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稼げるプロ講師になるために、20代のうちに考えるべき10のこと【キャリアコラム#4】

稼げるプロ講師になるために、20代のうちに考えるべき10のこと

はじめまして。物理・数学科講師の池末翔太と申します。

これから定期的に「プロ講師」を目指す方にむけての記事を提供させていただこうと思っております。

今回は、主に20代の若手講師の皆さんにむけて「稼げるプロ講師になるために、20代のうちに考えるべき10のこと」というテーマでお話させていただきます。

この記事をご覧になっている方の多くは今現在、講師として塾・予備校に勤務されている方や、将来「プロ講師」を目指している方でしょうか。

特に20代という若さでこの記事にたどり着くということは相当な覚悟と意思がお有りの方だと思います。

世阿弥が残した能の技術書として有名な「風姿花伝」には、20代における魅力は「時分の花(一時的な魅力)」であり本当の魅力ではない、「まことの花(本当の魅力)」は30代となって評価されるのものだと著されています。

20代の武器の1つは「若さ」です。「若さ」とはそれだけで非常に強力な武器なのですが、それに頼りきっていると、30代に突入すると一気に実力や人気は下がっていく一方です。

30代からは「若さ」とは別の魅力で勝負していく必要があります。

では、30代になったとたん埋もれない講師になるには20代のうちに何に気をつければいいのかを10項目に絞ってご紹介していきます。


 いけすえ しょうた

予備校で物理・数学を教えるプロ講師。大学在学中にブログを開設。出版社の目にとまり、そのまま書籍化を実現。他にも、勉強法・受験メンタル・物理・数学などに関する書籍を計6冊を出版しており、若くして講師職以外にも活躍の場を広げている。生徒目線で「自分の授業を受けたいと思うか?知的好奇心が満たされるか?」を常に考えた授業スタイル。


目次
1.20代のうちに批判されまくる
2.頼まれた授業はとりあえず断らない
3.コピー機の機能を全て把握する
4.理想講師のモデリングをしておく
5.謙虚さを忘れない
6.自分の「字」のフォントをつくる
7.自分の「授業」を撮って見る
8.20代でプロ講師を目指している仲間を見つける
9.30代で活躍しているプロ講師たちの中に飛び込む
10.何も持たずに授業できるようにしておく

1.20代のうちに批判されまくる

批判されるということは、中々に辛いことであります。それこそ「鋼のメンタル」でも持っていない限り、そのような声にはめげてしまうときもあるかもしれません。

しかし、今後「プロ講師」としての道を歩んでいく場合、「批判の声」はいつでも浴びることになるでしょう。

特に「将来、有名講師になりたい」「いつか参考書を執筆したい」「メディアにも露出したい」などの欲を持っているならなおさらです。

ただ、ここで言いたいのは「批判されることに慣れよう」ということではありません。「批判されている内容に着目しよう」ということなのです。

なぜなら「批判される内容」はそれすなわち「あなたの強み」と同じだからです。

他人から批判されるということは、「他人にはない部分」をあなたがもっているからです。

例えば「〇〇先生は基礎的なことばかり教えている」という批判は言い換えれば「基礎的なことをじっくり重点的にしっかり教える授業をしている」ということでもあります。

特に20代のうちに頭角を現す講師は多くの批判の声を受けますが、1つ1つ内容を精査し、自身の魅力の発見に繋げてみてはいかがでしょう。

2.頼まれた授業はとりあえず断らない 

20代の頃はとかく「質よりも量」をこなすことが肝要だと思います。

つまり何でもいいので「経験値」を増やす時期でもあります。

頼まれた仕事はいったんは断らずやってみたほうが今後に役立つと思います。

私自身の経験でいうと、今は高校生を対象に物理と数学を中心に教えていますが、大学生の時分は小学生、中学生にも教えることもありましたし、科目も理数系に限らず「英語、社会、国語」も教えていました。

そのようなあえて「仕事を選ばず」経験を積むことで見えるものもあります。

もちろん、失敗することもありますが、それでいいのです。思いっきり失敗してよいというのも「若手」の特権と言えるでしょう。

経験したことが成功(プラス)でも失敗(マイナス)でも「経験の絶対値」は同じなのです。

3.コピー機の機能を全て把握する

コピーを丁寧に取る人で仕事ができない人は見たことありません。

逆に雑にコピーを取る人は他の仕事もだいたい雑です。

講師はプリントを配布したりとおそらく他の業種に比べてもコピーを取る機会は多いと思います。

コピー機の使い方を把握していますか?

「両面コピーはどうとるのか、その向きは?」「自動で原稿をコピーするにはどうすればいいのか」「スキャンはできるか」「コピーしたとき黒い線が入ってるときはどこを掃除すればよいか」「紙がつまったらどうするか」「何倍に拡大コピーしたら見やすくなるか」など様々な使用方法があります。

