【冬期講習】受験まで残りわずか!生徒の苦手・弱点部分を克服する3ステップ
2021/12/17
はじめに
2015年も残すところわずかとなり、いよいよ大学受験が近づいてきました。
この時期になると、テキストを用いた講義も終わってくる頃でしょうか。集団指導であれば入試直前対策講座を開講したり、個別指導であれば過去問演習に入ったりする時期かもしれません。
残り期間も生徒の成績アップのために全力を尽くしていきましょう。
さて、学習範囲を一通り終え、受験までの残り期間で徹底していかなければならないこととは何でしょうか。
結論から述べると、筆者は苦手分野を克服することであると考えます。
生徒が目標とする志望校の合格点に滑り込むためには、得意な部分はもちろん、苦手な部分での失点を最大限抑えることが必要になるからです。
以前、筆者は「【夏は受験の天王山】講習中におさえるべし!苦手・弱点克服への道。」という記事で、夏期講習の間でいかに苦手・弱点を克服するかをご紹介しました。
この記事では主に、
- 苦手・弱点分野を夏休みの間になぜ克服しなければならないのか?
- 弱点を見つける方法
- 弱点を分析する方法
についてお伝えしました。
この記事では主に、受験生が意識したいことを中心に述べましたが、
講師の目線に立って具体的にどう指導すれば良いのか?ということまでは言及できませんでした。
よって、本稿では、冬期講習~入試直前期までの期間で
生徒の苦手・弱点を克服するために講師ができること
をご紹介していきます!
目次
☆生徒の弱点を発見しよう
☆必要な時間と生まれる成果とは?
☆ピッタリなテキスト・参考書を選ぶ3つの秘訣
生徒の弱点の発見
まず、私たち講師が確認しなければならないことは、生徒の苦手・弱点を発見することです。
成績が伸び悩む生徒は、自分の苦手な部分を放置し、そしてそれがなぜ苦手なのかをきっちり分析できていないケースが多いです。
むしろ分析できていないからこそ苦手と言えるのかもしれません。
なので、まずは講師目線で生徒がどこからつまずいているのかを発見してあげましょう。
これも前記事のおさらいになってしまいますが、弱点の原因には大まかに以下の3点があります。
(1)知識:そもそも知識に抜け落ちている部分がある
(2)理解:知識や言葉そのものは覚えているが、そのつながりや因果関係がつかめていない
(3)解法:知識・理解の基本的な部分はクリアしているが、それを応用して問題に答える力がない
(2)理解:知識や言葉そのものは覚えているが、そのつながりや因果関係がつかめていない
(3)解法:知識・理解の基本的な部分はクリアしているが、それを応用して問題に答える力がない
例えば何かの問題で生徒がつまずいてしまった時、「これはね、このように解けばよいんだよ」
と解法だけを説明して終わってしまうこと、よくあると思うんですね。私自身もそうでした。
しかし、生徒がつまずいてしまうときというのは、根本的なところに課題を持つ場合があるものです。
経験上、生徒の理解度を(3)解法→(2)理解→(1)知識とさかのぼると、入り口である知識の部分から抜け落ちていることが多かったように思います。
(1)知識につまずきがあれば、たとえ試験までの期間が残り少なくとも、積み上げなおす作業が必要になります。
おおげさな例えになってしまうのですが、足し算の理屈がわからないまま掛け算を理解することはできなのと同じ原理だと言えるでしょう。
以上の事をふまえ、冬期講習や直前講座では問題演習に加え、生徒がどこからつまずいているかをしっかり見極めていくようにしましょう。
かかる時間と成果を考える
「積み上げなおす作業が必要」と述べたばかりですが、現実的な問題として残りの時間は限られています。
生徒によって個人差はありますが、苦手なところすべてを一から積みなおす時間はないですよね。
それゆえ、苦手・弱点克服に時間をかける以上は、
その学習にかかる労力と見合う効果が得られるものを優先してほしいのです。
具体化してお話しします。
例えば、古文単語や古文常識を知識として持ってはいるけれど、文法が苦手であまり得点が伸びない生徒がいたとしましょう。
こうした生徒であれば、古典文法をしっかり定着させれば古文の点数を飛躍的に伸ばす可能性が見込めますよね。
つまり、苦手・弱点克服に時間がかかる分、得点につなげられる効果が得られる(見込みがある)と言えるでしょう。
逆に、それを頑張って克服してもあまり得点につながらない場合があります。
例えばセンター試験の現代文では、ほぼ毎年漢字問題が出題されています。
国公立2次試験は理系科目のみで、センター試験でのみ国語を利用する生徒に、漢字学習に難時間も割く必要はないですよね。
センター試験で獲得できるのは、多くても 10/200点 だからです。
そして、例のような生徒は数学や理科系の科目などの専門分野の勉強時間を確保する必要もありますよね。
ゆえに勉強のバランスも考えて勉強しなければならないのです。
繰り返しになってしまいますが、残りの時間は限られています。
苦手・弱点の克服は、前述のとおり想像以上に時間がかかりますから、
