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【公立中学:数学】先生になりたい人必見!講師業務と教育実習~塾講師時代に磨きたいスキル~

2021/12/17

教育実習と塾講師業務

塾で講師をされる方の中には,将来教師を志望している方もいることかと思います.

本記事の主な対象は「大学生の塾講師アルバイトの方」です.

塾講師は大きく分けて2種類に分類できると思います.すなわち,集団授業と個別指導です.

私は両方,経験があるのですが,いずれの経験も教育実習現場で役に立ちました.

これから教育実習に行く方もいることかと思います.この記事は,将来,教育実習に行く方が塾講師時代に磨いておいて損はないスキル.これをまとめます.

(具体的にどうすれば授業スキルが向上するか.これはまた別に記事にまとめたいと思います.)

塾講師業務

「塾講師業務と教育実習」-この関係を考えるにあたって,初めに塾講師業務を振り返ってみます.

大きく分けて以下の3つがメインではないでしょうか.

  1. 授業
  2. 生徒さんとのやり取り
  3. 保護者さんとのやり取り

初めに結論を述べますが,教育実習では上記のいずれのスキルも役に立ちます(どういう風につながるのかは,別記事を参照).そういう意味でもこれら3つについて具体的に磨いておいて損はない.そんなエッセンスをまずはまとめます.

1.授業

もちろんですが,授業.これが時間的にも業務内容としても大半を占めることかと思います.さらに授業に関連する業務を分類し,<授業準備>,<授業>,<授業後のフォロー>の3つにわけて具体的に振り返ってみます.

授業準備

準備なしに授業に臨むことはないと思いますし,ここが腕の見せ所です.

ですので本記事でも授業準備の項目で半分を割いて書きました.

さて,これまでの経験から私は授業準備において大切なことは以下の3つだと考えています.

1.対象となる生徒に合った授業内容

自分が受け持っている生徒のレベルにあった授業展開を考えます.ここをしっかり見定めないことには以下の2.や3.の方針が立たないからです.

例えば極端な例ですと,

  • 同じ中学1年生でも学校の授業についていけない補習を目的に通塾する生徒のクラス
  • 高校受験対策の生徒のクラス

で同じ内容をするわけにはいきません.

しかし,いずれの場合にも塾に通ったからには,生徒さんには以下のように思ってもらう必要があると思います(この理由は後日,別記事で触れたいと思います).

  • 学校でわからなかったことがわかった!
  • 成績があがった!
  • 嫌いな科目が好きになった!
  • 塾に通ってよかった!

ではこのように実感してもらうためには,どうしたらよいでしょうか?

現実的には以下のように現状と目標をしっかりと見定めることだと考えます.

  • 受け持つ生徒が現在どの段階にいるのか?
  • 1年後の到達点は?
  • 定期試験の得点目標は?
  • ...etc.

そして,生徒の現状をしっかり見定めないことには,目標も立てられません.したがって,生徒の現状を把握することが授業展開の起点になると考えられます.では,生徒の現状を把握するために,いくつかの方法が考えられますが,もっとも簡単な方法は2つあります.

①確認テストを定期的に行うこと.

②宿題ノートを授業用ノートとは別に作ってもらい提出してもらう.

生徒の現状を把握したら,それに合った授業内容,解説方法を考えます.

次にやることは授業計画を立てることです.

2.授業計画

授業計画といっても,1回分の授業のみを指すのではありません.

塾という性質上,定期テストや入試など,テスト日程に合わせたスケジュールになることが多いです.例えばテスト前なのに塾としてテスト範囲が終わっていないと困ることになります.

長期(1年後の到達点),中期(1か月の到達点),短期(今週の到達点)のような授業計画を考えます.

1.で述べたように,生徒の現状を把握した上での授業展開が大切です.宿題の答え合わせ,確認テスト,問題解説,問題演習,答え合わせ,宿題範囲の伝達...1回の授業という限られた時間の中でやるべきことは様々です.ですので,授業内のタイムテーブルを考えておかないと,計画が崩れてしまい,試験前に慌ててしまうことになります.

授業計画を立てることは,大切な業務の1つであると思います.もちろん,板書計画もここに含まれるでしょう.

3.問題の取捨選択

限られた時間の中で扱える問題は必然的に限られてきます.ですので,使用しているテキストの中からどの問題を扱うのか.これを考えることは授業展開に影響を与えることと思います.

したがって,講師は事前に解説例を読み,扱う問題を選ぶ必要があります.もちろん,オリジナルの解説をしたい場合もそうですが,自分で解いてみる必要があるでしょう.

例えば私は問題を以下の4つに分けています.

  1. 解説に使用する基本問題
  2. 授業内演習で,理解度を確認する問題
  3. 宿題に出す問題
  4. 扱わない問題

補足として4.扱わない問題というのは,生徒のレベルを超えている問題をここでは指します.学校の授業の補習を目的に通塾する生徒に,受験問題を解かせて,自信を喪失する機会を与える必要はないからです.

