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「まぜるな危険」の仕組みをわかりやすく説明します。

高校生

2021/12/17

 「まぜるな危険」は本当に危険!

混ぜるな危険

お風呂やトイレの洗剤には”まぜるな危険”と書かれてあります。

 


なかなか落ちない汚れに、色んな洗剤を使って磨いてみる…実はとっても危険です。

その理由を化学的に説明してみましょう!!

 

弱酸の遊離&酸化還元反応

説明に必要な基本を確認しましょう!

 

範囲は無機化学です。

 

弱酸の遊離

 

・弱酸の塩に強酸を加えると,強酸がイオン化しやすいため強酸の塩ができて,弱酸が遊離する。

・弱塩基の塩に強塩基を加えると,強塩基がイオン化しやすいため強塩基の塩ができて弱塩基が遊離する。

 

以下のような反応が試験によく出ます。気体発生の反応原理のひとつとして覚えましょう!

酸化還元反応

 

酸化:電子を失う反応

還元:電子を得る反応

酸化反応と還元反応は必ず同時に起こる!

 

 

 

酸素Oや水素Hの授受として説明する場合もありますが、電子の授受として覚える方が応用が効きます。

 

 

まずは反応する相手の物質を酸化させる(電子を奪う)「酸化剤」、還元させる(電子を与える)「還元剤」それぞれのイオン半反応式を覚えて、お互いの電子の数を合わせて反応式を作ります。

このとき酸化剤は電子を奪うO₂、還元剤は電子を与えるMgとなります。

 

では、洗剤を混ぜるとどのような反応が起こるのでしょうか...?

 

危険な塩素ガス

混ぜるな危険の正体は、

 

混ぜると塩素ガスが発生する可能性があります!!

 

 

 という意味です。

 

 

 

塩素ガスは黄緑色の有毒な気体です。

 

塩素を吸い込むと、まず呼吸器が傷つき、重大な場合には、呼吸不全によって死に至ってしまいます。

 

また、塩素はその強い毒性により、人類初の本格的化学兵器にも使われました。

 

 

もし、掃除をしている時に、黄緑色の気体が発生してしまったら、すぐに換気扇を回して避難しましょう。

 

次亜塩素酸ナトリウム+強酸性物質→塩素ガス



次亜塩素酸ナトリウム


たとえば、洗濯やキッチン、ほ乳ビンに使用する殺菌剤などに含まれています。

 

 

酸化作用、漂白作用、殺菌作用を持っています。プールの臭いは次亜塩素酸ナトリウムの臭いです。


強酸性物質


トイレ用の洗剤などに含まれる塩酸など

 

 

この2つが反応して塩素ガスが発生します。

 

反応式

 

弱酸の遊離反応

 

酸化還元反応

次亜塩素酸が酸化剤として働くときのイオン反応式はマイナーですが、過去に名大で出題されています。

 

 

これで塩素が発生する仕組みが分かりました。

 

 

「混ぜるな危険」では、絶対に混ぜないで下さいね!

 

 

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