源泉徴収って何?アルバイトと税金のお話【塾講師バイト編】
年収が扶養控除のリミットを超えると”独立”しちゃいます!
塾講師のアルバイトをしている人の大半が大学生の方だと思います。
塾講師って,責任は重いけど,やりがいがあって,稼ぎやすい部類の仕事ですよね!
2年も講師を続けると塾との信頼関係ができて,たくさんの授業をまかされるようになります。
気が付くとすごい金額になってしまうなんてよくある話です。
夏期講習や冬期講習の時期など収入が急増しますよね。
先日,東横線に乗っていたら,塾講師と思われる大学生が大声で自分の年収の自慢をしていました。
しかも脱税自慢まで(笑)。おいおい!って感じです。
ちょっと待ってください。
何も考えないで稼いでもいいのでしょうか?
人によって,違うといえば違うのですが,
大半の大学生の方は気を付けた方がいい大切なポイントがあります。
源泉徴収税って知っていますか?甲欄?乙欄?
さぁ,塾から受け取った「給与明細」を見てみましょう。
下の方に「源泉徴収」という項目がありませんか?
そして,勝手に給料がマイナスされていませんか?
源泉徴収とは,要するに「所得税」のことです!
そんなに難しい話ではないのですが,
給与をもらったらその金額に応じて所得税(給与に対して支払う税金)を支払うことが義務付けられています。
月収が88,000円を超えると(法改正によって金額は変動しますが)発生する税金です。
所得税は,会社が給与から天引きし,本人の代わりに納税することとなっています。
ここまでは知っている人が多いと思います。
では「甲欄,乙欄」って聞いたことがありますか?
同じ源泉税でも甲と乙で税額が大きく変わります。
みなさんはどちらで支払っていますか?給与明細の「税区分」と書かれているところを確認してみましょう。
たとえば,
10万円の給与を受け取った場合,源泉税の控除(ひかれるという意味)額は,甲だと720円,乙だと3,600円になります。
講習などで30万ほど稼いでしまうと,それぞれ8,420円と52,900円になります。
この差は大きいですよね(年度によって変動します)。
では,どうやって甲と乙が決まっているのでしょうか。
意外と簡単な話なのです。
会社に「扶養控除異動申告書」を提出しているか否かです。
「扶養控除異動申告書」を提出していると,税額が甲で計算され,未提出だと乙で計算されることになります。
税額が乙で計算されている人は,会社に問い合わせてみてください。
書類は1分で書けるような簡単なものですよ。
そうでないと収入が増えたせいで税額があがり,その結果,手取り金額が激減するなんていうことになります。(提出時期や提出要件などありますが,細かい話は割愛します。詳細を知りたい方は国税庁のHPなどをご覧ください。)
扶養控除のリミットを考えて働きましょう!
扶養控除って聞いたことがありますか?
大半の大学生の方は,保護者の方の「扶養家族」になっているはずです。
税金,年金,保険の話や,勤労学生控除の話などしようと思っていたのですが,話が難しくなってしまいますね。ザックリと結論だけいきましょうか。
年収が130万円を超えると,今の保険証が持てなくなります!(国保は別)
保険証を見てください。親御さんの被扶養者になっていますよね。
年収が130万円を超えると,親御さんの保険から独立して,自分でお金を払って自分の保険証を持たなくてはいけなくなります。
月の負担が増えてしまいますよ。
大学生にとっては大きな負担になります。その他の税金負担も増えますし。
年収が103万を超えると,保護者の税金があがります!
年収が103万を超えると,親御さんは「扶養控除(扶養家族がいることによって税金が安くなる制度)」を受けられなくなり,負担額が増えてしまいます。
納税者の収入によって影響額が変動するため,その金額をズバっと言えませんが,どんなに少なくても年額で10万円以上の影響が生じます。
自分の稼ぐお金と,税金で持ってかれてしまうお金のバランスを考えたいですね。
会社によっては家族手当も止まってしまいますし。
親の税金だから関係ないって?それも1つの考え方ですね(笑)。
でも,親からみると、「うちの子が扶養家族から外れてしまった。経済的に独立してしまった。」ということになります。
大学を卒業したら独立するわけですから,どうってことないのかもしれませんが,学生のうちに独立されると親としては寂しいものがあるようです。
大学の学費を払っているのに,税金があがって,会社からの家族手当(家族1人あたり〇〇円って給与の他にもらえているお金があるのです)が止まって,お父さんがかわいそうかもしれません。
年収についてダマっていればバレないのでは?
ばれます。
雇用主から「給与支払報告書」が役所に提出されることになっています。
私の教え子で,
103万超える
→秘密にする
→お父さんが何も知らずに扶養控除の手続き(税金を安くした)+家族手当受け取り→塾が「給与支払報告書」を役所に提出
→子供が扶養から外れていることを,役所からお父さんの会社に連絡(税金を不当に安くしていることになるので)
→お父さん経理部に呼び出され怒られる
→始末書
という偉業(?)を遂げた学生がいます。フェイクなしです。お父さん,かわいそうです。
103万を超えたら超えたで必ず,親御さんに報告しましょう。
脱税は犯罪です!塾講師(=教育者)のモラルとプライドをもちましょう!
最初の東横線の「脱税」大学生に話をもどします。
彼がしていた「脱税」の手法は簡単なものです。
給与の103万を超えた部分を現金でこっそりもらう手法です。
給与支払報告書も数字を改ざんしてもらっているようです。
私のかつての同僚でも,給与支払報告書を役所に提出しないようお願いしていた人もいました。
それを受けてしまう会社が1番悪いのですが,そういうことをお願いするのはぜひやめてほしいところです。
ましてや,それを大声で電車の中で自慢しているなんて,情けないの極みです。
塾の先生は考え方によっては,会社の単なる従業員であって,正式な先生ではありません(学校法人の予備校等は除いて)。悪い言い方をすれば「先生ごっこ」ですよね。それは事実だと思います。
しかし,先生として生徒の前に立っている以上は,生徒に指導する立場である以上は,法律をきちんと守りたいものです。
モラル,ないしは,プライドの問題だと思います。
稼ぎたいけど,負担を増やしたくない。誰でもそう思ってます。
でも,そんなわがままを言ってはダメですよね。
しっかりと制度に従って,楽しい塾講師ライフを送りたいものです。
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