【留学経験者が語る】留学に行く前に知っておきたいこと(後編)
いざ出発!アメリカへ!
前記事「【留学経験者が語る】伝えたい!留学を行く前に必ず知っておきたいこと(前編)」では、筆者がどのような気持ちから留学を決定するに至ったのか、そして留学を決定してから出発するまでの間にどうやって準備をしたのか、についてお伝えしてきました。
筆者が留学を決断してから、必死に1年間がんばったことでお金を貯めることに成功し、いよいよアメリカへ出発するところから本記事は始まります。
前記事の最後の部分で述べた通り、
- 留学までの英語勉強で意識したいこと
- 留学出発!語学学校での生活と主体性
- 留学で経験したことが、どのような糧になったか
についてお伝えしていきたいと思います!
留学までの英語勉強で意識したいこと
前記事でも留学出発に至るまでの準備はご紹介したのですが、肝心な英語勉強をどのように行っていたのかについては紹介しきれませんでした。
本記事では、その点からご紹介していきます。
英語学習にとって1番大切なこと
結論から述べると、英語学習にとって1番大切なことは「目標と期限を設定する」ことだと考えています。
皆さんも大学受験の時などは、
・模試で○○点以上!
・~までにこの問題集を終わらせる!
・志望校合格!
など小さなものから大きなものまでなにかしら目標を立てていたと思います。
それと同じことで目標と期限を設定すれば、英語の勉強も「いつまでに、何をするか」が具体的になるのです。
そういった点で定期的に行われるTOEICや英語検定などを活用することは有効だと考えます。
筆者は大学1年生で1回TOEICを受験していたのですが、その時の得点は650点でした。
TOEIC受験者の平均点は580点と聞いたことがあったので、平均プラスアルファのこの得点はおそらく留学を志す人の中では低い方かもしれません。
自分の得点が低かった主な要因は
- ①長文読解に時間がかかりすぎること
- ②リスニングが苦手
という2つでした。
TOEICまでの勉強では、リーディング、リスニングセクションの勉強に加え、アメリカでの実生活を意識してとにかく
・聞く
・見る
・話す
機会を増やすことを意識しました。
英語のラジオ番組を毎日聞いたり、好きな洋画を字幕なしで聞き取る練習をしたり、大学で英語圏からきている留学生のTAをしたり。
その上で、目標は前回のTOEICの点数を100点上回る「750点」にしました。
これは今後英語の勉強をする皆さんにはぜひ覚えておいてほしいのですが、探してみればお金をかけなくとも英語に触れる機会は上記のように、そしてそれ以外にもたくさんあります!
ぜひ色々なことにアンテナをはってみてくださいね。
話を戻します。
TOEICは1年間に何度も開催されていますが、1回の受験料は約6000円。
勉強することに加え、留学までにお金を貯めることも必要だった(前記事参照)ので、受験するのは10月開催のTOEIC公開テスト1回に絞りました。
出発する2月までの間に一応の試験結果を出し、その結果からさらに自分の弱点を分析して勉強するには、この時期が適切だと考えたからです。
アメリカに行ってからは、全て英語のやり取りになりますし、できるだけ勉強をした状態で行きたかったのでとにかく英語にはなれるように努力しました。
結果、出発前に770点を取り、一応の目標は達成することができました。
留学出発!語学学校での生活と主体性
貯金、そして英語学習の一応の目標を達成し、いよいよ出発の日がやってきました。
ここからは語学学校での生活と主体性の大切さを述べていきます。
いざボストンへ!
2月1日。いよいよ留学地のボストンへ出発することになりました。
応援してくれた友達に出発の報告をし、支援してくれた家族にあいさつをすませ、いざ成田空港へ!
