【教室運営者向け】学生講師と良い関係を作るために知っておきたい2つのこと
働き手にとって気持ちの良い職場環境とは
運営者の皆さんにとって、
- 「質の高い」授業ができる講師を揃えること
- そうした講師を常にキープすること
は常に気を張る部分だと思います。
塾の実績(合格実績など)を残すには、生徒の成績を伸ばす力のある講師が必要になるからです。
塾には専任として務める講師と、アルバイトで務める学生講師がいます。(専任のみの予備校は除きます)
事情は様々ですが、多くの塾にとって学生講師の存在は必要不可欠だと言えるでしょう。
本記事では、そんな背景から
教室運営者が、学生講師と良い関係を作るために必要なこと
を2点ご紹介していきます。
目次
1.学生講師は塾バイトに不満を持っている!?
結論から述べると、塾バイトへの不満を持つ学生は他のバイトに比べて多いと感じました。
筆者は大学で教育学部に所属しており、友人や先輩・後輩に塾講師でアルバイトをしていた人が大勢います。
お互い務める塾について話をすると、「やめてしまう新人」が多い、という現状をよく聞きました。
さらに、教師を目指しているはずの学部の友人達からでさえ「もう塾をやめて他のバイトに移りたい」
と言う人が多かったのです。
私が務めた塾では、毎年3~5月に新人講師を採用して研修し、授業力ある講師になるためのハウツーを教育していました。
しかし、例えば新人を5人採用しても、大体6月か7月で1人やめ、
10月あたりでさらに1~2人やめてしまうことが毎年のように起こりました。
教室の運営者は、こうした事情から辞める講師が出ることを見越して多めに採用するそうです。
なぜ、新人講師は1年もたずに辞めていってしまうのでしょうか?
やめてしまう理由は経済事情など多様な背景があるので一概には言えません。
しかし、やめた理由を分析すると、【時給が合わない】【両立ができない】よりも、
塾の学生講師に対する考え方に納得できない
という意見が多かったのです。以下その2点と、改善案についてご紹介します。
2.学生アルバイトを雇う際に気をつけたい2つのこと
個人塾でも大手塾でも、無事大学受験を終えた高校生3年生or浪人生を雇う所は多いと聞きます。
外部の新人よりも、知っている元生徒の方が講師たちに馴染みやすいというメリットがあるからです。
また、受験生時代の勉強の成績・頑張りから「この子なら任せられる」と、選びやすいのもあります。
選ばれた新大学1年生の講師は、他のバイトを見る前から決定してくれたりもします。
今のところ、何も問題はないように見えますが、大学が始まると事情は変わります。
3.第一次辞職期:6~7月「大学の楽しさと社会の厳しさ」
こちらは、学生の大学イベントに対する思いの違いから、対立心が生まれてしまうパターンです。
大学の楽しさとのギャップ
大学には、入学してから約1~2ヶ月の間「新歓」という時期があります。
各サークル・部活が新入生に入部してもらうためにをあの手この手でおもてなしをしますよね。
新大学1年生は、先輩たちに色々良くしてもらい、とても楽しい時間を過ごします。
塾で全体研修を行う日は大体塾では授業がない日、つまり土日などです。
一方、大学はというと、土日はサークル活動や部活を行う日です。
日程のバッティングから、よく新人講師がこの時期「すみません。研修の日サークルあるので休みます」
と塾長に相談します。すると
と怒号を飛ばす運営者の方もいるでしょう。
事情は違っても、大学のイベントで来れないことを伝え、上司が叱るのはよくあることのようです。※
※授業や学部オリエンテーションなど、学業に関係するイベントは除きます。
研修は会社の予算を削って行うものであり、塾の現状や、今後の方向性を共有するものです。
他の仕事同様に大切なものだからこそ、「研修だし、その日サークルだから・・・」
と軽い気持ちで休んではいけません。
なので、怒号を飛ばしたくなる気持ちもわかるのですが、ここで1つ注意したいことがあります。
それは、多くの新人が「叱られるようなことをしてしまった。きっちり反省して次に活かそう」
とならないことです。
