屈折の法則&音速
屈折の法則
屈折の法則より以下の式が成り立ちます。
定数n12を媒質1から媒質2へ進む場合の屈折率、または媒質1に対する媒質2の屈折率といいます。
v1は媒質1における音速、v2は媒質2における音速と考えて下さい。
空気から水へ音が伝わる場合など、異なる媒質へ音が伝わる場合、音速は変化し、音の伝わる方向も屈折の法則によって変化します。
音の速さの決まり方
空気中での音の伝わる速さは、温度によって変化します。乾燥した0℃の空気中での音速は331.5m/sで1℃上昇するごとに0.6m/sずつ増加します。(時速に直すと1200km/hくらい)。つまりt [℃]のときの音速V は、
V = 331.5 + 0.6 t [m/s]
と表されます。
この式は乾燥した空気中での話しですが、湿度が高いと音速は増します。また音波は気体中より液体中、液体中より固体中での方が速くなります。
夜の方が遠くまで音が届く理由
冬の夜など、遠くの電車の音がよく聞こえるときがあります。
夜は静かなので当たり前なのですが、もう一つの原因として音の屈折があります。
空を異なる媒質の層として区切って考えてみて下さい。
昼間は太陽光によって地表が温められ、上空にいくほど温度が低くなります。
夜は雲も風もなければ放射冷却がおこり地表が冷やされ、上空の空気の方が暖かくなります。(接地逆転層といいます)。
このため暖かい空気中の音速の方が速い(V = 331.5 + 0.6 t [m/s])ので、夜は昼間より屈折角が大きくなります。
このため、夜は遠くまで音がよく聞こえます。