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意外と便利な”授業で使える”ボディーランゲージ

2021/12/17

便利なボディーランゲージを紹介

突然ですが、プレゼンテーションにおいて重要なことはなんでしょうか?

声のトーン、言葉遣い、あるいは事前準備など様々な答えがあると思います。

今回は、

人前でスピーチするとき、あるいはプレゼンテーションを行うときにどのようなことに気をつけているのか

それを授業にどう生かすか

について話をしたいと思います。

もちろん、これからお話する内容は集団指導においても、あるいは個別指導においても有効なことなので、是非ご一読ください。

 

 

 

便利な手の使い方

私がよく使う仕草にこういうものがあります。

皆さんはこの画像を見て、少し圧迫された気がしませんか?

これが手の持つ魔力です。手の動きに少し意識を加えるだけで、その人がどのような意思を持っているのかを相手に伝えます。いわゆる、言葉を用いないボディーランゲージです。

 

基本的な使い方は3通りあります。

 

人を圧迫するとき

人を圧迫するときは手のひらを下に、甲を上にします。手のひらの部分をかすかに相手に見せる感じが、一番人を圧迫する感じです。これが意味するものは「圧迫」「制止」といったものです。

 

私がこれを使う瞬間は、「やめろ」というメッセージを伝えるときです。例えば生徒が騒ぎ立てているときは一旦その子の名前を呼びこちらに注意を引きつけ、この手の動きとともに注意を促します。

 

人を批判するとき

生徒をしかるときはときたまありますが、そのときは必ず指をその生徒に向け何度も振り動かします。これが意味するのは「非難」です。想像してみたらわかると思いますが、誰かが自分に向けて、人差し指だけで指図されると…なんだか非難されているというか、すごく命令されている気分になりませんか?これが人差し指の力です。

 

しかしこれには注意が必要です。人差し指が意味するサインが「非難」であるからには、生徒からしたらすごく腹ただしい行為なのです。もしその生徒が講師に敵対心を抱いていた場合には、さらに言うことを聞かないことになります。

 

 

 人をおだてるとき

手の甲を上に向けたものが「圧迫」を意味するのであれば、その逆は「勧誘」を意味します。英語の助動詞で例えるなら、前者がmust、後者がmayのようなイメージです。例えば自分より立場が上の人に向かって「こちらです」と道案内するとき、こういう動作をしませんか?

 

手のひらが上、手の甲が下の手は、「勧誘」あるいは「優しさ」を意味します。人を説得しようとするとき手でジェスチャーを行うと思いますが、その大半は必ず手のひらが上にあるはずです。人を説得するとき、慰めるとき、とにかく優しく、信頼を得ようとする動作には必ずこの手が伴います。

 

ちなみに私の授業ではあまりこれは使われることはありませんでした。しかし個別対応しているとき、あるいは受験に自信がない生徒に対しては、このような手を意識して対応した記憶があります。

 

姿勢について

手の動作と同様に大切なのが、全体的な姿勢です。姿勢をどのように取るかで、相手に与える印象はガラッと変わります。

①   足を組め

教室によっては禁止されているところがあるかもしれませんが、説得力を持たせる姿勢の一つに、“足を組む”というのがあります。確かに足を組んでいると偉そうに見えますが、もともと先生は生徒に比べて“偉い”ので、それで構わないのです。

  

確かに偉そう。しかし相手が両親や教室長ではなく、生徒であるならば、この姿勢をとって「私は君より偉い立場にある」ということを誇張することに役立ちます

 

②   背筋は伸ばす(個別指導の場合)

もう一つ重要なことは全体的な姿勢です。背筋は基本的に伸ばしてください。猫背の先生より、背筋を伸ばした先生の方が信頼できますよね。しかしずっと背筋を伸ばしていたら疲れると思いますので、そのときはふんぞりかえってください。「偉そう」に見られるのと「自信なさそう」と見られるのでは、前者の方がマシなので、そのように言わせていただきます。もちろんやり過ぎはだめです。あくまで“疲れたときの休息”としてふんぞりかえってください。

 

③   リラックス(集団指導の場合)

逆に集団指導の場合は、背筋を伸ばす必要はありません。むしろ伸ばしていたら変です。以下のような状態になってしまいます。

 

軍隊みたいですね。背筋を伸ばすのはあくまで「偉い人の前のとき」です。将軍は兵卒の前では背筋を伸ばさず、リラックスした状態で指示を出します。けれどもその将軍より上の階級の前に立った時は、直立するのです。背筋を伸ばすのはあくまで礼の一種です。

理想は自分のやりやすいように、リラックスした状態で。ただし次から述べるルールは守るようにしてください。

 

全体的な姿勢として

最後に全体的な姿勢を一つ紹介しておきましょう。自信に満ち溢れている姿を見せるための原則です。それは、

 

自分の空間を広げること

 

どういうことか。例えばプレゼンテーションがうまい人の典型は、手を大きく振り動かします。近くに人がいたら危ないぐらいに。あるいは授業で手を上げる場合、高く上げたほうが自信に満ち溢れているように見えます。

腕を組まず、首に触れず、とにかく教室の幅をいっぱいに取ってください。自分の領域を広げるのです。

集団指導における足は、できるだけ足と足の幅を広めに取るようにしてください。あまり近づけ過ぎると兵隊さんのようになってしまいますし、度が過ぎると足をクロスした状態になってしまいます。

 

実はもっと大切なこと

私はこうしたボディーランゲージを、駆け出しの塾講師の方にやっていただきたいと思っています。

というのも、身体の動作は人の心情に直結するためです。足を組む、手を激しく動かす、背もたれにかかる…こうした動作はまさに「自信満々」を表す動作です。駆け出しの講師は意識しなければこうした動作になることはないでしょう。しかし、こうした動作を行うことで心理的な変化が生まれます。笑顔を作れば、本当に嬉しさを感じるという話を聞くように、動作も同じです。

例えばあなたが何か悩みごとをしているとき、何か不安を抱えているときに以下のような姿勢を取ってみてください。

 

本当に偉そうですよね。でもこの姿勢を取ることで、脳内ホルモンに変化があり、心理的にもポジティブになるそうです。

 

上で紹介した動画にこのような言葉がありました。

 

Fake it, “til become it”

(自分に嘘をつけ。本当にそうなるまで)

 

すごく印象的な言葉です。そして自分に自信がない人にとって、救いの言葉のように感じられます。授業がうまくいくか、生徒が言うことを聞いてくれるか、そういった不安はずっと続くものです。けれども最初は、自信があるように振る舞ってください。それは自信があるなしに関わらず、自分の意思によって決定できることです。

手振りを大きくすること。腕を組まないこと。足を組んだり、ふんぞり返ったり、少しばかり偉そうにすること。それは少し意識したらできることです。自分のキャラに合わないと思ったらだめです。その思い込みを、自分の動作で打ち破ってみてください。

そうしたらきっと自信も後からついてくるはずです。 

 

まとめ

主に使う部位は、手、背筋、足です。その3つを意識してみてください。

パフォーマンスはあくまで話に説得力を持たせるための補助的な手段ではありますが、これを身につけておくことで説得力が格段に上がります。

なにより、塾の中のみならず、大学での授業、会社でのプレゼンテーション、あらゆる場面において応用が可能な技術です。

塾講師をやっている今のうちに、ボディーランゲージを身につけてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

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