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【塾講師必見】進路指導時に使えるシミュレーション!国公立大学の展望図!<前半>

2021/12/17

国公立大学合格へのシミュレーション!<前半>

昨今、国公立大学への入学志願者が増えている状況などが大きく報道されています。

塾に通っている生徒を見ていても近年国公立大学志望の生徒が増えているように感じている講師の方も多いのではないでしょうか?

こうした状況の中、国公立大学志望の生徒と親御さんを含めた3者面談をしていると「国公立大学を受験するがどのような1年間となるのか?」という質問が多くなってきています。

そこで、毎年春に新高3年生へむけて「新春・国公立大学合格シミュレーション」という企画を行ってきました。模擬試験の日程や夏休みの過ごし方を含めたシミュレーションをすることで「いよいよ自分たちの受験戦争が始まるんだ」という意識と「気をつけなければならないこと」がより明確になったとの声を多数いただきました。

 長年塾講師を務めている方も、これから塾講師をやっていく方も改めて生徒たちが受験の1年間をどう過ごしていくか、自身の受験時代も振り返りながら読んでみてはいかがでしょうか?

※今回、実際に企画で使ったものをそのまま紹介したいということと、読者の方に気楽に読んでいただきたいと思う気持ちから前半/後半2つのストーリー仕立てにしています。

国公立大学合格サクセスストーリー

序章~某国立大学への憧れ~

高校2年3月。1個上の仲良くしてくれた先輩の門出を祝い、あっという間に訪れた高校3年生。いよいよ受験を意識して思い出すのは、高校2年生の夏休みに訪れたオープンキャンパス。威厳のある赤門、中央にある時計塔が目印の大講堂・・・自分にあの大学の狭き門をくぐり抜けることはできるだろうか。今の成績のままでは届かない。でも本気で努力をすれば・・ここから僕の1年にわたる大学入試への挑戦が始まる。

4月:スタートダッシュ

いよいよ、新学期が始まった。気がつけば本番までもう1年はない。急げ!やることは山ほどある。高校2年生の頃までは休み時間や昼休みなどに一緒に喋ったり、遊んでいたりした友達が目の色を変えてそれらの時間を単語集や参考書の熟読に努めている。負けたくない。

英語・国語・地歴・数学の主要教科は毎日の予習・復習を欠かさず、出来る限り問題集にも取り組んで地道に力をつけ、センター試験で使う科目は学校の授業と塾の講義の内容を取りこぼさないようにして、土日にまとめて復習しよう!

 

受験戦争がいよいよはじまる4月は、まわりの環境もガラリと変わり、受験勉強に対して最もモチベーションが高まる時期の1つといえるでしょう。この4月のスタートダッシュでは他のライバルに対して差をつける事ができる反面、焦りからか背伸びをして4月時点の自分のレベルに合わない難しい問題集などを買ってしまう生徒も多くいます。まずは授業の予習・復習をこれまで以上に徹底させ、余裕がある生徒には一歩進んだ問題などに挑戦させましょう。          

5月:模試での挫折

あっという間に4月が過ぎ去り、5月になって連休があけると高3になってはじめての模試。4月になってからご飯と寝る以外は全て勉強に費やしてきた。今の自分でどこまで出来るかわからないけど、やれるところまでやってみよう!

<試験終了後>

出来た部分もあったが、思ったより出来ていない部分のほうが多かった。自分にはまだ解けない問題なら納得がいくが、やったはずなのに理解が浅く解けなかった部分が悔しい・・・

5月になると、いよいよ模試が始まります。おそらく4月の1ヶ月はこれまでで最も勉強に集中した生徒が多いでしょう。それゆえか、「浪人生も交じる模試だから、最初は思ったような結果が出ないよ」とこちらが前もって説明しておいても、どこか生徒は何かしら良い結果が見えてくるのではないかと期待しがちです。現実に直面した生徒に対して、できなかった部分と出来た部分を明確にさせ、今後弱点をどう克服していけばよいのか自己分析させ、今後の勉強計画を一緒に考えてあげましょう。
また、模試が1つ終わり、4月のスタートダッシュのエンジンが少し切れかかってくるのもこの時期の特徴です。いわゆる「5月病」です。受験が長期戦であることを改めて伝え、ここからが本当の勝負であることを教えてあげて、モチベーションを保ってあげられるよう、授業も工夫していきましょう。