20代のうちにコピー機の使用方法をマスターしておくと今後のプリント作成時に必ず役立ちます。

授業が終わったあと教室に残りコピー機の使用方法を一度じっくり確認しておくとよいでしょう。

私自身、18歳で初めて講師として勤務した塾で毎回授業終わりにコピー機で遊んで使い方をマスターしました。

4.理想講師のモデリングをしておく

20代で塾・予備校業界に興味がある方の中には、受験生の頃に「理想とする憧れの講師」に出会い、自身もその道を志したという方がいらっしゃると思います。

そのような出会いを経験されている方は非常に恵まれていると思います。

20代のうちはその「理想講師」のモデリングをしましょう。

モデリングとは徹底的に真似るということ、その講師の教え方などを真似ていいのです。

教え方を真似るのは全然許されます(特に若い頃は)。

そもそも「学ぶ」とは「真似ぶ」ということ。

教育のプロセスは「教えて、真似て」を絶えず繰り返す連鎖律なのです。

あなただけの「理想講師」がいるだけで自信になります。

「自分はあの先生に習っていたんだから、この業界でもやっていける」と思えるのです。

実力のある先生に習っていたという生徒のときの経験が、自信につながるのです。

先生になってから自信がつくのではなく、生徒だったから自信がつくのです。


5.謙虚さを忘れない

先生と生徒、教える方と教わる方という関係が教室内には生じます。だからでしょうか、横柄な態度で指導している講師もいます。

しかし、総じてそのほとんどは実力のない方ばかりです。

腰を低くするとなめられないかと不安になるから態度が横柄になる、つまり端的に言えば実力不足なのです。

ベテランで実力のある先生ほど誰に対しても謙虚で誠実です。

偉ぶる姿を見せなくても、実力があることは周知だし、リスペクトされています。

先生と生徒だから、勤務年数が上だから、などという理由で横柄になるのは「危険な講師」です。

あなたと生徒や職場の同僚はみな対等です。同じ教室、同じ職場で知恵や時間を共有していくという関係です。

優秀な講師は、年下の講師や生徒からも学ぶことができるのです。

6.自分の「字」のフォントをつくる

板書、これは講師の「商品」の1つでしょう。

これだけ様々な教育ツールがデジタル化していく中でまだ板書という文化が残っているのは「書くという行為」そのものが非常に重要だからです。

もちろん「書く」だけでは不十分ですが、まず入り口として板書をとるというプロセスは省けないのです。

当然、板書の内容も大事ですが、それ以前に「あなたの字」がどのようなフォント・デザインかによって生徒のモチベーションはだいぶ変わります。

生徒からみてどのように映るか、見やすい字か、ノートに写したいと思える字かというのは大事です。

クセ字でもいいのです。あなたらしさが出ている字になっているかがポイントなのです。

7.自分の「授業」を撮って見る

講師をやっているとつい「講師目線」でしか見れなくなる場合があります。

定期的に自分の授業が「生徒目線」でどう見えているのかを客観的に研究する必要があります。

一番簡単なのは、自分の授業を録画しそれを繰り返しみることです。

すると授業しているときには気付けなかった自分の欠点を洗い出すことが可能になります。

「自分の手や体の動き」「声の調子、大きさ」など「生徒目線」でチェックすることで、その後の授業改善に活きてきます。

8.20代でプロ講師を目指している仲間を見つける

プロ講師を将来目指してるのであれば、プロ講師を志す仲間をつくることは大事です。

そうすることで、塾・予備校業界の情報を共有することもできますし、仕事を紹介しあえる関係にも発展することがあります。

意外かもしれませんが、塾・予備校業界は広いようで実は狭いです。

有名で実力のある講師は、有名で実力のある講師と友人であることが多いのです。

そのような関係を20代で作っておくと非常に良いでしょう。

9.30代で活躍しているプロ講師たちの中に飛び込む

とはいえ20代でプロ講師を目指している仲間の中にいるだけでは中々「飛び抜けた講師」にはなれません。

「飛び抜けた講師」になるために、最もシンプルで効果的なのはすでにガンガン活躍している30代プロ講師の集団に自ら飛び込んでみることです。

最初は非常に居心地が悪いかもしれません。自分だけがレベルが低く感じ、劣等感も抱くかもしれません。

しかし、それを半年くらい続けると徐々にそれが「当たり前」になっていきます。

自分のなかでの「講師としての当たり前のレベル」が上がっていることにいずれ気がつくでしょう。

活躍するプロ講師たちのなかに行くことで、そのプロ講師たちに自分の「当たり前レベル」を引っ張り上げてもらっているのです。

10.何も持たずに授業できるようにしておく

授業をする際、テキストやプリントをあからさまに読みながら板書をしたりしていると興ざめですし、生徒にも「それ読まなきゃ板書できないの?」と思われます。

問題解説の際に問題文を読んだりするのは仕方ないですが、基本事項の説明などはできるだけ何も見ずに板書や説明ができる状態にしておくとよいでしょう。

板書するペンやチョークと、頭だけがあれば授業ができるという講師にこそ生徒はついてくるのです。

20代のうちは少なくともその日に行う授業内容はすべて空で言える状態にし授業に臨むことを訓練しておくと、30代になったときすべての授業内容が何も見ずに言えるようになります。




いかがでしたでしょうか。

稼げるプロ講師になるために、20代のうちに考えるべき10のこと」というテーマでしたが琴線に触れる内容はありましたか。

もちろんプロ講師としてやっていくのに必要なことはこれだけではないですし、なにより私自身32歳でいまだ講師として道半ばであります。

講師としてのゴールなどまだ見えないですし、そもそもゴールがあるのかすらわかりません。

ただ、私自身の経験や関わってきた講師たちの姿から20代で重要だと思うことをご紹介させていただきました。参考になれば幸いです。


では、また別の記事でお会いいたしましょう。

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