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【”春期講習初”の先生必見】おさえておこう!春期講習での指導ポイント!

2021/12/17

春期講習をのりきろう!

講師の皆様こんにちは!
人材教育コンサルタントの上田一輝です。

そろそろ春期講習が近づいてきました。
講師の皆様は、コマ割り(担当講師決め)が気になりだす時期ではないでしょうか。
また、新たに講師として勤務されたい方もご覧いただいている方は、応募をご検討中かと思います。

本稿では、春期講習をご担当される先生向けに
春期講習の時期ならではの特徴(生徒・保護者・教室などの状態)

絶対に押さえなければならない指導上のポイントをお伝えしてまいります。
特に初めて講習期間に授業に入られる方は必見です!


 

春期講習の特徴(生徒編)

新しい生徒(体験生含む)が多い

春期講習で最大の特徴は、新しく塾に入る生徒が多いことです。
体験生も含めると、実にクラスの8割が初めて!ということも決して珍しいケースではありません。(もちろん、個別指導の場合も多くの生徒が体験授業を受けに来ます。)
(理由)
・一斉に新学年に向けたコマーシャルを展開しているため
・周りの友達が塾に通い始めるため
・引っ越しや異動など、親自身も変化があるから

ここで塾として重要なことは“新しい生徒”を増やしていくこと。
そのために、講師は意識しなければならないポイントがいくつかあります。
本文下部に続きがありますので、必ず押さえておきましょう。

 

転入生も多い

最近では塾を変えることも一般的になってきています。
(保護者の方も、良い塾・良い講師を探すのに必死です…)
そのため、転入生・移動生等と呼ばれる、他塾と自塾を比較してくる生徒がいます。

彼らの特徴は“前の塾に不満があり、新しい塾に過大な期待をしがちである”ということ。
どの塾も一長一短で、欠点がない塾はありません。
しかし、多くの方は良い部分だけを見て、新しい塾にご参加されています。
ここがクレームを頂きやすい点であることを知っておきましょう。

とはいえ、勇気を出してせっかく移動してくれたのです。
生徒が移動してよかった、と感じてもらえるような授業展開を意識してください。

春期講習の特徴(講師編)

講師が変わる、不足することが多い

先ほどまで、生徒が増えていくことをお伝えしました。
ですが、講師側は逆に一気に減っていくことがほとんどです。
理由としては
・就職活動がはじまるため、シフトに入れない学生講師が増える
・大学・大学院卒業により、退職してしまうベテラン講師が多い
・他のバイトに切り替える人がいる
などが挙げられます。

また、講習期間は授業が過密スケジュールで組まれるため、多くの授業が重複します。
そのため、残った先生たちには多くの授業が割り振られることになり、臨時で普段教えていない教科を教えることも発生していきます。

(具体例)
月~土に、校舎で1日3コマ(合計18コマ)の個別指導があるとします。
仮に全員が同じ科目で、専任の講師が1名いれば、3コマを1日でこなすことが可能です。
(17:00-18:20、18:30-19:50、20:00-21:20のようなイメージです)
つまり、理屈上は1名だけで講師が充足するということになります。(1日3コマ×週6勤務)

では、春期講習が2日しかないとするとどうでしょう?
1日9コマを1名の講師が担当することは、肉体的にも精神的にも大変厳しいです。
となると、授業を別の講師に任せる必要が出てきますよね。
これが「講習期間の人繰りは大変」と言われる理由です。

新しい講師が動員される

生徒が増えるのに先生が不足する。
毎年のことですから、塾側も対応するために“講師採用活動”を活発化させます。
その結果、新しい先生が続々と入社してくることになります。
これはもちろん講師にとってはありがたいことですが、問題もあります。

 

クレームが多発する

経験が少ない講師がたくさん配属されると、クレームを頂く回数が一気に増えます。
これは仕方ないことでもあり、講師を一概に責めることはできません。
(大学に入学したばかりで、電話口でのスムーズな保護者応対を期待する方が無謀です)

ですがその結果、正社員講師・教室責任者が対応に追われることになります
つまりマネジメント(組織運営)責任者が通常よりも多忙になり、普段できている部分でも目が行き届かなくなることがあるのです。
この点について理解し、アルバイト講師も積極的に助ける姿勢を持った方がよいでしょう。

春期講習での指導ポイント

さて、特徴を踏まえたうえで、具体的な指導ポイントについて述べていきます。
最初に集団指導・個別指導共通のポイントを説明したのち、それぞれで意識するべき点をコンパクトにまとめてお伝えします!

