学力の他に採用時に重視したいもう1つのポイント
1.応募者の中からどのように採用者を選ぶか
本記事では、採用時に重視したいポイントをご紹介します。
なぜ採用基準が大切なのか、結論から述べると、
- 採用基準が他塾との差別化に直結する
- 勉強以外にどんな学びや気づきを提供できるかも塾の大切な要素
- したがって、生徒にどんなことを語れるかは採用時に見るべき重要なポイント
の3点があるからです。
1-1ターゲット設定が難しい
「学力だけではいけない?選考時の落とし穴」では、応募者の選考にあたって基準を作った方が良い。
という旨をお伝えしましたが、いったいどのようにして基準を作れば良いのでしょうか?
「教えるのが上手」「子どもが好き」といった基準もあるかと思いますが、
より具体的な理想の人物像となると、設定するのが少々難しく感じるかもしれません。
1-2他塾との差別化をどう図るか
重要なことは、ここで具体的に設定した条件が、そのまま塾の個性になっていくということです。
駅前には同じような個別指導塾が多々立ち並ぶなど、現在は塾業界でもコモディティ化が進んでいます。
塾運営の成功の秘訣として、いかに他の塾との違い、ひいてはその塾にしかない良さを持てるかどうか、
というのは大切なことです。
どのような人を採用するかという基準は、そのままその塾の個性づくり、他の塾とは違った良いところ作りにつながります。
1-3そうは言うものの、どういった基準で選べば良い?!
他塾と差別化すると一言でいっても、言うは易し行うは難し。なかなか難しいことであると思います。
その第一ステップが講師の採用活動な訳ですが、今回は、塾の差別化という観点から教室にとってどのような応募者が採用メリットが大きいのか、を考えます。
2.学生講師を雇うことのメリット
ところで、社会人の専任講師ではなく、学生講師を登用している塾はかなり多いと思います。
社会人歴も指導経験も浅い学生をなぜ講師として雇うのでしょうか?
もちろんその背景には、そうでもしないと人が足りない、という事情もあると思います。
しかし、よくよく考えると学生講師だからこそ生まれるメリットが数多く存在するのも確かです。
2-1受験生に近い存在であり、大学(受験)の情報を豊富に持っている
学生を講師として雇うことのメリットは、まずは何と言っても中学生や高校生など、受験生に近い存在であり、大学受験に関する情報を多く持っていることがあげられます。
講師自身も、長くても5年以内の受験を経験していることで、受験生の「わからない」という感覚に共感することができ、部活との両立や志望校選びの注意などもアドバイスすることが可能であるかと思います。
こういった観点で受験生をサポートできる人材はとても貴重です。
また、大学の情報についても、実際に通っている現役の学生だからこそわかることが多々あると思います。
講義の内容や、卒業後の進路などについては、在学生の方が詳しいことは明らかです。
加えて、大学生活の話などをしてあげることで、受験生のモチベーション維持にもつながります。
2-2様々なバックグラウンドを持っている
プロ講師でないということは、言い換えれば講師業(アルバイト)以外に取り組んでいる何かがあるということです。
たとえばボランティア活動をしている学生、体育会系で日々厳しい練習をこなす学生、学生団体などの組織運営をする学生など、学生の活動は多種多様です。
こういった経験をもってして指導に臨めるということは、「教育」という観点から非常に大切なことであると思います。
中学校や高校では生徒を見るとみな同じ教育を受けているため、どこか似通った価値観が形成されます。
一方先生方を見れば、ファーストキャリアで教師の道を選ばれた方が多いです。
すなわち、自分あるいは周囲のコミュニティと全く違った価値観を持つ人間に出会う機会は中高生にとってはそれほど多くないのです。
自分とは違う価値観を持つ人と触れ合うことで、今までは思ってもみなかった分野に興味を持つようになったり、将来やりたいこと、なりたい姿をイメージするきっかけになるかもしれません。
学生講師はプロの指導者ではありませんが、このように「教育」という観点から生徒に良い影響を与えられる可能性を秘めています。
3.勉強(問題の解き方、知識)以外に何を教えられるか?
3-1勉強以外に何を教えられるか
話を戻して、塾の差別化という観点からどういった応募者を採用することがメリットが大きいかということです。
以上の話から考えると、「勉強以外に何を教えられるか」ということを大事にすると答えが見えそうです。
例えば、体育会系で頑張る学生であれば、「努力することの大切さ、努力を続ける秘訣」など教えてくれそうです。
海外留学経験者であれば、「英語がいかに必要なスキルか」ということを説得力を持って話せそうです。
生徒は、講師が授業の間で挟んでくれるこうした話を、結構楽しみにしているものです。
学生講師の経験から生徒に伝えることができるトピックは様々です。
指導経験はもちろん、トピックに何か一つテーマを設けることで塾の個性が出せるかと思います。
「体育会系」「留学」などといった個別の事例をテーマにしなくても、
- たくさんの人とかかわる活動
- 他人に負けない努力量をこなしてきた人
というようなテーマでくくることも可能です。
3-2人間的成長も提供につながる
このように差別化、個性の形成を行っていくと、学力の成長だけでなく、人間的成長も提供できる塾になります。
「あの塾出身の子たちはみんなそれぞれ夢を持っていて、精力的に活動している」というように評価されるかもしれません。
勉強というのは目的になることはありえず、あくまで何かの手段であると認識し、
勉強する目的をきちんと持てる生徒が増やすことが重要ではないでしょうか。
4.まとめ
今回は「塾の差別化という観点から教室にとってどのような応募者が採用メリットが大きいのか」ということについてお伝えしました。
最後にポイントをまとめます。
採用基準が他塾との差別化に直結する
勉強以外にどんな学びや気づきを提供できるかも塾の大切な要素
したがって、生徒にどんなことを語れるかは採用時に見るべき重要なポイント
「勉強以外に何か生徒の人間的成長に貢献できるようなことを伝えられる」講師は、
生徒の成長にとっても、塾の運営にとっても非常に貴重な存在です。
改めて塾の方針として、「勉強以外にどんな価値を提供する塾にしたいか」を考えるきっかけになったら幸いです。
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