ゼロからわかる、夏期講習での働き方とテクニック!
夏期講習での働き方とテクニックをまとめて確認しよう!
もくじ
講師の皆様こんにちは!
人材教育コンサルタントの上田一輝です。
さて、講師にとっても生徒にとっても、重要な季節である夏が近づいてきました。
勤めている塾によっては、夏期講習期間の予定を聞かれている方も多いのではないでしょうか。
生徒からすれば大変な夏期講習は、大学生の先生にとっては、夏期講習はまさに”稼ぎどき”!
全学年の講習が一気に展開されますから、入り方次第では他のアルバイトでは考えられないほど、多くの収入を得ることが出来ます。
せっかく働いているからには、この時期にガッツリ稼いでおきたいですよね!
例)
集団指導で時給2000円だった場合、1日8時間授業に入ると16,000円
個別指導で1コマ1800円だった場合、1日6コマ入ると10,800円になります!
また、今まで研修期間だったけど、夏期講習で初めて実際に授業を迎える、という先生も多いと思います。
会社にとって、夏期講習は最も講師不足が顕著になる時期です。
そのため、入社間もない方でも授業に登壇する機会は沢山あります。
(仮に皆様が「まだ十分に授業できる自信がない…」と感じていたとしても、です!)
これは講師にとってチャンスですが、同時に不安いっぱいになってしまうかもしれませんね。
なぜなら、受験生として一生懸命取り組んだ記憶はあっても、働くイメージは全くつかないものだからです。
そんな新しく入社された先生にとって、初めての夏期講習。
この記事では、初めて夏期講習を担当する先生向けに
- 夏期講習の全体像
- 夏期講習ならではの特徴
- 夏期講習における指導上のポイント
の3点について、要点を絞ってお伝えしてまいります。
特に、講習期間を初めて迎える講師の方は必見です!
1、夏期講習の全体像
夏期講習とは、弱点補強を行うとともに、受験に向けた学力を一気に養成するため、概ね7月下旬から8月下旬にかけて行われる授業のことを指します。
この時期は学校が夏休みですから、生徒は朝から夜まで塾に通うことが出来ます。
特に中学受験生や、難関高校・大学志望の生徒にとっては、塾での勉強無くしては受験にはまず合格できません。そのため、受験生を中心に非常に多くの授業が組まれることが特徴となります。
Tips 春期講習・冬期講習との違い
同じ”講習”ですが、それぞれ位置づけは異なります。
春期講習:新しく入室する生徒に慣れてもらい、4月以降の学習に備える
冬期講習:今までの学習を総まとめし、受験(あるいは次年度)に向けた学習に備える
このように比較すると、夏期講習は他の講習に比べ”学力向上”に重点が置かれていることがわかります。
2、夏期講習ならではの特徴
新しい生徒(体験生含む)が多い
夏期講習は、春期ほどではありませんが、やはり新規入室される生徒が増える時期です。
受験学年以外では、転入生(塾を変えようと考えている生徒)が体験入塾されるケースも多く見受けられます。
また、個別指導塾では、受験生が「集団授業についていけない」という理由で、駆け込み・短期集中で活用されるケースが目立ちます。
講師の予定調整が難航する
朝から晩まで多くの授業が組まれる講習では、複数学年の授業が同時に展開されます。
すなわち、多くの講師がいないと授業そのものが成り立たなくなってしまいます。
とはいっても、特に大学生の方だと、自分のサークルや友人との予定、旅行、試験など様々なイベントが控えていることもあるでしょう。
もちろん、事前に講師から「休みたい日」を事前申請しておくことに問題はありません。
(生徒の為を思う気持ちはわかりますが、先生にとっても貴重な夏休みです)
しかし「担当する授業が決まった後に入れなくなってしまうこと」だけは絶対に避けるようにしましょう!
話を聞く限り、サークル活動・大学の試験が理由で申請されるケースが多いようですが、これらの日程は事前に確認すれば、おおよその時期がわかるはずです。
塾側にとって、一度決めた配置を調整し直すのは大変な手間になります。
ですから、冠婚葬祭以外で変更を依頼することは、極力やめましょう。
もし、まだわからない場合は「入れそうです!」と言うのではなく「○日ぐらいまでに予定が判明しますので、待っていただけないでしょうか」と伝えましょう。
先生が緊急で交代するケースが発生する
講習期間中には、体調不良・電車遅延・予定を忘れてしまっている等、多くの緊急事態が起こります。
残念ながら私が働いている中で、「緊急での講師交代ゼロ」であった夏期講習は、見たことがありません。
その場合、まだ入社間もない先生でも授業の依頼が来る可能性もあります。
不安はあると思いますが、塾にとっては講師がいないことはまさに死活問題。
もし予定が空いていれば、ぜひ積極的に引き受けるようにしましょう。
3、夏期講習での指導ポイント
さて、続いて具体的な指導ポイントについて述べていきます。
遅刻者・欠席者を考慮した授業準備を行う
春期・冬期講習と夏期講習は、”講習期間の長さ”が圧倒的に異なるため、色々な事情で休んでしまう生徒が増えます(なかには、旅行や遊びを理由に休んでしまう生徒も…)。
そこで問題になるのは、授業展開。
1学期の復習なら特段心配する必要はありませんが、新しいことを学ぶときは注意が必要です。(例:夏期講習で不定詞・逆比など重要なテーマを扱う塾もあります)
休みの生徒がいる場合は、授業冒頭に「前回の復習」を5分程度入れてあげるようにすると良いでしょう。
また、遅刻しがち・休みがちな生徒を頭ごなしに叱ってはいけません。
これは親の都合で参加できなかった生徒もいるケースがあるためです。
遅刻したり休んだりする生徒がいる場合、まずはしっかり事情を伺うようにしましょう。
受験学年の正念場であることを理解する
受験生にとっては、夏期講習は本当に重要な時期になります。
なぜなら、夏の偏差値で、概ね受験校を確定することになるためです。
講師としてはなんとしても、1つでも上の学校を受験できるように指導していきたいところですよね。
しかし、受験生のモチベーションを維持するのはなかなか大変です。
単純に“あと半年!”と煽ったところで、生徒はなかなか動いてくれません。
(生徒にとって半年は、はるか先に感じてしまうものです…)
そこで受験を意識させるために、以下の工夫がおすすめです。
ぜひ1つでも取り入れてみてくださいね!
