【塾講師必見!】生徒のモチベーションを引き出す質問
生徒のやる気を引き出すには?
最近では塾に通う生徒さんがとても増えていますね。みんながみんな真面目に授業や勉強に取り組んでくれれば嬉しいですが、やる気のない生徒さんがいるのも事実・・・私もそういう生徒さん達を教えるのはとても苦労しました。
そこで今回は生徒の自発的な行動を促す質問を、具体的な例を交えながら紹介します。
(前回登場した長谷川くんがやる気をだしたら、こんな感じです)
- 生徒の将来の夢を引き出す質問 「本当はどうなりたい?」
将来の夢ややりたいこと、これがあると勉強のモチベーションがあがりますよね。
「将来の夢を叶えるためにこういう大学に行きたい」とか「将来は海外に行きたいから英語を特に頑張りたい」といったように将来の夢ややりたいことは原動力をくれます。そのためにも、生徒たちに「本当はどうなりたい?」ときき続けましょう。
最初は答えてくれないかもしれませんし「ないよそんなもの」と言われるかもしれません。しかし、その質問をきっかけに自分の将来について真剣に考えるようになるかもしれないじゃないですか。特に人間の脳は「空白」、つまりわからないことを嫌います。質問に対しての答えを探さないと気が済まないのです。みなさんも生徒に真剣に向き合い、「本当はどうなりたい?」、「将来の夢は?」とききましょうね!生徒さんのやる気を引き出せるかもしれません。
- 将来の夢を考えるのが苦手な生徒さんには 「どういうときが楽しい?」
根気よく「本当はどうなりたい?」を問うことは大事ですが中には未来について考えることが苦手な生徒さん達も多いです。
実はそういう生徒さんたちは夢や目標ではなく「自分が満たしたい価値観」を大事にしているのです。
その満たしたい価値観をひきだす質問が「どういうときが楽しい?」もしくは「どういうときが嬉しい?」です。
昔、私が教えていた中学生の女の子の話をしましょう。
仮にその子を知美とします。知美は勉強や部活にも真面目で勉強もできる子でした。しかし中学3年の夏前に成績が伸び悩み勉強のやる気も落ち込んでいるように見えました。
彼女と面談をすると、「志望校が決まらず勉強のやる気がでない。私はあまり競争心がない」
と言っていました。
このままではまずいと思いました。とりあえず志望校を一緒に考えようと思い、
「どういう高校にいきたいの?」、「将来やりたいことはある?」
と質問していきました。
英語に興味があり英語に力をいれている学校がいいということはわかったけれどまだしっくりきていないようでした。そこで、
「知美ちゃんはどういうとき楽しい?」と聞きました。
彼女は少し考え、
「みんなでなにかをやってるとき!・・・文化祭が楽しかった!」
と言いました。
みんなでひとつのものをつくりあげる経験が彼女にとって大事だったそうです。その後、何校か文化祭を見に行き、活気があった高校を志望校に決めました。もちろん英語も力をいれた高校です。その後、彼女は勉強をがんばりその高校に進学することが決まりました。
楽しいときや嬉しいときなど、感情が動くときというのはその奥にその人の大切な価値観や信念といったものが必ず存在します。夢ややりたいことが見つからない生徒にも「大切にしたい価値観」は絶対ありますよね。ぜひ講師の方々が生徒の「大切にしたい価値観」を引き出し、その子の志望校を一緒に考えるのに活かしたり、その子の価値観にあった指導法をかんがえてくださいね!
そのためには、
「どういうとき楽しい?」「どういうとき嬉しい?」
の質問ですよ!
- 生徒が自ら問題解決! 「例外は?」
子供、大人に関わらず悩み事はありますよね。特に子供は勉強の事で悩むのはもちろん、学校の人間関係でも良く悩みます。しかもそれが原因で勉強のやる気までなくなる・・・なんてことも。そのような悩みに対して私達、大人は自分の経験に基づいて生徒にアドバイスをしてしまいがちです。しかし、できれば生徒が自発的に自分の問題を解決してくれた方がいいですよね。
この章ではそんな生徒の課題解決力を引き出す魔法の質問「例外は?」を紹介します。
今回は生徒ではないですが、私の友達から相談を受けたときのエピソードです。
その友達を仮に亮君としましょう。亮君は大学3年生で公務員試験の勉強をしています。
しかし、最近なぜか勉強のモチベーションがなく、家に帰ってもYoutubeをみてしまったりマンガを読んでしまったりとうまくいっていません。またそのような勉強が進まない自分に対しても焦ってしまっています。
そこで私は、
「例外はないの?これまで集中して勉強ができていたときはなかった?」
とききました。
「例外は?」の質問ですね!
ほとんどの人間は、集中してなにかに打ち込んだことは勉強に限らずあるはずです。
そして彼は言いました、
「そういえば大学受験の受験勉強のときは結構勉強できていたかも」と。
私はさらに、
「なんでそのときは集中して勉強できていたのかな?」
とききました。
亮君は、
「あのときは塾の自習室やカフェで勉強していた、自分はだれかに見られている感覚がないと勉強が進まないみたいだ。今は自分の部屋で勉強しようとするけどあまり進んでいない・・・」
と言いました。
亮君は私の質問をきっかけに自分で今の状況に気づき、カフェを探して勉強するという解決策を導きだしました。この相談が終わった後すっきりした顔をして、彼は帰っていきました。その後勉強の方も順調なようです。
人間は悩むとその状況にハマってしまい視野がせまくなってしまいます。
「昔、うまくいっていたときのこと」や「うまくいっている他のだれか」から学ぶことはできるはずです。
講師達が「例外はないの?」「できていたときは?」「少しでもうまくいっているときは?」といった例外探しの質問を生徒にすることによって、生徒たちの「自分で考え解決する力」をうまく引き出し、生徒たちのお悩み解決の手助けができるといいですよね!
この例外探しの質問は勉強に関する悩みだけでなく、人間関係の悩みなどにも使えますよ。ぜひみなさんマスターしてください。
- 色んな事に応用できるスケーリングクエスチョン「10点満点で何点くらい?」
「いまあなたの学校生活は10点満点でどれくらいですか?」
「なにがあったからその点数なんでしょう?」
「どんなことが起きたら後1点あがるでしょうか?そしてそのためにはなにができるでしょうか?」
たとえば、こんな風に質問されたらどうでしょう。
自分のことを振り返り、自分の生活を少し豊かにするためにはどうするかを考えはじめますよね。
このように一見定量化できないような状況に対しても点数を与え、わかりやすくすることができるのがスケーリングクエスチョンです。
これを生徒の指導に応用していきましょう。
例えば、模試を前にしている生徒に対して
「勉強の進捗は10点満点で何点くらいかな?」
ときいたとします。生徒は、
「5点くらい」と答えました。
その5点の部分をきけば生徒が今やれている部分、もしくは得意な部分などがわかります。
また「あと1点あげるにはどうしたらいい?」ときくことで生徒自身に自分の課題を振り返ってみてもらい、今後の勉強の計画を一緒に立てていくことが可能になるでしょう。
このように生徒の今の状況を確認し次の一手を考えるのに有効なのが「10点満点で何点くらい?」の質問です!このとき、生徒の今すでにできている部分を認めたりほめるのを忘れないようにしてください。
以上、「生徒のやる気を引き出す質問」を紹介してきました。講師は生徒に知識を授けるTeachingがメインだとは思いますが生徒から考えや、価値観、解決策を引き出すこともとても重要なことだと思います。上記の質問を使って、生徒さん達と良いかかわりができますように。
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