どの問題を扱うのかは,授業展開を考えるうえで重要なのです.

授業

さて,上記の「授業準備」で述べたように「授業準備ができれば,あとは大丈夫!」

そう思ってはいけません.

語弊を承知で言いますが,特に塾講師になりたての頃は,授業計画が崩れるのは当然と思ってよいでしょう.

理由はいくつかあります.例えば塾講師なりたての場合は

「緊張して,ゆっくり話し過ぎた」,「生徒に解説が伝わらなり,何度も説明することになった」,「板書をスムーズに書けなかった」...etc.

ほかにも「生徒が宿題をやってこなかった」,「答え合わせに時間がかかった」など様々です.

こればかりは場数を踏むしかありません.

ですので,今回は磨いておいて損はない授業内でのプレゼンテーションスキルを列挙します.

実際に授業をする際に私が気を付けているのは以下の4点です.

  1. 生徒の目を見て話す
  2. 歩きながら話す
  3. 大きな声でゆっくりと
  4. 板書はしゃべりながら

同じ内容を伝えるにも話し方で生徒の理解度には大きく差が出ます.重要なところはゆっくり大きな声で話すなど,重要なところがしっかり伝わるプレゼンテーションを心がけましょう.

授業後のフォロー

授業時間内に不明点があれば,当然生徒さんから質問を受け付けます.この場合,個別指導に近いことをすることになるでしょう.

質問にきた生徒さんが,何がわからないのか,本人がわかっていないケースもしばしばです.生徒さんがどこまでわかっていて,どこからがわからないのか.これをハッキリさせてあげることも大切ですし,そのうえで様々な方法で解説をする必要性が出てきます.しかし,これは教師という立場では必須なスキルです.生徒のことを理解できずに,適切な指導はできないからです.

授業準備,授業のみならず,授業後もしっかりフォローできるようになりましょう.

2.生徒とのやりとり

以下の2つに分けられると思います.

質問対応

上記で挙げたように質問の対応をする機会も多いと思います.質問対応もですが,生徒からなんでも気兼ねなく質問してもらえるようになることは大切だと思います.

生徒の状況を把握できず,気づいた時には,塾をやめていた...

こうなってからでは遅いのです.

質問対応する前に,質問してもらえるかどうか.これは生徒からの信頼の証の1つだと私は考えています.

「あの先生に聞いてもわからない」

こう思われているようでは,授業もまともに聞いてもらえなくなります.

ではどうすれば信頼が得られるか?わかりやすい授業に加えて,次は生徒との日常的なコミュニケーションが大切だと私は考えています.このことを以下にまとめます.

日常的なコミュニケーション

「先生,何歳?」

「先生,彼氏(彼女)いるの?」

「先生,どこ住んでるの?」

「先生,趣味は何?」

「先生,このゲーム知ってる?」

今まで実際に私が生徒からされた質問をいくつか列挙してみました.

特に小学校高学年~中学生に多いように見受けられるのですが,プライベートに関する質問をいろいろとされます.私はこのことを「生徒と楽しくおしゃべり!」という風に軽くとらえてはいけないように思います.

もちろん楽しいです.大いに楽しみましょう.これが教師の醍醐味でもあります.正直,私は楽しいです.

ですが,忘れてはいけないことがあります.

あなたが大学生であっても,アルバイトとして雇われていても,生徒から見ればあなたは一人の教師です.そして,生徒さんの向こうには必ず保護者さんがいます.

少し嫌な言い方になるかもしれませんが,このようにプライベートな質問の受け答え.これも立派なスキルだと私は思っています.

生徒と楽しく話すことを前提として,生徒に嫌な気持にさせないで,対応できるか.

このことは,子供たちと接するうえで,とても大切なスキルだと思います.

3.保護者さんとのやり取り

保護者さんとやり取りがあります.塾によっては保護者会を担当する機会もしばしばあります.

保護者さんから質問されることもあります.

この際にも気を付けなくてはならないのは,多くの保護者さんはあなたを学生のアルバイトとは見ていません

敬語の使い方,挨拶ができているか,適切な受け答えができるか,など.保護者さんはよく見ています.

このことは社会人になっても必ず必要なスキルです.

保護者さんからも信頼される教師にぜひなってください.

保護者さんからも信頼される先生は塾にも良い影響を与えますし,塾にとって必要な講師である条件の1つだと私は思います.

まとめ

以上,教育実習へ将来行くことを考えている方が塾講師時代に磨いておいて損はないスキルを列挙しました.

まとめると以下の3つです.

  • 授業
  • 生徒さんとのやりとり
  • 保護者さんとのやり取り

記事の文字数の関係上,どうつながったのかについては別記事で書きたいと思います.

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