こんにちは、講師の木村です。
塾にとって一番の「商品」である授業。その授業を提供する講師の採用は非常に重要になります。講師採用のプロセスは塾によって異なる面はありますが、アルバイトの非常勤講師・スタッフの採用可否は現場に委ねられている塾が多いでしょう。
そこで今回は、学生講師を念頭に置いて非常勤講師採用面接のポイントについて、採用のプロセスごとにお伝えできればと思います。
目次
・講師募集時
・求人応募
・面接等の日時設定
・学力検査・適性検査等
・面接での不採用事例
・面接時のおススメ質問
・まとめ
講師募集時
塾講師STATIONをはじめとした求人媒体や自社HPで講師募集を行います。このときの注意点は以下の2点です。
講師の年齢層のバランスを取る!
各教室で講師採用が委任されている塾の場合、今在籍している講師とのバランスを考えて「理系大歓迎」や「週〇日~歓迎」といったセリフを付けることが多いです。
特に学生講師の場合、3年生は就職活動で安定してシフトに入れなくなることが想定されることと、4年生は年度末で退職になることを考慮して、ただ人数が充足されているだけでなく、講師の年齢層のバランスを保つ必要があります。
他塾との差異化を図る!
これは生徒募集でも同様のことが言えますが、講師募集の際にも必要な視点です。講師同士の人間関係や教室の雰囲気がすこしでも伝わるような求人広告にしたいところです。
求人応募
求人広告を見た方から応募があった場合、できるだけ早く連絡を取ることが重要です。できれば応募当日中、遅くとも翌営業日には対応したいです。ですが、以下の2点に注意してください。
連絡時間帯に気を付ける!
塾で働く側からすると、生徒が来るまでの時間帯、つまり16時より早い時間帯で連絡したいところです。
ただし、この時間帯は多くの学生にとっては大学の授業中であるので、電話での連絡は控えることが好ましいです。まずはメールでの連絡を試みましょう。
正社員採用を行うのでない限り、メールの文体も堅くなりすぎないほうが学生のウケはよいです。くだけ過ぎない程度の口調で返信すると、メール文の段階で他塾との差別化になる可能性があります。
早朝・深夜時間帯の連絡には要注意!
私は授業や生徒対応をしていて、求人応募へ気づいたのが23時を過ぎた頃…という経験があります。その時は、メールの下書きだけを作って送信は翌日に回しました。23時以降に連絡をしてしまうと「ブラック塾ではないか?」と疑われる可能性があるので連絡は控えるのが望ましいですね。
同様に、午前の早い時間帯も避けるほうがよいと思います。今の学生たちの多くは通塾経験があり、午前中に塾が空いていないことを知っているので、午前中に塾(本社・本部からの場合は除く)から連絡が来ると、カンがいい学生は敬遠する傾向にあります。
面接等の日時設定
ここからのプロセスは塾によって順番が異なるかもしれません。一般的には、非常勤講師の採用ならば、学力検査・面接・適性検査の3つを行うことが多いでしょう。
対応可能日時が少ない場合は採用は慎重に!
採用業務を担当していると、応募者と面接日時がうまく調整できないことがあります。この場合、その応募者はすでに多忙な生活をしている可能性があるため、その後のプロセスには慎重に対応せざるを得ません。なぜなら、せっかく採用しても授業を担当できるコマ数が限られる可能性が高いからです。
採用や研修にはコストがかかりますから、大きなコストを払ったのに、ほとんど授業を持ってもらえないのは応募者・塾の両方にとってデメリットになるでしょう。
連絡の返信が遅い場合は危険!
日時調整の段階で、連絡に対するレスポンスが遅い場合も慎重に検討せざるを得ません。なぜなら、季節講習の際のシフト組みは塾で働く人にとっては最も頭を悩ませる業務の一つですが、その時に連絡が遅くなる可能性が高いからです。
ただし、「〇日までは大学の予定が分からないので待ってもらえますか」といったことを一言添えてくれる応募者は逆に好意的に受け止めてよいでしょう。自分自身の都合だけでなく、相手側の都合まで考えられる学生は、「相手目線」で物事を考えられ、人気講師になる素質があると言えます。
学力検査・適性検査等
基本的にはそれぞれの塾の基準に従う形になります。以下には、面接までに答案を見ておくポイントを記します。
学力的に足りない場合はどうするか
塾のメインターゲット層によって対応は異なります。学力以外を考慮した場合に、人間的に魅力的であったり現在籍講師にはいないタイプであったりすると、採用することを検討してよいでしょう。
学力面が弱いとどうしても不安になりますが、裏を返せば、苦手な生徒の気持ちをよく理解できる可能性があります。
ただし、条件としては採用する場合は少し自分で勉強してもらう必要がありますから、その条件を応募者側が許諾するかどうかによります。
学力検査時に「書いている文字」に注意!
採用試験の際に読めないような字を書いてしまうなら、授業でも生徒が読めないと感じる字を書いてしまう可能性が出てきます。どうしても雑な印象がぬぐえません。そういう行動を生徒は思った以上に観察しているものです。字がきれいかどうかではなく、丁寧に書こうとしていたかどうかを見るようにしてください。
応募書類はどこを見る?
