英語学習者がぶつかる壁。試験中に長文読解が終わりません!!長文読解は時間がかかるけど、配点も大きく試験で高得点を目指す場合避けては通れない道です。スラッシュリーディングって何?生徒の英文読解速度を飛躍的に向上させるワザ!ではその悩みを解決する第一歩としてスラッシュリーディングを紹介しました。
しかし! スラッシュリーディングは実際に読んで文章内容を解釈するためのステップが多く、英語力をさらに高めたい、試験でさらに高得点を目指したいという方にとっては「もっと良い方法はないものか」となるわけです。そこでこういう方法を紹介します。
本記事の対象生徒さんは、英語上級者の生徒さんです。決して英語を習い始めたばかりの生徒に伝授せぬよう、講師のみなさんは気を付けてください!
文頭から徹底的に訳す
簡単に言えば、スラッシュリーディングの手順を省略する方法です。前回紹介したスラッシュのルールを思い返しつつ、以下の文に頭の中で線引きをしてみてください。
I was watching TV when she suddenly came into my room.
(彼女が突然私の部屋に入ってきたとき、私はテレビを見ていた。)
こういう文を訳す時、スラッシュを引けば確かにやりやすくなりますよね。ただ、1つお気づきいただけたでしょうか。
英語で書かれている内容と、日本語訳の内容が前後逆になっているのです。
- 英語の場合 テレビ見てた→彼女来た
- 日本語の場合 彼女来た→テレビ見てた
このような文構造の違いがあるせいで、英→日へと変換する時に少し時間がかかってしまいます。
なので、スラッシュを引く、という作業を省略してしまいます。
読みながらちょっとずつちょっとずつ、片っ端から日本語に直し、1文読み終わるころには意味をつかんでしまうというものです。少し訓練が必要ですが、スラッシュを逐一引っ張るよりも読むスピードが上がります。
この方法はあくまで「文章の意味を解釈する」場合には有効ですが、設問に「日本語に訳せ」と指示がある場合は意味を理解するだけでなく正しい日本語にしなければなりません。その点だけご注意ください。
以上の方法がマスターできるだけでもかなり英文読解は楽になります。
しかし、さらに上を目指す! という方には、最後の手段をお伝えしたいと思います。かなり上級というか難しい方法なので、無理はしないで自分の現在の読解力や志望校難易度を考えて選択してくださいね。
では、参ります。
ネイティブの領域を目指す! 頭の中で日本語に直さない!
どういうことかわかりますか?普段、英語を読んでいる時頭の中では
英語を読む→日本語に変換する→状況イメージが浮かぶ→意味を理解する
という段階を追っています。これを
英語を読む→状況イメージが浮かぶ→意味を理解する
まで落とします。脳内ではほぼ無意識のレベルで日本語への変換作業が行われていますが、この時間さえも惜しいということです。つまり、ネイティブの人が英語を英語で理解するレベルを目指す、ということです。
この段階まで到達するには相当な訓練が必要です。英文を読んでいる間、一切日本語のワードを考えてはいけません。たとえば
Last Sunday,we came across my teacher at Disney Land and had lunch together.
この文をみて、日本語を挟まずに「先週の日曜にディズニーで先生に偶然会って昼食を一緒に食べた」構図が浮かんでくるようにするのが目標です。そのレベルまで到達すると、2秒もかけずに文の意味が分かるようになります。最近では長文の分量を増やす大学も多く、たとえば慶應義塾大学の環境情報学部・総合政策学部などではとんでもない量の長文が出題され、巷では「超長文」とまで言われています。そういう大学への合格をつかむためにはかなり有効であるといえます。
最後に
いかがでしたでしょうか!
一番最後に紹介したやり方は私が受験時代に予備校講師に教わり、取り組んだものです。大学受験で英語を絶対的な武器にしたいという生徒を受け持っている講師の方々は、是非参考にしてみてください。それでは!