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【講師から生徒へ】受験まであと9ヶ月!春の過ごし方【キャリアコラム#79】

こんにちは!

1日10コマ以上を平気でこなす、体育会系ベテラン講師平山(♀)です。

冒頭から余談で大変申し訳ないですが、体育会系と書いたのには大きな理由があります。体力があるのは勿論ですが、勤務が兎角長くなりがちで、しかもほとんどの時間を立って講義する塾講師にとっては心地よい服装も大切だと私は考えています。

スーツが指定されている塾も多くありますが、2-3コマで帰るならまだしも、朝から大学受験準備生を指導し、夕方の中学受験生を経てまた大学受験生の指導で深夜まで勤務するプロ講師の場合、汗をかく量も半端ないです。またホワイトボードに袖が接して字消しと化し、数日着用すればクリーニング行き、というのも大袈裟ではなく。

見ている方も暑苦しいだろうし、夏場はちょっと香ばしい時もあるし、何より身動きが取りにくいので、あまり職種に合わないスタイルだなあ、と個人的には思っています。

したがって、塾選びの際は「服装自由」の塾や予備校を選び続けてきた私なのですが、職業病なのか個人の性質の問題なのかは置いておいて、頭の中は勉強のことでいっぱいで「おしゃれをする」事には極めて無頓着なので、とにかく機能性だけを求めて常にポロシャツとスエットとスニーカーで通してきました。

学校の校内塾などで仕事をする時に、よく言われるのが「体育の先生ですか?」という言葉です。

そうですね・・・笛こそぶら下がっていないけれども、確かにそれ以外の何者でもありませんね!

、、、ということで自称体育会系ベテラン講師としております。

さてさて、今日の本題に参りましょう。

目次
はじめに 〜「春」は受験まで9ヶ月という時期〜
生徒側が見えていないこと
講師はどんな導きをするべきか
教科指導は障害物を全て明確に「見える化」した後で
今から9ヶ月の概ねのスケジュール感
まとめ


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はじめに 〜「春」は受験まで9ヶ月という時期〜

言葉通り、現在は逆算すると受験までおよそ9ヶ月という時期になります。

9ヶ月を長いと捉えるか短いと捉えるかは人や立場によると思いますが、受験業界で9ヶ月というと「短い」と捉える人の方が多いのではないかと思っています。

講師側で9ヶ月を「長い、余裕だ」と思う人はまずいないかと思いますが、案外生徒側では「まだまだもう少し余裕がありそうだ。本腰入れるのは夏休みで良いだろう」と考えている人はびっくりする程多いと、長年の経験上思います。

この双方の認識の違いがあるとすなわち熱量の違いに直結し、上手く二人三脚が出来ないので、今日は講師側からどういう働きかけをすればこの差分を埋めることができ、短い9ヶ月で最大限の結果を引き出す有意義なものとして過ごして行けるのかについて考えてみたいと思います。

生徒側が見えていないこと

さて、まずやらなくてはならないことは「生徒側が見えていないこと」を見える化してあげることです。

生徒側が見えていないことをピックアップしてみましょう。

  • 受験までに自分がやらなくてはならない、合格レベルに到達するために必要な教科別の作業
  • 自分が志望校に対して、どれだけの過不足があるのか。不足があるなら、それは何か
  • 必要な教科別の作業を逆算した場合、現在既に終わっていなければならないこと
  • 第一志望を逃した場合、自分がどれだけ打撃を受けるのか
  • 他の同級生の進捗や完成度

ではこれらについて、一つ一つ見ていきましょう。

受験までに自分がやらなくてはならない、合格レベルに到達するために必要な教科別の作業

中学受験であれば人生で初めての受験、大学受験だとしても過去に一度経験があるだけというのがほぼ全ての生徒に当てはまるので、生徒自身にとってはあまり「着地点」が見えていないことが多いと思います。

しかし「着地点」が見えなければ「そこの到達するための必要な作業を洗い出し、逆算して日々の課題を設定する」ことは出来ませんので、まずはこの「着地点」は何かを明示してあげる必要があります。

受験でいえばこの着地点は「志望校に合格した」という状態です。

したがって、その志望校の出題科目は何か、配点は何か、偏差値は、そして昨年度までの倍率は・・と、まずは必要条件を全て明確にする必要があります。

自分が志望校に対して、どれだけの過不足があるのか。不足があるなら、それは何か?