- オープンキャンパスに行ってもらう
- あえて易しい年度の過去問を使い、「意外と解ける!」と感じてもらう
- 演習時に学校名や年度を意識的に伝え、危機意識をあおる
だれさせない授業展開を考える
講習期間は授業時間が長く設定され、生徒が飽きやすくなります。
(個別指導では、2コマ連続の授業も増えていきます)
そのため、先生は飽きさせない・だれさせない授業を展開していく必要があります。
おススメは、授業案をつくる際に“息抜き”を用意しておくこと。
雑談を入れてみたり、受験のことについて一緒に話し合ってみたり。
もちろん“勉強するときは頑張らせる”指導は必要ですが、多感な時期だからこそ、生徒のモチベーション管理も重要になります。
ときには愚痴や悩みを、お兄さん・お姉さんとして聞いてあげると、生徒にとって良い気分転換に繋がるようです。
加えて、大学生の強みは“受験生と年齢が近いこと”です。
ときには受験に関する話以外でも構いません。
なるべく親身になって、生徒の不安や悩みに寄り添ってあげるようにしましょう。
他にも、“演習”を積極的に取り入れることもおすすめです。
授業時間が長いとつい多くのことを伝えたくなりますが、残念ながら話しすぎてもなかなか頭に残らないものです。
演習の際は各自で問題を解かせながら、多くの生徒が間違えた問題だけをピックアップして解説する方法が最も良いかと思います。
このスタイルだと、それぞれの学力に合わせて演習を進めることになりますから、効率的に成績を伸ばすことが可能です。
さらに演習と授業を繰り返すことで、長々と話を聞き続けることがなくなります。
なお、その際は新規単元の場合は易しい問題を数分で解かせる・受験生なら15分測って解かせる等、学力と学年に応じて時間配分をきちんと決めるようにしましょう。
(そうしないとダラダラと問題を解き始める生徒がいるため)
スケジュールを自分で管理する癖をつけさせる
集団授業ならカリキュラム、個別指導なら一人ひとりに合わせて、学習スケジュールを作ることになると思います。
これを自分で管理する癖を必ずつけさせましょう。
(言い換えると、宿題を毎日コツコツやる癖をつけさせよう、ということになります)
自分で学習スケジュールを管理できる生徒は、秋以降の成績が伸びやすくなります。
特にお盆前後で、生徒は一気にたるみがちです。
ここでたるむ生徒は、きちんと指導をしていくことが重要になります。
なお個別指導では、講師が何も考えずただ漠然と宿題を出すと、生徒はまとめて勉強してしまいがちです。
そこで、学習スケジュールを一緒に組み立ててあげるようにしましょう。
その場合あまり細かく設定するのではなく、1週間単位でやるべきものを明示してあげれば十分です。
※勝手に先生がスケジュールを押し付けないように!ひとりひとりの生活(部活・課外活動・旅行など)に合わせられることが、個別のメリットです。
4、生徒とともに、先生も成長しよう
いかがでしたでしょうか。
本記事を通し、少しでも多くの方が不安を解消して頂ければ幸いです。
さて、最後に夏期講習を受け持つ先生方に、伝えたいことがあります。
それは「先生方も、夏期講習で大きく成長できるチャンスを得ている」ことに気付いて欲しい、ということです。
夏期講習では連続して授業を受け持つことが出来ます。
そのため生徒の反応を見て、「こうやればよかった!」と感じたら、次の授業ですぐに改善できます。
つまり、自分の授業を振り返る習慣をつけることで、平常授業に比べて圧倒的に効率よく、自分の授業力を成長させる機会になりえるのです!
連続で授業があるのは、とても大変な時期なことです。
そんな中、授業力を上げるために毎回振り返るのはしんどい…と感じる方も多いでしょう。
ですが、この夏の成績が、文字通り生徒の人生を左右していきます。
そして先生方の授業なくして、生徒が合格することは難しいからこそ、塾に通っていただいています。
ぜひ生徒とともに、先生方も大きく成長して頂ければと思います。
夏期講習という、ガッツリ稼ぎながら成長できるチャンスを最大限生かして、より良い先生になっていただくことを祈念して、記事を結びとさせて頂きます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。