今振り返ると、留学期間も含め最もドキドキしたのは飛行機出発までの成田空港での時間だったような気がします。
これまで自分が海外に行ったのは、生まれた時を除いて幼いころに家族で行ったハワイと、大学で友達とオーストラリアに行った2回のみ。
自分一人で異国へ行くことの緊張感と高揚感で、出発まで空港内をずっと歩き続けていました。
そしていよいよ離陸時間になり、ボストンに向けて飛行機が飛び立ちました。ボストンまでは13時間。
長い旅の始まりです。
飛行機の中では、映画を見たり読書をしてゆっくり過ごしました。
英語の勉強をしようかとも思ったのですが、出発までにも勉強しましたし、これから毎日嫌でも英語の千本ノックを受けられる環境になるとわかっていたので、飛行機の中の時間を楽しもうと決めました。
ボストン到着!留学生活スタート!
長いフライトが終わり、遂にボストン空港に到着です。
自分は出発する前に、ボストンで通うことになる現地語学学校の人と待ち合わせをしていました。
(空港からホームステイ先の家まで車で送ってもらうサービスをしている学校だったからです。)
もうすでに留学は始まっています。ここから2か月は何をするにも英語で自分のことを説明したり、手続きをしたりする際には英語で伝えなければなりません。
車に乗せてもらってホームステイのお家に着くまでの間も、緊張をほぐすために色々な質問を投げかけてきてくれました。
「Is this your first time to visit Boston?」
という質問に対して自分が
「No,this is second time.Actually I was Born in Boston.」
と説明すると、
「Born in Boston??Wow!!スゴイネ!!」
と、片言の日本語で緊張をほぐしてくれました。
英語を母国語とする人と会話するのは、本当にこれが初めてだったのですが、簡単な英語ではあってもコミュニケーションを取れたことにかなり手応えを感じました。
と同時に、やはりネイティブの話す英語のスピードはとても速く、なかなか聞き取ることが難しいとも感じました。
このテンポの会話は自分にはまだまだ遠い世界だとわかったので、留学の中での自分の成長をしっかり把握するためにもこの時感じたことを手帳に書いておきました。
語学学校での一週間のスケジュール
入校式を済ませてから、いよいよ語学学校での生活が始まります。
学校なので、基本的に月曜日から金曜日まで毎日学校に通って授業を受け、勉強する毎日です。
実際の時間割がこちらです。
ところどころ変更もありましたが、大学の授業のように毎日ぎっしり授業が入っているというわけではないということがお分かりいただけるのではないでしょうか。
とはいっても、自分自身の感覚だと大学の授業よりも予習・復習は大変でした。
例えば次の授業までに難しい英語の本を読んで、授業で議論するゼミ形式のようなものであれば予習の時間は相当かかります。
単語帳を引いては読み、引いては読みの繰り返しになるからです。
筆者の通った語学学校は基本的に、文法を確認したり英作文を練習したりする授業を週の最初の2コマで行い、残りの授業は基本的にディスカッションでした。
(ディスカッションで使う教材もその週に扱う文法が確認できる構成になっています)
語学学校の先生たちは、意見があればとにかく自分から発言するように求めてきます。
自分から主体的に発言しない限り授業中一回も発言せずに終わってしまうこともあるでしょう。
筆者も初めは
・自分の英語が正しいのか自信がない
・自分の意見が正しいのか自信がない
と思うことが多々あり、なかなか発言できない時期がありました。
しかし、高いお金をかけてアメリカまで来て、消極的になっていてはもったいないですよね。
これを意識してからは間違うことをおそれずに、勇気をもって自分の意見をするように心がけました。
それに英語が正しくなければ先生が指摘してくれますし、自分の意見が正しいかどうかを周りの人はあまり気にしていないことにも気がつきました。
これに気がついてからは、失敗をおそれずどんどん発言できるようになったと思います。
時にはディスカッションで口論になってしまうくらいアツい議論をしたことがありましたが、自分の意見をしっかり主張できたので、全く後悔はしていません。
