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【永久保存版】役立てたい!「ノート」活用の極意

2021/12/17

はじめに

大学生のみなさんこんにちは。塾講師ステーション情報局ライターのスペンサーです。

本記事では、タイトルにある通り効果的な学習ノートの取り方を皆さんと一緒に考えていきます。

皆さん高校を卒業してからノートってどのように活用しているでしょうか?

大学の授業を見渡していると、近年授業ノートをパソコンでとっている生徒が多くなってきたように思います。確かにタイピングが早い人ならこのやり方の方が楽に感じるでしょう。

近年は板書をスマホの写真機能でおさめて済ませる人もいると教授から聞いたことがあります。

こうしたツールが普及してきたからか、「受験までの時に比べてノートをとる機会が減った」と感じている方が多いかもしれません。

しかし、学習の基本はやはり手書きのノートにあると筆者は考えています。

ノート

 

デジタルなものよりも手書きを推奨する理由は2つあります。


①機敏性に優れている

 

大学、そして社会人になるととっさの状況でも学んだことをすぐにメモしたり記録しなければならない状況が増えてきます(後ほど詳しくご紹介します)。

こうした状況ですぐに書き出せる機敏性はパソコンやスマホよりも手書きが勝っています。

「ポケットには常にスマホがあるからこちらの方が早いではないか」という意見もあるかもしれません。
しかし、起動して、(アプリの)メモ帳を開いて・・とやっているよりも、アナログなノート・メモの方がすぐに書き出せるはずです。

 

 

②手書きの効果の研究結果が出ている

 

「パソコンでメモ」した学生よりも、「手書きでメモ」した学生の方が、学んだことを長く記憶しているという研究結果が出ています。

引用元:心理学誌『Psychological Science

 

パソコンは手書きよりも多くの情報を一気に書き込める利点があるため、手書きのように「この話で絶対に記録しなければいけないことやポイントは何か」という情報整理・分析への意識が働かないのです。

それゆえ、手書きの時よりも脳が活性化せず、記憶に残りにくいデメリットがあるのです。

高校までの授業では、おそらく多くの先生が勉強内容をきれいに板書してくれていましたよね。

学校差・個人差はありますが、受講者であった皆さんは、一生懸命板書をノートに記していくことが授業での主な活動だったと思います。

 

 

高校と大学の授業の違い

大学になると、授業のやり方は大きく変わります。
・文字をびっしり書いたレジュメを授業の冒頭で配布されて、項目1つ1つを説明していく授業
・教授や講師が事前に作ってきたスライドを教材にする授業
・教授の執筆した本を教材に進める授業

などなど。他にもあるでしょうか。

筆者はもともとノートをとる作業が好きだったので、大学に入ってからも高校の頃のように、教授が丁寧に板書をしてくれる授業を期待していました。

板書

しかし、すぐにそれは甘い考えだったとわかります。皆さんご存じのとおり内容を板書するタイプの大学の授業はそれほど多くありません。

中にはレジュメも板書もなく90分話し続ける授業もありました。
大学の授業は、1つ1つ内容を丁寧に記録していては教授の話すスピードにとても追いつけないのです。

今振り返ると当然のことなのですが、高校とは質と量が圧倒的に違うのだなあと実感しました。

 

話を戻します。

書くことに追いつけなくなって、記録が難しくなるとノート記入よりも聞く方に重きを置くようになりました。

聞いているだけだと、とりあえずは授業についていけるのですが、今度は授業の内容をしっかり振り返ることができません。

授業は1日に何コマもありますし、仮にちゃんと聞いていても授業の内容全てを記憶することはできないからです。

となると、学習効果を高めていくためにはノートの活用がやはり必要不可欠だと考えます。

詳しくはここからご紹介しますが、本稿では上記のような問題意識のもと大学生の皆さんに

社会人になってからも役立つノート活用術

をご紹介します!

