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塾講師のみなさんは大丈夫?中学理科の電気分野の公式総まとめ!

中学生

2021/12/17

中学の電気分解を究極マスター

こんにちは!今回は中学3年生で習う電磁気について解説していきます!中学で習う電機分野の集大成であり、かつ多くの生徒にとって苦手分野となりやすい部分です。生徒に質問された時に困らないように、基本知識から1つ1つの公式の意味するところまでバッチリ理解してしまいましょう!

回路・電流・電圧

まずは回路の見方と電流・電圧についてです。この部分は2年生で習う部分ですが、軽くおさらいしておきましょう。回路とは、電流が流れる道筋のことです。電流は+極から-極へ流れます。直列回路は1本の道筋でつながっており、並列回路は枝分かれしてつながっている回路のことを言います。

 

回路を考える上でまず必要になる2つの要素が電流、そして電圧です。

  • 電流[単位:A(アンペア)]:回路を流れる電気の流れで、数値が高いほど電流がたくさん流れている、と考えます。
  • 電圧[単位:V(ボルト)]:回路に電流を流そうとする圧力のことで、数値が高いほど電流が流れにくい、と考えます。

オームの法則

この法則についても公式を丸まる暗記するだけでなく、その意味するところまでつっこんで理解すると問題が楽に解けるようになります。

そもそものオームの法則の定義とは「電熱線を流れる電流の強さは、電熱線の両端にかかる電圧の強さに比例する」というものです。「電流を流そうとする圧力が強ければその分電流もたくさん流れる」という意味です。割と当たり前のことを言ってるだけなんですね。法則の言っている関係は以下の3通りです。

抵抗Qは単位Ω(オーム)で表し、電流の流れにくさを意味します。

  • A=V÷Q →「電流を流す圧力が強いほど、また抵抗が弱いほど電流はたくさん流れる
  • Q=V÷A →「電流を流す圧力が強いほど、また流れる電流が少ないほど抵抗は強い」
  • V=A×Q →「電流を流そうとするほど、また抵抗が強いほど伝習を流す圧力は強くなる」

上の様なイメージを持ってもらった上で、実際に紙に式を書き出して眺めれば納得がいくでしょう。 

※計算上の注意

問題の中にはmA(ミリアンペア)で出題されることもあります。オームの法則はAを前提としているので、そのまま計算式に代入せずちゃんと単位を直すようにしましょう。

ここまでは複雑な内容はないので最悪暗記だけをしてしまっても計算などで困ることはあまりないと思います。しかし、この先で電力や電磁気などの話になってくると暗記だけでは理解が追いつかなくなってくる恐れがあります。複雑になってくるからこそ、文面のみではなく意味をつっこんで理解することも意識していきましょう。

電力

電力[単位:W(ワット)]とは電気器具の働きの大小を表したものです。数字が大きいほど電力をたくさん消費するという意味です。電力は電流×電圧という単純な計算で求めることが出来ます。電流をたくさん流すほど、そして電流を流そうとする圧力が強くなるほど電力は高くなります。

電力量[単位:J(ジュール)]とは、電力を一定時間でどれほど消費したかを表す量で、電力×時間(s)で求まります。

  • W=A×V  →「電流をたくさん流すほど、そして電流を流そうとする圧力が強くなるほど電力は高くなる
  • J=W×s=A×V×s →「長時間電力を使うほど消費される電力量は多くなる」

熱量

実際に回路を使って実験をした後、電熱線などが熱くなっているのを経験した方もいるのではないでしょうか。熱量[単位:J、cal(ジュール、カロリー)]とは、まさにその発生した熱の量のことを言います。発生した熱量の求め方は電力量と全く同じ計算で求めることが出来るので割愛します。理屈の上では消費された電力量=発生した熱量であると理解してください。

ここではもう一つの水の上昇温度を使って求める方法についてお話します。計算方法は

水の質量(g)×水の温度変化(℃)で求めることができます。水の量が多いほど、そして水の温度変化が大きいほど多くの熱量が発生したということです。ちなみにこの計算方法で求まる熱量の単位はcalです。Jとcalを変換するには以下の計算が別に必要になります。これに関しては覚えるしかありません。

  • 1cal=約4.2J
  • 1J=約0.24J   (約、と書いてありますがテストなどではそのままこの数字で計算してOKです)
以上をまとめると
  • 熱量(cal)=水の質量(g)×水の温度変化(℃)
  • 熱量(J)=4.2×水の質量(g)×水の温度変化(℃)

静電気

静電気とは電気を通さない物質同士をこすり合わせた時に生じる電気のことです。物体が電気を帯びることを帯電といいます。電気といえば+と-という印象をもたれる方が多いと思いますが、理科の勉強をする上では「-がメインで動く」ことを意識してください。イオンの分野でも習いますが、電気の流れとはマイナスの電子の流れのことだからです。静電気の分野にいおいては、一方のマイナスの電気がもう一方の物体に移動すると覚えてください。


上がイメージ図です。移動するのはあくまでマイナスのみで、プラスは固定であると考えましょう。
あとは、同じ電気を帯びた物体同士は退けあい、異なる電気を帯びた物体同士は引っ張り合うという性質を押さえておけばOKです。

磁界のはたらき

電流のほかに磁界という要素が加わってきます。これまでの内容と違い計算は出てきませんが、磁界の向きや強さ、電磁誘導など仕組みが複雑になってくるので混乱してしまわないように要注意です。

磁界とは磁力の働く空間です。磁石が鉄にくっつこうとして引っ張り合っているとき、目には見えませんが2物体の間では磁力が働いています。その磁界には向きが定められており、自身を磁界に置いたときにN極が指す方向とされています。もう一度言いますが、磁力は目に見えません。その磁力線を模式的に曲線で表したものが磁力線です。磁力線が密集しているところほど磁力は強いです。また磁界は磁石の周囲にのみ発生するものではありません。以下のような場合にも磁界が発生します。

コイル 

 

 

 

上図では導線に上方向に電流を流すと、同心円状に反時計回りの磁界が発生します。以上のように、導線やコイルに電流を流すことによっても磁界が発生します。電流と磁界はセットで考えるようにしましょう。

さて、上図のような状況で磁界を強くするには3つの方法があります。

  1. 電流を大きくする
  2. コイルの巻き数を多くする
  3. コイルに鉄しんを入れる

これ単体で見れば複雑でもなくすぐ覚えられそうですが、この後紹介する導線が磁界から受ける力を強くする条件と混同しやすくなるので注意しましょう。

磁界が発生している中で導線に電流を流すと、導線は磁界から力を受けます。電・磁・力の語呂でフレミングの左手の法則というものがあります。中指・人差し指・親指をすべて直角に開き、電・磁・力それぞれの方向が各指の方向に対応しているというものです。


 

 


しかし、法則に正しく従えば必ず正しい方向を見つけることができますが、問題によっては左手であらわすのが(人体の可動域的に)うまくいかない場合があります。そんな時にぜひ活用してほしいのが右ねじの法則というものです。

右ねじの法則

写真のように右手の親指を立てた状態で、親指の方向に電流が流れた状態で、その他の4本の指が巻く方向に磁界が発生するという法則です。

 まとめ

これらの法則をしっかりと頭に入れるように生徒に教えることは中々難しく、覚えてもすぐに忘れてしまうような生徒が多いのではないでしょうか?実際に 「頭」の中にイメージさせ、視覚的に見せるような指導も必要なのではないでしょうか?これからも指導の上での工夫にして頂ければ幸いです。


 

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