必要条件を全て明確にしたら、次に自分が出題科目の合格点を取るためにそれぞれの教科において現時点で足りないものがあるかどうかを一つ一つ洗い出します。

足りている、という人はあまり居ないかと思いますが、不足の場合も①何が②どれだけ③どのように不足しているのか、を具体的に見ていきます。

また、それに伴い、それぞれの作業はどれぐらいの期間(時間数)を充てればマスター出来るのかも見積もっておくと良いでしょう。

必要な教科別の作業を逆算した場合、現在既に終わっていなければならないこと

前項で必要な教科別の作業の逆算を終えたら、次にやるのは現在の立ち位置の明確化です。

着地点(=ゴール)が見えたら、スタート地点を見定める、ということです。

障害物競走のスタート地点に立っている、とイメージしてもらえばわかりやすいと思います。さあ、これからどうやって行く手を阻む数々の障害物(=足りていないものを克服するための勉強という作業)を乗り超えて行こうか、戦略を練る訳です。

その際、これから走っていく道の中に収まる障害物であればクリアするだけだから問題ないのですが、中にはスタート地点に立った時に既に乗り越えた状態(完全でなくとも、ある程度)でなければならないものもあります。

例えば、行きたい学校は偏差値70以上の難関校で入試で数学が入っているけれども、数学は苦手で全国模試でも偏差値40前後しか取れない・・・とします。

どう考えても残り9ヶ月で偏差値を30上げるのは無理があるでしょう。その場合、ではこの志望校だったら少なくとも数学で偏差値いくつ持っていれば入試までに70以上の偏差値を狙えるだろうか、と考えるのです。

このケースであれば、少なくとも現時点で65以上あれば、9ヶ月で偏差値5上げるのは無理がなさそうです。

あるいは、数学は現状維持で他の教科が現在既に70を超えているので、そちらでカバーする戦略を立てる、ということも出来る範囲です。

この「現在既に備えていなければいけない条件」を明確にすれば、無理な志望校を設定して撃沈する、なんてことも避けられますので、必ずやっておくべき作業だと思います。

第一志望を逃した場合、自分がどれだけ打撃を受けるのか

前項の作業とも関わってくることなのですが、自分が現在第一志望としている学校を受験して合格を逃した場合に、自分がどれだけ打撃を受けるのか(特にメンタルやモチベーション上)も想定しておいた方が良いです。

ただ憧れで「ここの学校に行きたい!」と思っていた学校がたまたま難関校だと、無計画に勉強して乗り越えるべき障害物も乗り越えないまま受験しても当然成功はしづらいと思うのです。

ただ、「もしかしたら運よく行けるかも?」と期待していると、思った以上に打撃を受けて相応校や押さえの学校に進学してもモチベーションが上がらず、その先の結果に悪影響を及ぼすこともあり得ます。

それであれば、例えば中学受験であれば今から9ヶ月の伸び代の範囲内で無理なく行ける中で最も行きたい学校を選ぶか、一番行きたいと思っていた難関校に何故行きたいのかを考え、それが例えば大学附属で楽に大学に行けるから、という理由だとしたら、その大学の指定校推薦がある自分のレベルに合った学校を調べて、そこで頑張って推薦を狙う、などの代替戦略を検討する方がモチベーションも保てますし、余程前向きでしょう。

その辺り、現在の立ち位置をよく見定めてからでないと判断が出来ないことですので、ここのプロセスは非常に重要です。

他の同級生の進捗や完成度

勉強は基本的には自分との戦いなので、「自分は自分!」というスタンスは大いに好ましいのですが、これは人よりも上位にいる場合にだけ言えることです。

学習量や必要作業の洗い出しが同級生に大分遅れをとっている状態で周りが見えないと、自分が良い結果を出せない確率が高いということに早めに気づくことが出来ず、取り返しのつかないことになってしまいます。

やはり、周りは今どんな立ち位置で、何をどれだけやっているのか、それと比較して自分は人並みか、それ以上か、それ以下か、と考え、学習時間を増やしたり取り組んでいる作業を見習ってやってみたりと、情報収集することも自分を客観的に見れるし、随時不足している点に気づくことが出来るので、大変重要だと思います。

