特集記事のサムネイル画像

【個別指導】授業時間が短い・あまりお金をかけられない家庭に対する5つの指導ポイント!

2021/12/17

授業時間が短くても成績を上げるテクニックとは

皆様こんにちは!

人材教育コンサルタントの上田です。

今回は、

お客様のご予算が少ない場合でも、成績を上げるためにはどのような指導をするべきか

ということに焦点をあてて、お話ししていきたいと思います。



※ カリキュラムや費用が決まっている集団指導ではなく、講師の裁量で柔軟に授業を組み立てることができる、個別指導に特化して話を進めてまいります。集団授業ではご家庭の予算がない場合、そもそも参加できないケースが多いためです。

 

一時期に比べ、景気動向は回復したとはいえ、まだまだ一般家計を改善するには至っていません。

また、これから給与の二極化が進み、経済的に苦しいご家庭が増えていきます。

その中でも、親が苦心して用意するのが「教育費」です。

日頃はあまり意識されないと思いますが、親にとって教育費は大きな負担です。

仮に中学受験をする場合、小4~小6の3年間で、約200万円程度かかるといわれています。
(参考:http://president.jp/articles/-/11344

この費用を、保護者の方は一生懸命捻出されているのです。
(多くの場合、生徒はそのことを全く考えていませんが…)

 

それでも、経済的に苦しい負担であることは事実です。

 

今後、

「予算○万円しか使えないご家庭だから、週1コマしか授業ができない…」

と言われることも増えてくると感じています。


講師側から見ると、これはとても厳しい条件です。


なぜなら、以下のような問題を抱えることになるからです。

予算が少ない→コマ数が少ない→授業できる時間が少ない→成績を上げにくい

 

 

勘違いして頂きたくないのは、

予算が少ないから、成績が上がりにくいんですよ」という言い訳は、全く通用しません。


保護者からすれば、その予算内で最大限の価値(=意欲向上、成績UP)を求めて、塾に入れているわけです。

ですから予算が少ないから成績が上がりにくい、という表現は使ってはいけません。

保護者対応でうっかり言ってしまわないよう、注意してくださいね。

 

では、具体的にどうやって成績を上げる工夫をすればいいのでしょうか。

順を追ってポイントをご説明してまいります!

 

 

授業だけでは成績が上がらないことを伝える

予算が少なく、授業時間が短いことの最大の問題点。


それは、授業時間内に教えなければならない内容が完結しない、ということです。

例えば個別指導塾に勤務していたとします。

そこで、1コマ90分で英語と数学を教えてほしい、というご要望があったとしましょう。

ここで「45分ずつ授業ができる!」と思ってはいけません。

 

多くの個別指導塾では、先生1人に対し、生徒2名であることが一般的です。

これで実際に話せる「授業時間」は半分になります。

さらに、宿題のチェック・報告書の作成・授業前後の動機づけなどを加味すると、

授業できる時間は30分あるかないか、と言ってよいでしょう。

 

 

これをそれぞれ英語と数学に分けると…?

 

そう、わずか15分です。

このたった15分を生かすためには、どのように教えればいいのでしょうか。

少し考えてみてください。


・・・

 

 

・・・

 

 

 

・・・ 

 

 

・・・いかがでしょうか。

 

答えは、

「授業内で教え切ることができない」ことをはっきり伝えることです

そして、そのうえで生徒にも保護者にも、自習を求めていく姿勢が重要になります。

(詳細は後述しますので、しばらく読み進めて下さい)

 

 

では、その15分でなにをするべき?

答えは2通りあります。

「自分で学ぶと絶対につまずくと考えられる場所を教える」

「予習してきてもらい、わからない点を教える」

 

です!


それぞれのメリットデメリットをまとめておきましたので、

生徒のタイプに合わせて使い分けてみてください。

 

自分で学ぶと絶対につまずくと考えられる場所を教える方法
メリット
・集団授業の生徒と同じペースで勉強を進めることができる
・自宅での学習がスムーズに行いやすい
・比較的学力が低い生徒に対応しやすい
デメリット
・難問に対応する力が身につかない
・つまずく経験をしないため、テストで点が取れにくくなる

「予習してきてもらい、わからない点を教える」方法
メリット
・自ら学ぶ習慣がつきやすい
・生徒一人一人のペースに合わせることができる
・学校での既習単元の学習に使うと、非常に効果的である
デメリット
・新規単元だと不明点が多すぎて処理しきれない
・学習意欲が高い生徒でないと、逆効果になるおそれがある
・生徒がさぼりやすくなる(不明点を教えてもらえるので)

 

 

 保護者との連携を密にとる

保護者は「塾に行けば、手取り足取り教えてくれて、成績が上がる!」と勘違いされています。

ですが、お伝えしたとおり、実際に塾で話せる時間はほんのわずかです。

当然、手取り足取り教えることも、成績を上げることもできません。

 

このことをまずしっかり保護者・生徒両方に伝えることが、講師の役割になります。

とはいえ、いきなり「成績はこの時間ではのびません」と伝えたところで、反感を買うだけです。

 

ここで、「ご家庭にもご協力いただけますと、成績がより伸びていくのですが…」と前置きをしてから、

以下のことを伝えてください。

 


家で勉強していたら褒め、勉強していなかったら叱る

 

これだけです。

 

残念ながら塾にくる生徒の多くは、勉強が好きで来ているわけではありません。

ですから、周りから言われないと、なかなか勉強をしてくれません。

 

この状態をよく理解したうえで、保護者にも協力を求めるのです。

(断られるかも?と思うかも知れませんが、数百人教えてきて断られた経験はありません。ご安心ください)