 

 

ノート活用はなぜ大切なのか

さて、ノート活用術の具体的な方法に入っていく前に、そもそもなぜノートを活用していくのが大切なのか考えていきましょう。

※ノートは一般的なB5サイズだけでなく、小さなメモ帳なども含みます。

ノート

 

筆者は、ノートを活用することの意義は3点あると考えています。

①学習の記録がつけられる
これは改めて確認するまでもないかもしれません。

しかしノート活用の最大の意義は、やはり学んだこと・学んでいることを文字・図・グラフに残せることです。

冒頭でも述べた通り、学んだことや大事なことを後から振り返ってすぐに全て思い出せるほど、人間の記憶力は完璧ではありません。

だからこそ、後々も忘れたくないことを記録することで学んだことを着実に積み上げることが出来るのです。

 

 

②思考の整理に役立つ

学んだことというのは頭の中だけで思い描いているとこんがらがってしまったり、知識の整理ができないことがあります。

頭の中で断片的になっている知識でも、いったんノートに書きだしてみれば漠然としていた内容に1つ1つの因果関係や、知識の関連性が見えてくることがあるのです。

ノートの活用は、単に学んだことを忘れないようにするだけでなく、学んだことを把握し、自分の理解度を客観的に測ることにつながると言えるでしょう。

 

 

③社会人になってからも必要な力を培うことができる

これまでインターンシップや教育実習を経験した際に「ノート活用」の大切さを身にしみて感じました。

実際の職場では、上司や先輩から教えてもらう仕事内容や、業務連絡などの大切な情報も、いちいち紙にプリントせず、ほとんど口頭によって伝えられます。

まれに仕事内容を丁寧にマニュアルにしてもらう場合もありますが、刻一刻と変わる状況の中ではマニュアルで対応しきれない時が必ずやってきます。

そうした時いかに上司や先輩の最小限の説明で、最大限の理解ができるようになるか。
その手助けとなるのがノート術なのです。

 

 

具体的な活用術

それでは、具体的な活用方法をご紹介したいと思います。

大学生の皆さんを対象に書いているので、授業にも応用できるノート活用法を考えていきましょう。

カテゴリー化する

基本的な部分からで恐縮ですが、1つ1つ確認していきます。

結論から述べると、ノートに記録していく中で最も大切なことは、振り返りやすさであると考えています。

受験生の頃を思い出してみましょう。皆さんがどのように勉強をしてきたのかはわかりませんが、きっとこれまでに一度は、ノートを用いたことありますよね。

そこで一つ質問させてください。ノート作りって何のためにしていましたか?

・復習で使うため
・勉強したことを忘れないようにするため
・問題演習を行い、自分の苦手な部分を具体的にするため

などなど、色々な意見があると思います。ですが、どれにも共通する目的は

学んだことを自分の中に定着させることですよね。

となると、学習の記録であるノートを何度も何度も見返して定着させるには、振り返りやすさがなければなりません。

しかし、振り返るために授業の内容を一つ一つノートに記していたら書くことばかりに意識がとられてしまいます。

「聞くことにもしっかり意識を傾けながら、ノートには必要不可欠な情報を残しておきたい」

そう強く思いました。

そんな想いを可能にしてくれたのが、カテゴリー化です。

例えば、パソコンに写真を取り込み、だんだん数が多くなってきたら「学祭」「卒業式」といったフォルダーをつくってまとめますよね。簡単にいえばあれと同じことをノートにも利用するのです。

実例を見てみましょう。(汚い字でお恥ずかしいのですが)

ノート

これは、実際に筆者が大学の授業で教授の話をカテゴリー化してみたノートです。

やってみるとわかるのですが、教授の話を細かく細かくメモをするよりも、こうした全体図を描く方が伝え手である教授が何を言いたかったのかが見やすくなります。

「授業の全体図を視覚化する」とも言い換えられるでしょうか。
(もちろん、これに加えて必要なことを残したいときには余白にメモを残します。)