こっぴどく叱られた後、新人はこう思ってしまう傾向が多いのです。
「叱られたのは確かに自分の責任だけど、大学の楽しい時間を削ってまで講師をやりたくはないかも・・・サークルと両立できる他のバイトも探してみよう」
こっぴどく叱られ、ふてくされている気持ちもそこにはあるかもしれません。
運営側は新人にどう対処したらよいのでしょうか?考えられる対応として以下のものがあります。
<可能な対応策>
「してはいけないことは何か」を予め伝えておく
なぜ、私用で休んではいけないのか?働き始めの学生はまだ知らない人も多いと思います。
なのでしっかりと説明してあげましょう。
説明しておくからこそ、「あの時ちゃんと説明したでしょ」と叱る基準になります。
新人の失敗に対しておもいっきり叱るのは、1つの手段です。
しかし、叱られた方は意外と精神衛生が悪いものなんです。
「知らなかっただけなのに・・・」と、説明してくれなかったことに憤る場合もあるからです。
「何をしてはいけないのか」これは新人の失敗を予防するためにも、研修で是非伝えてあげましょう。
4.第2次辞職期:9~10月「学業との両立」
こちらは、「学業との両立」が難しく塾のシフトについていけない学生講師の事例です。
学業との両立が難しい
みなさんもご経験があると思いますが、大学1.2年生の間って大学の講義がたくさんありますよね。
大学3年、4年は研究や就活に忙しくなるため、
卒業に必要な単に数を出来るだけ早いうちに取りたい学生が、特に最近多いそうです。
塾も、夏期講習以降は本格的な受験モードに移ります。
前期(4~7月末くらい)まで、大学の授業と塾講師の授業の双方に追われつつ、何とか両立してきても、
後期になるとキャパオーバーを感じ始めると言います。
しかし、それでも塾としては生徒の成績を上げるため、講師にはできる限りの出勤をお願いすると思います。
新人講師は、多く稼げる一方で本業である大学の勉強との両立がさらに大変になります。
授業のコマ数が増え、授業後の質問対応もあり、前期以上に帰りが遅くなることもしばしば。
この辺りから、ふつふつと「もう塾の仕事を続けるのは厳しいかな・・」という気持ちが芽生えてきます。
「生徒の受験直前に投げ出してしまうようなことはしたくない。やめるならこの時期しかない・・・」
と、塾長に辞任願が届くそうです。
これを引き止めるのはなかなか難しいのですが、予防できるとすれば以下のようなものでしょう。
<可能な対応策>
学生講師の事情を確認し、相談して勤務日を決める
新人講師(大学1年)には、こうした大学の授業との兼ね合いを考慮してあげましょう。
進学実績は塾の利益に繋がるものですから、出来る限り生徒に手厚い指導をしてもらいたい気持ちがあると思います。
しかし、辞めてしまっては元も子もありません。大事な季節を前に人手不足に陥る可能性もあります。
学生気持ちよく働くことは、授業の質にも良い影響を与えるはずです。
新人も2年生になって、授業に余裕が出てきたら授業をより受け持つことが可能になるかもしれません。
じっとこらえて待ってあげましょう。
まとめ~よりよい信頼関係のために~
ここまで、学生塾講師と運営の関係がよりよいものであるためには何をすればよいか、2点ご紹介しました。
冒頭で、やめる学生の多くは塾の学生講師に対する考え方に納得できない部分があると紹介しました。
それも含め、まとめます。
①大学の事情があっても、「理由にならない」と突き返される
→「なぜ」、そして「何が」いけないのかを事前にきちんと説明してルールの共有を図る
②学業との両立が厳しくても、塾のシフトに入れられる
→大学の研究が忙しいことも考慮し、学生講師が無理なく働けるスケジュールを一緒に考慮する
の2点です。
今回は学生講師に寄り添って提示しましたが、1番大切なのは「歩み寄る」姿勢が双方必要ということです。
講師と上司がお互いに敬意を持った関係を築くことは、教室そのものの良い雰囲気につながります。
今後の運営の際に参考になれば幸いです。以上です。ここまで長文お読みくださりありがとうございました!
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