教科特化型か、複数教科対応型か 〜塾講師・家庭教師だけで生計を立てる〜
こんにちは。塾講師歴はや33年のベテラン講師、平山(♀)です!
本日は、これからきっと塾講師・家庭教師という仕事と切っても切れない人生を送っていくだろうと予感している若手の読者の皆様に、この業界で安定して生計を立てて行くためのとても重要なポイントについてお話ししたいと思います。
おそらく、この点について明確な解を持ってそれを示してくれるような先輩方はゼロに近いのではないか、と思います。何故なら、私がこれまで割と長く生きてきた中でそんな記事やブログは一度も見たことがなかったからです。
したがって、自画自賛になりますが、結構貴重&希少な記事だと思います!
目次
・教科特化か、複数教科対応か
・私のこれまで
・前項より考えられる事
・結論を繰り返すと
強化特化か、複数教科対応か
さてさて、回りくどいのは嫌いなので、最初に結論から申し上げてしまいますが・・・
「生計を立てる」という目的が少しでもある方なら、100%複教科対応型が正解です。
いきなり言い切ってしまいましたが、以下で詳しくお話しします。
私のこれまで
私の場合ですが、順を追って担当教科について記載してみたいと思います。
●18-22歳(大学生)
英語の教職課程だったこともあり、塾も家庭教師も英語のみ(高受大受)
●23-27歳(新社会人)
英語の他に、大学受験で選択した国語と世界史(中受高受大受)
●28-30歳(若手社会人)
英語・国語・社会全部(日本史、世界史、地理、現社、倫理、政経)+中受算数理科
●31-35歳(中堅社会人)
英語・国語・社会全部・中受算数理科・高受算数理科
●36-40歳(セミプロ)
英語・国語・社会全部・中受算数理科・高受算数理科・大受文系数学
●40歳- (プロ)
英語・国語・社会全部・中受算数理科・高受算数理科・大受文系数学・大受生物
40歳以降は、我ながらすごい事になっていますね・・・。
常に同じ教科を教え続けているわけではなく、年齢とともに指導強化もじわじわと増やし、今では、英語・国語・社会全部・中受算数理科・高受算数理科・大受文系数学・大受生物を教えるほどにもなりました。
教科特化型のメリットとデメリット
次に、教科を絞り込むことのメリットは以下だと考えます。
メリット
1、その強化については右に出るものがいないという安心感がある
2、その強化については高時給の設定をしてもらいやすい
一方で、デメリットは以下だと考えます。
デメリット
1、大学受験までは、それ以上の専門性を持っていても高校以上の内容を伝授する必要性がない
2、他の教科との兼ね合いを考えての合格への戦略が立てられない(提案できない)
3、特に家庭教師の場合、ご家庭は教科専門性より先生との相性を重視するため、他の教科も頼みたいと言われることが多いが、受けられない
4、担当出来るコマ数の母数が小さい(=1回の出勤で働ける時間数が激減する)
生業として考えた時に、この中で最も注目すべきは、デメリット4です。
複数教科対応型のメリットとデメリット
同様に、複数教科を担当する場合のメリットを考えていきます。
メリット
1、大学生以上であれば、自分が数年前まで勉強していた事なのであまり準備が要らない
2、他の教科との兼ね合いを考えての合格への戦略を立てて提案してあげられる(超喜ばれる!)
3、勉強のプロとしての自分の勉強に対する幅や深みを持たせられ、知識のバランスも良くなる
4、特に家庭教師の場合、ご家庭に気に入ってさえもらえれば全教科受注できる
5、塾講師にしても、一旦出勤したら平気で4-5コマ担当できる(=1回の出勤で8時間稼働も可能)
デメリットはいかがでしょう。
デメリット
1、持ち歩く教材が増えるので重い!
2、そこまでの専門性が必要ないとは言え、特化型の先生より知識量は劣る
特化型の先生よりも知識量や経験数は劣ってしまいますが、大事なことは「指導力」であり「専門性」ではないと思っています。あるに越したことはないですが、指導力>専門性であると私は考えています。ただ、これは特化型でも複数対応でも同じことが言えますね。
前項より考えられる事
メリットの数だけ見ても複教科対応型で決まりなのは一目瞭然ですね。塾講師に限らず、当然受注件数が多い方が総所得が上がる傾向にあるわけであって、
1教科が単純に5教科になると普通に考えて収入も(もちろん働くコマ数も)5倍
になるのです。
また、これは長年の経験の中で数々の保護者との対話で身にしみている事ですが、ご家庭が任せたい先生というのは情熱的にその教科の魅力について語る専門家ではなく、
「勉強の仕方や進路の選択について的確かつ親身にアドバイスをしてくれる、指導力のある伴奏者」
なのです。
そういう意味では、全く知識がないのは考えものであるけれども、少なくとも「一緒に真剣に取り組んでくれる」という要素さえ持っていれば、教科について多少間違える事があったり、欠けている知識があったとしても全く問題ではありません。
それどころか、専門家は「なぜこんなこともわからないのか」と思ってしまう事が多いですが、私のように元々専門外の教科で苦労した経験がある人は、「そうそう、この教科はこんなところが分かりずらいんだよね、先生も苦手だったよ。こんな風に工夫したらどうかな?」と共感してあげられるので、生徒側も劣等感を感じる必要がなく、とてもリラックスして苦手教科に取り組むことが出来るのです。
その証拠に、私の場合は自分から教科数を増やそうと思ったのではないのですが、担当していた生徒さんの保護者から、「XXの先生に別途お願いをしているが合わなくて、どうしても先生に見て頂きたい、専門でなくても全然良いので」というリクエストを受けた事が毎回新たな担当教科を追加して来たきっかけです。
結論を繰り返すと
ではでは、長くなりましたが結論をもう一度述べて本日は終わりにしたいと思います。
- 長く塾業界で食べて行くのなら絶対に複教科に対応すべし!
- 塾講師・家庭教師の腕前は教科の専門性ではなくトータルの指導力である!
人によって様々な考え方があることは承知の上ですが、私はこうしてここまでのキャリアを築いてきていますので、みなさまの参考になれば幸いです!
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