文型を意識しよう!
第二文型
前回の記事(誰でもわかる英文法 動詞と文型 ①)の続きになります。前回は先に第一文型と第三文型についての記事を書かせていただきました。今回は残りの第二文型、第四文型の指導法について紹介していきます。まずは第二文型からです。
では一つ例文を挙げます。
Bob is a computer engineer.
<訳>ボブはコンピューター技師です。
これは第二文型の文ですが、実は第二文型で最もよく使われる動詞はbe動詞なのです。be動詞は当然ながらamやisのことですね。be動詞は、主にイコールの働きをすることができ、第二文型では、必ず<S=C>という関係が成り立ちます。Cの部分には名詞もしくは形容詞の働きをするものがおかれます。
<例>
My brother is an actor. <私の兄は役者です>
The movie was very fanny.<その映画はとても面白かった>
また、be動詞以外にも、become(~になる)、またlook(~に見える)と言うような動詞も、主語と後ろに続く要素(補語)をイコールの働きで結び付けますから第二文型の動詞となります。この第二文型で使われる動詞のことを不完全自動詞と言うのですが、生徒にはもっと簡単に「イコール動詞」と覚えてもらうと良いでしょう。
そのイコール動詞はたくさんあります。これらは複数のグループに分けて覚えさせた方が断然効果的です。では、どのようにグループ分けするか紹介していきます。
単語の意味でグループ分けをする。
<~である、~のままである>を意味する動詞
be keep remain stay
<例>She kept calm during the fire. 彼女は火事の間、ずっと落ち着いていた。
<~になる>を意味する動詞
become get turn go come
<例>His dream came true. 彼の夢は実現した。
<~の感じがする>を意味する動詞
feel smell taste look sound
<例>Silk feels smooth. 絹はなめらかなさわり心地だ。
<~に思われる>を意味する動詞
seem appear
<例>She appeared a fanny person. 彼女は面白い人のように思われた。
このようにグループ分けをすれば、多いものも少なく感じますし、生徒も覚えやすいと思います。グループごとに例文を一つずつ上げるのも効果的だと思います。例文を挙げる際は完了形、過去形など動詞を少しひねった形で出すと復習にもなりますしさらにいいと思います。また、各動詞の本来の意味もしっかり理解しているか、必ず確認してください。
では最後に、大学受験の際の第二文型の頻出表現を挙げておきます。模試前、受験前に生徒が覚えているか、確認してみてください。
第二文型の頻出表現
turn C(色) ~色に変わる
go wrong 故障する
go crazy 気がおかしくなる
fall ill 病気になる
第四文型
では次は第四文型です。さっそく例文を挙げてみましょう。
Mary gave him the document.
<訳>メアリーは彼に書類を渡した。
この文では、目的語が二つあります。himが一つ目の目的語、the documentが二つ目の目的語です。このように、動作を及ぼす相手が二つある場合には、動詞の後ろに二つ目的語を置くことができるのです。この第四文型は特に入試で狙われます。どこがどう狙われるのか、またその対策としてどのように覚えればいいのかを説明していきます。
英作文で第四文型を使うときは注意
第四文型の文は書き換えが可能です。どのようなものか簡単に例を挙げます。
I gave him the doll.
I gave the doll to him.
<訳>私は彼に人形をあげた。
これは中学で習うはずなので、ほとんどの高校生が知っていると思います。ですが、私が高校生の英作文を添削しているときによく見るミスがあります。それはこういったものです。
I gave him it.
この文は誤りです。先程挙げた文のように第四文型の文中の目的語二つは<人+もの>、<もの+前置詞+人>に書き換えられます。ですが物の箇所に代名詞がきたときはこのように書き換えられないのです。なので先程の英文を正しくするには、
I gave it to him.にしなければいけません。英語の文章と言うものは代名詞のオンパレードです。長文問題でも主人公の名前は一番最初の部分で一回使われるだけです。その後の文ではheやsheで表されます。英作も同様です。文が進めば進ほど、文の流れからして代名詞を用いらなければならなくなります。その際にこのミスが起こりがちなのです。この部分を勘違いしている生徒は非常に多いです。しっかりと指導してください。
svooの動詞がaskの場合
目的語の二つあるうちの物の方を最初に持ってくるときはその後の人には前置詞が伴います。そのとき、動詞がaskである場合、少し特殊な形になります。普通は前置詞toかforなのですが(この違いについては後ほど詳しく説明します)askがくると前置詞ofを取ります。
<例>
Can I ask you a favor? お願いがあるのですが。
Can I ask a favor of you?
これは知らない生徒が多いですが、受験では、会話の穴埋め問題、文法問題などでよく出題されます。必ず理解しているか確認しておきましょう。
toとofの区別
人に文の重点を置くときに、前置詞を伴った文を使います。
前置詞にto使う
I lent Bob five dollars. 私はボブに5ドル貸した。
このようにlendを使うと、ボブの手に5ドル渡ったことになります。私が5ドル渡した相手が誰なのかに重点を置いて言いたければ前置詞toを使って次のように言います。
I lent five dollars to Bob.
相手に物や情報を届かせるという意味合いを含んだ上記のような文で、その届ける相手に重点を置くときには、<SVO+to+相手>とします。
前置詞にforを使う
She cooked me dinner. 彼女は私に夕食を作ってくれた。
このようにcookを使うとします。彼女が夕飯を作った時点では、当然それが私の手元に届いたことにはなりません。作った料理を私に届けるのは、別の動作になります。この部分でも先程のtoを用いる動詞との区別ができます。動詞の意味の中に相手に届けるまでの意味が含まれているかどうかです。
彼女が料理を作った相手が誰かに重点を置いて言いたければ前置詞forを使って次のように言います。
She cooked dinner for me.
相手のプラスになるように、物を買ったり、作ったりなどするという意味合いを含んだ上記のような文で、その利益を受ける相手に重点を置くときは、<SVO+for+相手>とします。
ではそれぞれの文法で、受験で頻出の動詞をまとめます。
<SVO+to+相手>
give lend show hand pay
<SVO+for+相手>
buy find cook make choose get
このように別々に説明した後、表にして二つのことをまとめると生徒も覚えやすいと思います。各単元ごとに例を出してその時その時に覚えさせる先生もいますが、退屈な説明を受けた後、さらに暗記しろと言うのは生徒にとっては少し酷なようにも感じられます。暗記はなるべくまとめてさせる方がいいと思います。また、ごっちゃになりやすい箇所こそ同時に覚えた方が確実に脳に定着します。この部分は英作をするときに、あれ、どうだったっけなーとなりがちな部分です。英作はよくスペルミスで減点されてしまいます。なので文法的ミスは出来るだけ避けるようにしなくてはなりません。第四文型の文は例文を見ても実用的なものばかりです。なので英作の際には先程挙げた動詞のうち、どれかしらは必ず使うことになります。文型においては一つの勘違いが何個ものミスになってしまいがちです。受験前には特にこのような基本的な部分こそ、復習が必要なのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。文型は一見浅そうに見えてかなり奥の深いものです。今回紹介したほかにも第四文型関連の入試頻出問題はいくつかあります。次回の記事にて、それらを紹介させていただきます。一人でも多くの講師の方がこの記事を役立てていただけることを心から望んでいます。