だって、入試では更にもっともっと努力をしている他校の生徒たちも同じ場に受けにくるのですから、一人でも多くのライバルの出来具合を把握しておく方が、焦らずに済みますよね。

講師はどんな導きをするべきか

生徒側が見えていないことがわかったところで、今度は私たち講師がどんな導きをしてあげたら見えていないことが見えてきて、講師と生徒が同じ認識で目標に向かって進んでいけるのか、について述べたいと思います。

ズバリ言うと、前項で述べた「生徒側が見えていないこと」を順番に示してあげるだけ、なのですが、いかに本人を傷つけないように言うかとか、いかに保護者に悪く思われないように言うか等、特に若手のうちは悩んでしまうことと思います。若い頃は私もこの辺りをかなり気にしていた記憶があります。

しかしこの道34年のベテランから言わせてもらいますと、そこは全く配慮するポイントではない、ということ。

むしろ、いかにはっきりと現実を知らせ、共に考えて対策を立てて上げるのかが大切だと感じています。だって生徒の現状を一番よく把握しているのは(特に受験に関しては)親御さんでも学校の先生でもなく、塾の先生なのですから。

この「共に考えて対策を立てて上げる」をせずに「君にはここの学校は無理だ」と言ってしまっては、当然生徒や親御さんを傷つけ、時には怒らせてしまうだけでしょう。

しかしそうではなく、「限りなく希望に近い結果を得るために、お手伝いしますから一緒に考えましょう!まずは現状を客観的に分析して、必要な作業を相談しましょうね。」というスタンスでアドバイスをすれば、生徒側も冷静に考えられるし、何より手伝ってもらえるのならそんなに心強いものはない、と思ってくれるはずです。

教科指導は障害物を全て明確に「見える化」した後で

もちろん、私たちは担当教科を指導する塾講師であります。表向きのタスクは「教科指導」です。

しかし、特に進学塾では必ず「受験」がついてきます。その「受験」には必ず「結果」もついてきます。

講師側も合わせて、担当生徒のタスクの洗い出しを手伝って上げることで、より各々の状態やポテンシャルが把握出来るようになりますから、ただ淡々と予定した指導を進めるだけでなく、それらのタスクを埋めてあげられるようなポイント指導や課題出しをしていくことで、「より良い教科指導」につながると考えます。

今から9ヶ月の概ねのスケジュール感

それでは最後に、これから入試までの9ヶ月で一般的にやるべきことを書き出してみたいと思います。

  • 5月 志望校設定(暫定)・最初の全国模試受験
  • 6月 模試の結果を元に、現状と必要作業の洗い出し・各作業
  • 7月 2回目の模試・作業の効果測定・必要作業の追加修正
  • 8月 ひたすら必要作業を潰して行く
  • 9月 3回目の模試・作業の効果測定・必要作業の追加修正・各作業
  • 10月 ひたすら作業を潰して行く
  • 11月 4回目の模試・作業の効果測定・志望校設定(確定)・各作業
  • 12月 ひたすら作業を潰して行く・志望校の過去問演習と弱点補強
  • 1月 5回目の模試・作業の仕上げ・志望校の過去問演習と弱点補強

あくまで一般的な流れですが、ほとんどの場合はこれをベースに考えて頂ければOKです。

まとめ

以上、これから受験までの9ヶ月について必要なことを諸々述べてみました。

書いていて改めて「塾講師の仕事って深い!」としみじみ感じてしまいました。本当に、探せば生徒のためにやってあげられることは無限にあると思います。

でも、必死になって毎年自分のことのようにそれらを繰り返していくことで、みんなから頼られるベテラン塾講師として成長して行くのです。34年なんて、あっという間です。

これを読んで下さっている塾講師の皆さんも、この後9ヶ月、身体を壊さないようにして生徒達と共に全力疾走なさって下さい!

本日もご清読、誠にありがとうございました。

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塾講師ステーション情報局 編集部

記事執筆者:塾講師ステーション情報局 編集部

塾講師ステーション情報局上の記事の企画・執筆・編集をしています。
年100本以上の記事を執筆する有識者や塾バイト経験者をはじめとする、塾講師業界に関するエキスパート集団です。

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