:暗記、反復が必要な学習内容
対象:知識が足らない生徒、基礎的な内容すらおぼつかない生徒

漢字や年号など、機械的に暗記が必要な内容に対して効果を発揮する学習法です。

用語の暗記ができていない・計算速度が遅すぎると、授業の理解に支障をきたしますので、重要な方法です。

しかし、受験問題は長文形式のものがほとんどであり、あまり良い対策とは言えません

可能であれば夏前にこの勉強スタイルは卒業できるよう、指導することが必要でしょう。

 

進め方としては単語帳などを使う方法や、赤い下敷きを使った学習が一般的です。
※どんな文字にもラインマーカーを引くことで隠すことができるペンがおすすめです!)
参考:http://www.zebra.co.jp/pro/check-pen/

 

最近は、電子メモを使うこともおススメできる方法ですね。
参考:http://www.sharp.co.jp/enote/products/wg-n10/

 

この方法を指導で使うポイントは3点です。

  • 達成感を持たせる

どうしても暗記学習は意欲の持続が難しいもの。

特に学力が低い生徒に対して必要であるにもかかわらず、やりたがらないことが課題となるケースが多くなります

 

そこで、学習範囲を明示したうえで、マジックなどで終わった部分をチェックさせることをおススメします。

これは“達成感”を味わいながら、学習を進めてもらうためによいテクニックです。

 

なお、ミドルレベルでは“100点をとれた回数”をクラスで競わせてもよいですし、ハイレベルでは“何回連続満点がとれたか!”を意識させてもよいでしょう。

 

 

  • とにかく繰り返させる

よく見受けられるのが「今週はやってこなかったので、来週に延ばしてください」という発言。

これは絶対に許してはいけません。

暗記学習で重要なのは“その単語・計算に触れた回数”です

回数が減ると、レベルにかかわらず暗記量は減っていく傾向にあります。

ですから覚えている・いないに関わらず、繰り返し演習させることが重要です。

 

 

  • 毎回確認テストを実施する

範囲と同じ内容を、毎回授業では確認することが重要です。(多く塾では似たような問題を並べた小テストを実施しています)
また、あえてここは点数のみで評価していくとよいでしょう

実は人によって効果的な暗記法は違います。

声に出して覚える人もいれば、書いて覚える人、見て覚える人など…。

この分野は覚えればいいのですから、やり方には注目せず、結果に注目しましょう。


2、基礎演習

レベル:知る→できる
目的:苦手科目の克服、正答率・解答速度の向上
対象:中堅校を受験する生徒、ポカミスが多い生徒、速度を高めたい生徒

小学校でひたすら計算演習をしたように、類題をたくさん解くことで学力を高める方法が“基礎演習”です。(1つあたりの解答時間が3~7分程度で終わる問題が理想)

夏はこの手法を中心に、徹底的に基礎力を鍛えることが、多くの生徒の目標となります。

 

この手法は、基本的な知識や典型問題を会得するのに適した方法です。

どんなに体調が悪くても、緊張していても必ず得点できる問題をつくることは必要です。

ですから、半ば反射で解くことができるようになれば、その分野は十分に理解していると考えてよいでしょう。

 

ちなみに「1冊をやりこむ方がよいか、複数の問題集を次々と解かせるべきか」という質問を良くいただきます。


これは意見が分かれるのですが、私は基礎演習の場合「同じ単元の、違う問題」をたくさん用意することが、最も効率良いと感じています。

なぜなら、同じ問題集を繰り返すと問題文や答えを暗記してしまう生徒がいるためです。

特に算数・数学は答えや式を覚えてできるようになっても、何の意味もありませんよね。

また、その時にできれば少しずつ難易度を上げていくことで、応用演習に対応できるようにしていきたいところです。

 

教材としては、復習型問題集・プリント単位で印刷できる問題集を複数用い、同じ単元を1つずつ行っていきます。
可能なら出版社・出題形式が違う書籍・プリントを併用するとなお効果が高まります。

繰り返しになりますが、夏の学習にとっては基礎演習量を増やすことが、多くの生徒にとって重要です。

秋に成績が伸びない生徒は、必ずと言っていいほど夏の演習量が不足しています。

多くの講師が「多すぎるかな!?」と思うぐらいの問題演習量がちょうどいい、ということを知っておきましょう。

 

 

3、実践演習

レベル:できる→広げる
目的:難問に立ち向かう力を養成する
対象:上位校を志望する生徒

難関校を狙う生徒にとっては、夏は“応用力をつける”貴重な機会です

日頃、生徒は学校や部活で大変忙しく、宿題をこなすので精いっぱい。

1つの問題を様々なパターンで解く経験は、どの生徒にも不足しています。

これを補う目的で授業と宿題を組み合わせるのが、応用演習です。

 

具体的には、1つの問題を30分ぐらいかけてじっくり解説していきます。

・複数の解法を教え、それぞれのメリット・デメリットを一緒に考えていく授業
 例)方程式を関数に変換して図形的に解く方法を伝える

・1つの問題から複数の知識を確認する授業
 例)季節の変化から日照時間の変化・光の屈折・生物周期・気象変化の確認を行う

この方法には講師にも高度な授業力が要求されますが、難関校を受ける生徒にとっては必須の演習になります。

 

なぜなら、難関校では今まで見たことがない問題を「自力で」解かなければならないためです。

そして、常に解説に載っている解法が思い浮かぶとは限りません

その時にいくつもの解き方を知っていることは、まさに当落ラインで踏ん張る力になります。

 

家庭でもしっかり考えてもらうため、なるべく解説が詳しく、複数の解法・知識が掲載されている教材を選ぶとよいでしょう。

 

まとめ

いかがでしたか。

今まで意識して学習法を使い分けていなかった講師の方も多いかもしれませんが、学習法によって効率は全く変わってきます。

万能な参考書・問題集が存在しないように、万能な勉強法もありません。

特に受験前はすでに生徒間の学力差が大きくついています。

皆様はぜひ、クラスや生徒により、勉強法を切り替えていくようにしましょう。

 

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