こうした全体図を作ることができれば授業でわからないことがあった時、授業後に「先生、どうしてここでこの話を入れてきたのですか?」

と、具体的な質問をすることができます。

さらに、授業が終わってから以下のようにまとめなおすことも可能です。

のーと

このノートは、授業の後に教授の本で該当する部分や、図書館で参考文献を読みながら書きました。

復習ノートをきちんと作れれば、そのノートをもって次の授業で聞くことができるようになります。

つまり、わからないところを質問する癖を日頃から鍛えておくこともできるのです。

日ごろからこうしたことを意識しておけば、後々研究を分析する際にも必要になる「これはどうしてこう言ってるのだろう?」という追究力につなげられるのではないでしょうか。

 

 

キーワードだけを拾う場合

大学に入学してから特に多くなったのが、

・とっさにメモしなければいけない
・机と椅子がなくても、ノートをとらなければならない

ような状況です。

メモ

 

先述したように、仕事の場面でとっさに先輩に教えてもらうことを、立ったままメモする状況や、「あっこれ覚えておかなければ」と思った時に記録しておかなければいけない状況は、今後必ず増えてくると思います。

大学の講義室のように、椅子と机がしっかり設置されている場所ならこちらもフル装備で書くことに集中できるのですが、立ったままのような状況になるとなかなかそうもいきません。

そうなるとどうするか。カテゴリーの話と少しかぶりますが、最低限話のキーワードをおさえることが必要になります。

具体的な実例を見てみましょう。

たとえば、以下のような話を聞いたとき、皆さんだったら何をメモしますか?

今後の予定について連絡します。
今日一日の就業報告レポートをA4サイズ2枚以内でまとめてください。レポートの内容は単に「あれがあったこれがあった」という時系列の報告ではなく、今日朝8時から17時までの間にいろいろなことを経験したはずですから、そこからいったい何を学んだのか。それを今後にどう活かしたいかまでしっかり分析した内容になることを求めます。期限は12月15日までとします。

いかがでしょうか。

これはまさに私がインターンシップの時に受けた指示を再現したものです。この時の指示は以下のようにメモしました。(私しか読めない字なので、ペイントで再現しました)

メモ

簡単な例で紹介しましたが、ポイントをしっかりつかむことができれば、きちんと大事な情報を絞って残すこことができます。

こうした力は大学の文献購読をする授業・ゼミで報告者を担当する時にも役立ちます。

文系の方であれば、報告する際には文献のレジュメを作成しますよね。

こうした作業で求められるのは、文献に書かれている数多くある情報から適切に情報を取捨選択し、記録できるかどうかです。

つまり、ちょっとしたメモにおいても、そして勉強においても

「きちんと情報を整理し、分析する力」

があってこそ、後で振り返りやすい記録にすることができるのではないでしょうか。

 

 

 

まとめ~ノートは未来の自分へのプレゼント~

本稿の最初でノートに大切なのは「振り返りやすさ」であるとお伝えしました。

ノート活用において大切なのは、話や説明を聞いたときにきちんと情報を整理し、分析する力なのです。

ここまで述べてきたように、振り返りやすい記録とするためにはこの力が必要だからです。

こうした力は社会人になってからもとても役立ちます。会社や仕事で何かトラブルがあった時には

・何が起こっているのか
・どう解決すればよいか

ということを考えなければなりません。

そうなると、色々ある情報を一度整理し、分析することが必要になります。

ノートを活用するというのはこうした力を身に着ける訓練になる、ということですね。

ノート活用の意義については以上です。

最後に私の好きな言葉を皆さんにお送りします。

その言葉とは、「ノートは未来の自分へのプレゼント」です。

本稿で述べた通り、学んだことを自分に定着させたいと思うのであれば、自分でも読めないような字で書いたり、振り返りにくく書いたりはしませんよね。

未来の自分はどんなノートを受け取れば喜ぶでしょうか?

そんなことを考えながら書くとノート活用がより楽しくなると思います。

長くなりましたが本稿は以上です。ここまで長文お読みくださりありがとうございました!

 

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