やる以上は古文の例のように高い成果を見込めるものから取り組みましょう。
テキスト・参考書・問題集の選び方
さて、苦手・弱点克服に向けた具体的な取り組みは、テキスト・参考書・問題集などを活用することになりるはずです。
生徒が効率的に学習を進めるために何を気をつければよいか考えていきましょう。
①評判を過信せず、生徒との相性が良いものを選ぶ
皆さんも受験時代耳にしたことがあると思いますが、市販されている参考書・問題集には、評判がつきものです。
もちろん、学習者によって「簡単すぎる」もしくは「難しすぎる」と評価が分かれるのは確かでしょう。
それに加えて生徒一人ひとりの個人差があるため、「これをやれば必ず合格できる」という絶対的な問題集はないと思います。
成績を上げるための手段として最も効果が期待でき、生徒がレベルを上げるのにちょうど良い問題集・テキスト・参考書を選んであげましょう。
もしくはオリジナルの教材を授業で扱っても良いですね。
②学習目的を明確にすること
これは受験直前に限りませんが、苦手・弱点克服に取り組む以上は
「その勉強をすることで何を得ようとしているのか」という目的を明確にして指導しましょう。
Ex.目的:日本史の200字以内の論述問題が苦手→国公立論述問題を集めた問題集を作成or利用
というように、皆さんの受験時代の経験を用いて、できる限りニーズに応えたものを選べると思います。
生徒のレベルアップに必要な問題集を用いる、もしくは講師によるオリジナルの問題集を作っても良いと思います。
ちなみに、生徒が学習参考書を使用する目的は基本的に以下のようなものになると思います。
今後おそらく聞かれることになるのでこれを参考に、あらかじめリストアップしておくと良いかもしれません。
・知識の蓄積に課題が残っている生徒
→知識の暗記を確実にできるもの Ex.単語集
→知識の暗記を確実にできるもの Ex.単語集
・学んだ知識の蓄積はあるが、使いこなすことに自信がない生徒
→知識をアウトプットできるもの Ex.基本用語問題集
→知識をアウトプットできるもの Ex.基本用語問題集
・ひと通り学習範囲を終えたけど全体的な定着が薄い生徒
→重要なポイントを総整理できるもの Ex.要点総整理問題集
→重要なポイントを総整理できるもの Ex.要点総整理問題集
・知識・理解まではものにしているが、応用力に課題がある生徒
→問題の解法を確認しつつ演習できるもの Ex.応用問題集
→問題の解法を確認しつつ演習できるもの Ex.応用問題集
・入試の出題傾向に慣れたい生徒
→入試の出題傾向分析 Ex.過去問
→入試の出題傾向分析 Ex.過去問
などなど。
おそらく塾講師を務めている皆さんはこうした情報にも詳しいと思うのでぜひ考えてみてください。
具体的に考えておくと、いざというとき役に立つはずです。
③現実的に消化できる適度な分量
何度も繰り返してしまい恐縮ですが、入試まで残り時間は限られています。
苦手ではない科目とのバランスを保つためにも、入試までにやり切れるかつ何回か見直して定着できる分量にしてあげましょう。
「入試までにこの問題集を終わらせることができなかった」
こうした思いは生徒が培ってきた受験勉強に自信を持てなくなる可能性があるからです。
まとめ
ここまで、入試直前のこの時期いかに苦手・弱点を克服していくかをご紹介してきました。
最後に本稿のポイントをまとめます。
①苦手・弱点は深く掘り下げる
前述したとおり、生徒がつまずいている分野というのは、解法だけでなく、根本的なところを理解できていない傾向があります。
生徒がこの問題を本質的に理解するにはどこまでさかのぼるべきなのか?
そうしたことを考えながら指導するとより効果が大きくなるはずです。
試験が近くなっても、勉強の本質は変わりません。最後の最後まで使いこなせる基礎力を磨いていきましょう。
②時間と成果の割合を考える
出来れば、教える以上、その科目はしっかりできるようにしたい、というのが塾講師の皆さんの願いであり、仕事であると思います。
しかし、本論で述べたように残された時間はそれほど多くありません。
であるのなら、生徒が狙う大学の試験の傾向等に即して効果の大きそうな分野から優先順位をつけていくようにしましょう。
③生徒の実態に合わせた教材選び
苦手・弱点克服の手段となるのが、問題集・テキストなどの教材です。
本論でカテゴリーをご紹介しましたが、それぞれの教材には対象となるレベルや目的がありますよね。
生徒の苦手・弱点を発見し、それにかかる時間とそれに伴う成果が得られる教材を選びましょう。
今後、生徒の中には「もっと問題を解きたい」「ここが苦手だから何とかしたい」「出題傾向に慣れたい」
様々な相談が来ると思います。そうした生徒に本当に必要なものは何なのか。
それを考える材料として、教材選びもお伝えしました。
冒頭でも述べた通りここからの勉強は得意な分野でなく、苦手な部分の克服も大切な課題です。
苦手克服を通して、生徒が最後の最後まで合格に向けて頑張れるよう講師の皆さんにサポートしてほしい。
そうした思いから本稿を執筆しました。
長くなりましたが以上です。ここまでお読み下さりありがとうございました。