皆さんも語学学校に行ったらぜひ積極的に発言することを心がけてください。
前述したとおり当てられるのを待っていては、発言する機会はありません。
そして何よりせっかく留学に行っているのですから、自分の意見を英語で発信しないことはもったいないですよ。
留学で経験したことが、どのような糧になったか
留学終了!自分が留学で学んだこと
月日はおそろしいほどに早く流れていき、あっという間に留学の終わりがやってきました。
最初はネイティブの会話スピードに全くついていけず、不安もあったのですが毎日のように英語を聞き、話し続けていたおかげで最後はネイティブのアメリカ人とも英語で会話できるようになりました。
これから留学に向かう皆さんもおそらく最初は聞き取れないことにもどかしさを覚えるかもしれません。
ですが、水槽に水を入れ続けるといつかあふれ出してくるように、いつの間にか聞き取れる日がやってきます。
そこにたどり着くまでの音読などの訓練はもちろん必要になりますが、あせらずじっくりと勉強をしていってください。きっと当初の自分からは想像もつかないようなリスニング能力になるはずです。
さて、実際に留学して帰国後それがどう役立ったのか。最後に簡単に紹介したいと思います。
英語を教える時にそれがなぜ重要なのかを伝えられるようになった
英語は専門ではないのですが、塾では英語も担当したことがありました。
その際には、重要単語や英文法を教える時に何故それが必要なのかを一緒に伝えられるようになったのです。
例えば「recommend」という単語を紹介する時も
「このreccomendっていう単語は、日常生活の中で使う場面がたくさんあるんだよ。レストランに行ってお店自慢のメニューを聞きたければ”What do you recommend?"と聞けば、お勧めを紹介してくれる。
さらに、日本食レストランに外国の友達を連れていけば"I recommend you to select this Sushi."」というように日本食で挑戦してみてほしいものを伝えられるんだ。」
というように、入試に出るから必要なのではなく、英語を使う場面でも役に立つから覚える価値がある単語であるということを伝えられるようになりました。
日本への興味がわく
これは、アメリカで生活をしてみて一番感じたことかもしれません。
アメリカにいると日本の文化や政治について色々問われるのですが、答えられないことがたくさんあり、非常にもどかしい思いをしました。
それと同時に日本を離れてみてより日本について知りたくなりました。
それまで暇があったら読もうかなくらいに思っていた、『日本書紀』の本に興味津々になったのは日本ではなくアメリカにいた時のことでした。(持って行っていなかったので、親に頼んで送ってもらいました)
結果、帰国してから塾で日本史を教える際にこの『日本書紀』の内容を教材として一つの授業実践を作ることができました。
留学をして得られる成果というのは何も英語の事だけでもないんだな、と実感しました。
日本人としての誇り
日常生活を見渡してみると、車をはじめとして、いたるところで日本製品が使われていることに気がつきます。
海外での”Made in Japan”というものが、いかに信頼性のある言葉なのかを実感することができました。
ホームステイ先のホストマザーに
「日本人はまじめでこうした製品一つ一つの細部に至るまできっちりと作るから、安心して購入できるのよね。」
と言われたときには、同じ日本人として強い誇りを持ったのを強く覚えています。
このホストマザーだけでなく、色々な国の人と話してみてわかったのですが、日本人はとてもまじめであり、ほとんどの日本人が人の事をだましたりしないということをきちんと知ってくれているのです。
そういった経験があったからこそ、これからも世界の人が「日本人は素晴らしい」と思えるようにあってほしい。と、教育に携わる仕事への志が強くなりました。
さいごに~留学生活は十人十色~
筆者の場合は上記のようなことを留学から得ることができましたが、留学生活も十人十色。
成功も失敗も含めて糧とすることができたらそれだけで留学の意味はあるのだと思います。
もし今後皆さんが留学に興味をもって、実行したいと思った際に参考になったら幸いです。
長くなりましたが本稿は以上です。ここまでお読み下さりありがとうございました!