そのうえで、定期的にご家庭での学習姿勢と塾でお伝えしていることを電話でお話ししていきます。

そうすると、保護者の方も安心して頂けます。

 

授業時間が足らないからこそ、自習環境をご家庭で作る」ことを保護者に認識して頂ければ、

成績向上に向けた土台作りができたことになります。

 

 

学習する範囲を限定する

次に考えるべきは、学習する内容を絞るということです。

ここで注意してほしいのは「その生徒の学習目標が何か」を見極めたうえで、きちんと学習範囲を設定してほしいということです。


逆の言い方をすれば、生徒のレベルに応じた学習範囲の設定は、しないほうがよい、ということになります。

 

例として、どうしても偏差値60の学校に受かりたい、偏差値40の小6生徒がいたとします。

この生徒に対して「学力に合わせた」授業を行うことは適切でしょうか?

…もちろん、違いますよね。

 

本人・保護者ともに本気で偏差値60の学校に行きたい、かつ予算がないのであれば、相当ハードな授業を展開する必要があることはご理解頂けると思います。

 

それに対して、内申点をUPさせたい中1生徒なら、学校のカリキュラムに合わせて授業を展開すればよいことになります。

 

つまり、その子の目標に合わせて、学習範囲を徹底的に絞りましょう。

 

先ほどのように「受験をする、でも予算が…」という場合は、教える教科と場所を絞る、というテクニックを使うと効果的です。

 

例えば、算数が苦手→テキストを順に説明していく、ではなく、苦手な単元からピンポイントに伝えていく、という授業スタイルをとるようにするとよいかと思います。

 

 

授業の密度を上げる~短期間で使える荒業~

保護者の協力・本人の自覚・授業内容を絞ることができました。

ようやくここで、授業の密度を上げる、という視点を取り入れていきます。

短時間で効率よく教えるためには、特殊なテクニックが必要となります。

 

それは、


内容の整理と演習を一切しないで伝え続ける

という荒業です。

 

理屈上、演習時間やまとめ時間を削れば、詰め込む内容を最大化することができます。

それを多くの講師がしないのは「家で勉強しなくてもある程度成績を向上させることができる」ためです。

 

しかし、授業時間が限られている場合、そのような悠長なことはできません。

そこで「演習・まとめ」をあえて課題とし、授業は集中的な知識詰め込みに徹します。

このようにすることで、短時間でも成績を上げることが可能になります。

(実際に私は半年で偏差値を最大35上げることに成功しています)

 

ただし、このテクニックは、家に帰って復習することを徹底させないと、わかった気になって結局成績が上がらないことになります。
最初にこの手法に頼ることは逆効果になりますので、注意してください。

 

自ら学ぶ生徒に育てる

ここまでお読みいただいた方は、お気づきかと思います。


授業で成績を上げる、という発想を捨てなければならない

 

どうか、このことだけは頭に入れておいて下さい。

予算が少ない場合は、絶対にご家庭の協力と本人の意欲が不可欠です。

講師だけがあがいても、成績が上がることはありません。

 

私たちの最終的な目標、それは自ら教科書を読み、自分で演習できる生徒に育てることです。

自ら学ぶようになれば、授業時間は少なくて済みますし、予算が厳しくても塾に通い続けてくれます。

 

ぜひその状態まで持っていけるよう、ご指導いただければと思います。

 

まとめ

最後に、今回紹介した5ポイントをまとめておきます!

1、本人の自覚を促す

2、保護者の応援を依頼する

3、授業内容を絞る

4、授業スタイルを変え、密度を上げる

5、生徒が自ら学ぶように支援する

 

塾講師ステーションって何?なぜ、教育のノウハウを無料で公開しているの?

今回の記事はいかがでしたか?

塾講師ステーション情報局の編集担当の坂本です。

 

塾講師ステーション情報局では、“塾講師のお仕事をもっとわかりやすく!”をテーマに、

塾講師の方がすぐに使える“現場のノウハウ"はもちろんのこと、

分かりやすい教養記事、認識を変えるような驚きの記事をご提供しています。

 

また、塾講師業界は、横のつながりが弱く、

どうすれば生徒さんに楽しく学んでもらえるのか?といった情報があまり共有されにくい体質です。

そこで、塾講師ステーション情報局では、

全国の素敵な塾講師の方々のご意見をいただき、現役塾講師及び塾講師希望者のための情報をお役立ちコンテンツとしてまとめています。

 

そして、親サイトの「塾講師ステーション」では塾講師の方々がもっと活き活きとお仕事ができるように、素敵な職場情報や求人情報なども集めています。

あなた専用のマイページの利用や、メルマガ購読による定期的な情報収集などももちろん可能です。


「塾講師としての活動をもっと魅力的にしたい!」「今の働き方に不満があるかも・・・」「周りに塾講師の仲間がいないので気軽に相談できない・・・」という方へおすすめの無料サービスです。

 

よろしければ、お気軽にご登録ください。

▼求人掲載件数9500件以上!「塾講師ステーション」へご登録はこちら

http://www.juku.st/info/entry/2

【あわせて読みたい記事】

【必読】進路指導で保護者と生徒の意見が違う場合は、どうすればいい?

【個別指導向け】塾講師が授業時間を最大限に活用するには?

【個別指導塾講師必見!】 「誘導力」を用いて生徒のモチベーションをあげよう!

【個別指導】集団指導とは違ったメリットを最大限に活かした授業をする方法とは?

【個別指導向け】「教える」と「教わる」を使い分けてオリジナルの授業を!

 

キーワード

新着記事

画面上部に戻る