履歴書は必要事項が書かれていれば十分と考えます。逆に、少し調べたら分かるようなことが守られていない場合は不採用に近づくことになるでしょう。
例えば、在籍大学の学部・学科名、卒業中学校や高校名が書かれていない場合です。自力で調べようとしないのは、勤務が始まっても報告・連絡・相談の意識が低いことにつながりかねません。特に学生講師を主体とする個別指導塾では、最も注意しないといけない点です。教室長の指示に対していい加減で、自分のしたいようにする講師はトラブルのもとになりかねません。
面接での不採用事例
選考過程の最後は面接です。面接に至るまでがどれだけよくても、面接によって合否は左右されます。どういうタイプの講師を欲するかは各教室の状況によって変わるでしょうが、たとえどれだけ人が足りなくても採用を見合わせたほうがいいケースがあります。
一発NGパターン
面接以外の学力検査等がいかに優れていても、面接で不採用とするケースがあります。
最たるものは「生徒との恋愛関係リスク」があることです。
私は直接言われたことはありませんが、「女子生徒と仲良くなれる」から塾講師を志望したと面接でいわれた事例を、とある個別指導塾教室長から聞いたことがあります。衝撃的ですが、このような発言は即不採用になります。
他に懸念されるのが、身だしなみです。
リクルートスーツで来てもらう必要はありませんが、面接にジーンズで来るというのは、メリハリがなさすぎます。万一、保護者がジーンズ姿で指導する講師を見たときにどう感じるかを考えてもらいたいですね。「服装自由」とする塾も増えつつありますが、それでも塾講師として信用に足りそうな服装で来てもらいたいところです。女性講師の服装では、あまり露出度の高いものは好まれませんね。せめて、以下の記事内容に沿った服装で来てもらいたいです。
塾講師バイトの服装は何が正解?面接時の服装や髪色など男女別に解説!
そして最後に挙げられるのが、体臭や香水などの匂いです。
これは、生徒の隣で指導を行う個別指導塾では特に注意しないといけない点です。体臭・香水の匂いがきつい場合やタバコの匂いがする場合は、生徒・保護者からクレームを受けることがしばしばあります。面接で即時不採用にせずに、匂いの面で改善をする条件を付けて採用する判断もあるでしょうが、その場合は以後注意していくコストがかかることは留意しておきたいですね。
NGとまではいかないが不採用を検討するケース
最近の学生講師の面接時に志望動機を聞くと「コミュニケーション能力を鍛えたい」と返答がありました。面接時にこの言葉が出てしまうと要注意です。塾にお勤めの方ならよくお分かりだと思いますが、塾講師には授業以外にも来客対応や電話対応など、多様なコミュニケーション能力が求められます。
これは非常勤講師とて同様です。正社員が席を外しているタイミングで、突然資料請求を希望される方がいらっしゃることは時々ありますが、その時には非常勤講師であっても対応してもらわなくてはいけなくなります。(教室長がいないときに限って、トラブルが発生しがちですね。)
最初からコミュニケーション能力に不安を抱えている応募者の採用は、他の要素を含めて慎重に判断するほうがよいでしょう。
面接時のおススメ質問
最後に、面接の際に行う質問についてお話ししていきます。
典型的な質問としては、志望動機・大学生活について(専攻・部活サークル等の課外活動・在籍大学の志望動機)・勤務可能時間帯及び指導可能科目が挙げられます。ここでは、その他の質問でおススメのものを3つご紹介します。
ご自身が受験の際に苦労をしたことは何ですか?
この質問の意図は「過去の失敗を踏まえてどのように修正を図ったか」を聞くことです。塾講師に応募する方であれば、少なくとも受験で何かしらの成功体験をお持ちでしょう。しかし、勉強が苦手な生徒からしたら成功体験は「自慢」や「嫌味」のように感じられてしまいます。ですので、あえて失敗体験にフォーカスしてみるとよいでしょう。
この質問に対して「失敗したことは特にないですね」と返答を受けたことがありますが、この返答は印象が悪いです。失敗した人を見下しかねない発言は、生徒の信用を失って退塾してしまうことに直結します。そのような発言を軽はずみにしてしまわないかどうかを確認する効果もある質問になります。
あなたによって「学ぶ」とはどういうことですか?
この質問は、必ずしもこの通りである必要はありませんが、あえて物事を抽象化した質問を立てることで「質問者の意図を汲み、自分なりの課題設定をできるかどうか」と「自分の回答に対して論理的な理由を述べることができるかどうか」を図ることができます。考える時間を少し与えてもよいでしょう。
この質問に、直感的に回答を行う場合は物事をあまりよく考えずに行う危険があります。実際、受験や定期テストまでの日程を考慮せずに授業をしてしまうと、これも不信感を抱かれるきっかけになりかねません。
予想外な視点での質問
例を挙げると「1000万円が目の前に落ちていたらどうしますか?」や「無人島に何か一つ持っていくなら何を持っていきますか?」といったものです。
「突拍子もない質問に対して臨機応変に対応できるかどうか」が質問の意図ですので、どのような回答であるかは問題にしなくてよいでしょう。(著しく倫理的に反するものは別ですが。)
実際に塾で働いていると、生徒からいきなり予期しえない質問を受けるものです。その時にどのように対応できるかを面接段階で確認しておくといいでしょう。
まとめ
選考プロセスにおいて、「こういう講師が欲しい」という条件はその時の教室事情によって変わりうるものですが、「こういう人は採用できない」は明確に存在します。
様々な観点で述べてきましたが、一言で言い表すならば「必要以上に余計な業務を生み出さない」ことが最低条件です。ぜひ列挙した点を念頭に置いて、講師として活躍できる人と出会ってください!
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