共通

絶対に遅刻・無理をしない

講習期間は普段と異なり、長時間労働かつ朝からの勤務となります。
加えて、先述したようにかなりの過密スケジュールとなっています。
ですから、1名でも欠けてしまうと、代替がきかないケースがほとんどです。
もうお分かりだと思いますが、絶対に遅刻はしないようにしてください。
また、体調管理にも普段より気を付けておきましょう。
(飲み会に参加しない、カラオケに行かない、夜は早めに寝る、など)

生徒の満足度を高め、塾を気に入ってもらう

別記事でも述べましたが、講師の大前提は“生徒の満足度を上げ、継続率を伸ばす”こと。
(参考記事:http://www.juku.st/info/entry/559
生徒が満足しない授業は、どんなに素晴らしい演出をしても意味がありません。
だからこそ、春期講習に入られる先生は、生徒が塾を気に入ることを意識して授業をしましょう。

講師同士のフォローを忘れない

先述したとおり、新しい講師が入ってくること・クレームが増えることで、教室が殺伐とした雰囲気になってしまうことも多いです。
ですから2年目以降の講師は、なるべく責任者や新人講師のフォローをしてあげましょう。
「不明点があったらいつでも聞いてね!」と言われるだけで、新人講師は楽になるものです。
また、クレームを頂かない授業をすることも、間接的に責任者を助けることになります。

 

集団指導の場合

初めての生徒に対しては、丁寧に集団のルールを教える

初めて塾に通いだした生徒の場合、文字通り「未知」の体験をし続けることになります。
・トイレの位置がわからない
・宿題の範囲がわからない
・次にいつ、塾に来ればよいのかわからない
こういったときに、つい「そんなこともわからないのか!」と言いたくなりますよね。
ですが、逆の立場で考えてみてください。
初めての場所、知らないクラスメイト。
頼れるのは先生だけです。
その先生に質問して叱られたら…塾に行きたいとは思わなくなりますよね?
つい日頃の調子で接しないよう、注意して下さい。

また、春期講習と平常授業が連続したカリキュラムの場合は特に注意しましょう。
既存の生徒にとっては復習であったとしても、新しい生徒には“初めて”の内容もあります。
このように学力差がある場合は教えるのが大変難しいかと思います。
ただ、受験学年以外はなるべくできない生徒のレベルに合わせてあげましょう。

転入生は塾のルールが違うことを理解させる

宿題の出し方や範囲、テキストの使い方などは塾によってかなり異なります。
ですから、転入生に対しては“今までの勉強のルール”から、新しいルールに切り替えてもらえるよう、フォローしていきましょう。
そこで注意してほしいのは、今までの学習を否定しないこと。
つい「そんな宿題のやり方をしていたんだ!それじゃ伸びないよねー」などと安易に発言しがちですが、生徒にとっては言われた通り、一生懸命やっているケースがほとんどです。
前の塾の批判は、生徒の心情を傷つけることに繋がります。
本当にひどい場合は、本人ではなく保護者の方にお伝えするようにしましょう。

個別指導

相性が良い、と感じてもらえる授業を展開する

個別指導では、初めて担当した先生がそのまま年間を通して面倒を見ることも多いと思います。
そのため、初回導入で「この先生は、どうも苦手だな…」と思われてしまうと、その後の指導が難しくなってしまいます
この点には十分に注意して、導入を進めましょう。
個人的には、授業の導入時に自己紹介をすることがおススメです。
共通点から数分雑談をしてあげると、非常によい印象を与えることができます。
ぜひ試してみてください。

学習の見通しをたててあげる

保護者は、塾に対して成績を上げてもらうことを期待して通わせる判断をします。
ですが、いきなり成績がぐんと伸びることは残念ながらあまりないですよね。
ここで保護者の方に猜疑心を抱かれないようにするために、個別指導であっても1年間のスケジュールをざっくりと立ててあげるとよいでしょう。
特に1年間全体の流れ、今までの学習との関連性を伝えると効果的です。
学校にはできない、塾に行かせるメリットがわかるように、本人にも保護者にも伝えてあげましょう。
(参考)目標設定の手法:http://www.juku.st/info/entry/577

 

まとめ

春期講習は生徒・先生共に人の入れ替わりが激しい時期になります。
ですが「何よりも始めが肝心」と言われるように、最初の印象がその後の塾に対するイメージを決めてしまうことも往々にしてあるのです。
忙しい時期かとは思いますが、ぜひ生徒のために満足度が高い授業を提供して頂ければと思います。


参考記事
・授業時間が短い場合の対処法:http://www.juku.st/info/entry/1105
・体験授業を定期指導にする方法:http://www.juku.st/info/entry/628

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