6月:倦怠期

もしも終わって1段落し、8月に行われる次の模試に向かってペースを上げたいところだが、どうも4月のようにモチベーションが上がらない。あの時の熱意はどこへやら・・・

意図せずに表情にも出てしまっていたのか、塾の先生に声をかけられる。事情を話したところ、先生によれば受験生になってから一日も休みを取っていないことで疲れが出てきてしまっているのではないかと。

先生のアドバイスもあり、休日を使って、半日だけ江ノ島の海へ一人旅。裸足で砂浜を歩き、足の下の砂が引き潮で持っていかれる感触を楽しむ。波の音と潮の匂いが心地良い。夕日に照らされる大海原、この大きな海に比べたら自分の受験の悩みなんてちっぽけだ。

よし、明日からもう一度頑張るぞ。帰りの電車で、先生にもらった夏期講習のパンフレットを見てみよう。

短いようで長い1年。調子がいい時もあれば、必ずスランプの時期に陥ることもあります。このストーリーでは6月に設定しましたが、これは生徒によって様々で、夏まで調子が良くて秋から調子を落としてしまう生徒もいます。ここは生徒の一番近くにいる講師の判断のしどころですが、私は疲れている生徒には海への一人旅を提案しています。
海の波には視覚・嗅覚・聴覚など5感覚を通して人をリラックスさせる効果があるからです。そして受験には直接関係ないのですが、高校3年生の生徒にとってちょっとした一人旅はその後の人生にとってもきっと良い影響を与えることでしょう。近場でも半日だけでもおすすめするのはこうした理由からです。どのような方法を採用するかは各講師の裁量次第ですが、生徒に時には息抜きすることの重要性も伝えてあげましょう。(しすぎに注意)

7月:夏期講習

いよいよ、夏期講習が始まった。夏は受験の天王山!夏休みまでに思うように進められなかった部分のリカバリーと得意科目をさらに得点源と出来るよう徹底的に問題演習しよう。6日勉強+1日予備日の少し余裕をもたせた計画で6月の時のように疲れ過ぎないよう、勉強していこう。

自習室に朝から晩までこもる毎日。ある日、知り合いの女の子から同じ塾の高3の男の子で気になる人がいるとの相談を受ける。受験勉強の真っ最中だから、恋愛にうつつを抜かしている場合ではないけど、どうするべきだろうか?といった電話を夜な夜な受け、相談に応じてあげるも自分の就寝時間が遅れ、勉強の計画に狂いが出てくる。母親からは勉強しないで女の子と毎日遊びに行っているのではないかとあらぬ疑いをかけられ、塾に電話が入る・・・

夏期講習はこれまでの模試や夏休みまでの勉強柄で克服できなかった弱点をリカバリーできる大きなチャンスです。得意科目も伸ばしていけるよう問題演習や塾の講習の科目に全精力を注がせましょう。丸1日時間があっても思ったように勉強が進まない場合もあるので無理のない勉強計画を一緒に考えてあげましょう。
自習室の話ですが、これは実際にあった事例です。受験生たちも青春時代を生きている高校生。塾の中でも時々こうした事が起こります。どこまでこうした事情に首を突っ込んでよいのかはわかりませんが、生徒にとって今何を一番しなければいけない時なのかを考え、心を鬼にして叱ったこともあります。大学に入ってからも恋愛は出来るはずですから、受験期の今しかできないことを最優先するよう指導できるといいですね。


前半まとめ

いかがでしたでしょうか?ここで示したのはあくまで1例ですが、夏期講習まででもこうしてみるとスランプだったり、感情の起伏だったり様々なことに向き合いながら生徒は受験と向き合っていることがわかっていただけたかと思います。夏期講習以降のことは次回の記事に書きたいと思います。

長文ご精読ありがとうございました!

 

 

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