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適切に教える 英語入門

小学生

2021/12/17

英語の勉強の仕方

最近、私は塾で新中学生(小学六年生)の英語を受け持っています。やはり、初めてのことを教えるときは、気をつけなければいけないことがとても多いです。春から新中学生になるにあたり、中学英語の勉強についていけるように春期講習を実施する塾は多いと思います。その講座を受け持つ講師の方のために、何が重要で、何に気を付けなければならないのか、私が、今、体験していることを通して、紹介していきます。

まず、最初の授業では普通に授業を行うのではなく、英語を学習するのに最も適した勉強の仕方を教えてあげましょう。アルファベットも書けない小学生を相手に早くアルファベットを書く練習をして、単語をたくさん覚えさせなきゃ、と焦る気持ちも分かりますが、小学生はそもそも英語の勉強の仕方すらわかりません。勉強の内容からではなく、勉強の仕方から指導することをこころがけましょう。

単語の覚え方

英単語の覚え方を指導する講師の方は少ないと思います。しかし、英単語の暗記は方法によっては、とても早く、適切に覚えることが出来ます。以下が、小学生がやりがちな単語の覚え方です。

are are are are are

am  am  am am am

is is is is is

漢字を覚えるときにこのように覚えているからでしょう。単語をすべてこの方法で覚えようとします。この覚え方は実に効率が悪く、覚えにくく、退屈なものです。isを五回書いている内にareのつづりなんて忘れてしまっているに違いありません。適切な覚え方はこのような覚え方です。

are am is

are am is

are am is

何周もするといった覚え方です。これなら、一つの単語を三回で覚えられます。また、一周ごとに一度手本を確認してから書くように指導しましょう。この暗記法を紹介すると生徒はなるほどと言った表情をしていました。小学六年生、年齢から言っても大人から言われたことは信じて疑わないような子たちばかりです。この年齢を良い方向に活かしましょう。この暗記法をいま教えれば、彼らは中学だけでなく、高校、大学でもこの暗記法で覚えていくと思います。また、だからこそ違うことを教えないようにも最善の注意を払う必要があります。

英語と日本語は別物

英語と日本語は別の言語、これはあたりまえのことです。だからこそ、完璧に訳すことは出来ないということをしっかりと理解させましょう。先日授業でテキストの訳を言わせたら、意外な答えが返ってきました。

Are you a baseball player?(あなたはバスケの選手ですか。)

Yes,I am.(はい、私は)

意外な反面、なるほどなとも思いました。訳としても意味としても、間違ってはいません。ですが、日本語として間違っています。<はい、そうです>または、<はい、私はバスケの選手です>、ならば、良いです。直訳、意訳、など難しい話をしたいところでしたが、そこは簡単に、そのまま訳すと変なことになるよぐらいでとどめておきました。こういうことは英語を学んでいくうちに知っていくものです。では、どう指導すればいいのか、常に例文を参考にしろと指導するのが最も適切だと思います。中学英語のテキストには、訳まできちんと書いてあります。自分で考えるのではなく最初のうちは、テキスト、または教科書に載っていることを参考にしなさいと指導しましょう。

根本から理解しているか

生徒はすぐに勉強が簡単に思えるようにルールを作りたがります。一番よく聞かれるのはこれですね。単語の法則性です。ローマ字ではないことは単語を見ていくうちに気づくと思います。だから、違うルールがあると思うわけです。簡単な例を挙げましょう。例えば、orange、オレンジですね。レはraと表すのか、ジはgeと表すのか、と言うことを生徒は聞いているのです。もちろん単語にそんな法則はありません。先程言ったように違う言語ですから、むしろ英語と日本語が法則で結び付いているほうが不自然なのです。こんな難しい言葉を使った説明をする必要はないですが、法則などを好むことは講師の方は覚えておいてください。このことは聞いてきたので、そんなことはないよと言えましたが、生徒は法則を思い込んでしまうこともあります。口に出さないときは少々厄介です。そのような事を確認したいときは一風変わった問題を出してみることをおすすめします。普段使わないような文であるからこそ、本当に理解しているかが確認できるのです。

先日、初be動詞、文の授業をやりました。否定文、疑問文の単元では、生徒はみんな簡単な穴埋めでしたがほとんどできていて感心しました。このままじゃつまらないなと思った私は、少し変わった問題を出しました。こういった問題です。

<日本語を英語に直せ>

私はケンですか。[Ken]

正解者は残念ながら一人もいませんでした。生徒達の回答はこのようなものでした。

Are I am Ken?   Are you am Ken?

もうめちゃくちゃです。なぜこのような答えになったのでしょうか。おそらく、テキストの練習問題をやっているうちに疑問文はAreから始まるという風に思い込んだのでしょう。このようなことに注意しなければなりません。小学六年生だからこそ、講師の方は十分注意しましょう。テキストの練習問題で、ほとんど正解していても、根本的なことを理解しているということには決してなりえないのです。肯定文を用いてもう一回丁寧に説明しました。

You are a tennis player.➡Are you a tennis player?

これと同じように

I am Ken. ➡Am I Ken?

疑問文、否定文を教える際には肯定文をうまく利用しながら教えると生徒はわかりやすいと思います。

講師の当たり前≠生徒の当たり前

例文をたくさん挙げたついでに、講師の方に気を付けていただきたいことをもう一つ。

講師の方にとって、英語は馴染み深く、小学六年生に教えること自体は容易なことだと思います。

それに比べて、生徒は初めて英語に触れるわけです。なので、講師の方にとって当たり前のことが、生徒にとっては当たり前ではないことが多いです。たとえば、

・文の最後にピリオドを付ける。

・疑問文の際には最後にクエスチョンマークを付ける。

・文の最初の文字は、必ず大文字にする。

ということがあげられます。

講師の方はここまで気を付けて指導しなければなりません。講師の方はもう何十年と英語に携わっていると思います。なので、英語に初めて触れる生徒の気持ちになって考える、これは難しいと思います。私自身、そう言われても、そんな簡単なものではないと文句を言いたくなります。

ではどうすればいいのか。日本語と英語の違いを探してみてください

これは簡単なことだと思います。たとえば、

・日本語では、文の最初の文字は大きくはなりません。

・日本語では、文の最後は点ではなく、丸で終わらせます。

・疑問文も、日本語では丸ですが、英語は?にしなければなりません。

他学年の英語を教えている講師の方は特に、このような当たり前のことを流しがちです。英語に初めて触れる生徒に教える際には、日本語と英語の明確な違いを探し、指導してみるのはどうでしょうか。

今回はここまでにします。気を付けること、生徒が理解しきれないところはまだあるので、次の記事もぜひ読んでみてください。

 

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