推薦入試合格者を継続して通塾してもらう方法【キャリアコラム#104】

こんにちは、講師の木村です。
夏休みも終わり、大学受験生は総合型選抜や学校推薦型選抜(公募推薦・指定校推薦)の入試が迫る時期となりました。文部科学省の調査では、総合型選抜・学校推薦型選抜で入学した生徒は約50%となっており、入試対策の中核を占めてきているのが現状です。
令和3年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要:文部科学省 (mext.go.jp)
教室運営側から見ると、一般入試と違って対策が容易ではないことや添削指導や面接対策などの個別具体的対応を求められるといった問題があります。
一番のネックは、一般入試の場合は来年度の2月まで通ってくれたはずの生徒が、9月~12月といった比較的早い期間に退塾となってしまうことにあるのではないでしょうか。私の中学校時代の同級生が、関西の難関私立大学へ指定校推薦で進学したのですが、その友人が「周りの一般入試まで勉強していた学生とすごい差を感じる」と言っていたことがいまだに印象に残っています。当時と比べると、推薦入試で入学した学生は多いはずですが、状況としてはあまり変化していないと感じます。
そこで本稿では、そういった生徒に受験が終わっても通塾を続けてもらうためのプランをいくつか提示してみたいと思いますので、よければ最後までお読みください。
目次
・英語の勉強の継続
・資格試験系の勉強
・大学での学びの準備
・社会経験を積んでもらう?
・おわりに
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英語の勉強の継続
一つ目に挙げられるのは、英語だけでも通塾を継続してもらうことです。
英語は大学入学後も外国語科目として単位取得が求められる科目です。半年間英語の勉強から離れてしまうと、大学入学後に英語の勉強をしようと思っても難しく感じてしまいかねません。
そこで、塾に継続して通うことで、英語の学習習慣を失わないようにしてもらうのです。特に、学校推薦型選抜や総合型選抜で受験する生徒で、入試科目に英語が課されていなかった生徒は、入学前までに英語を全く勉強しなくなることは留年リスクをあげてしまいかねません。
もちろんこの場合に、受験対策を行う必要はありません。
英字新聞のような実用的な文章の読解を通じて、大学での学びへつなげるのもよし、後述のような英検・TOEICのような英語資格系の勉強をするもよし。とにかく、受験勉強で培った学習習慣を大学入学後まで続けてもらうというのが基本的な趣旨です。
英検やTOEICの受験を目指す場合は、具体的な目標数値が立てやすいです。そのため、「1月の英検で〇級合格を目指す!」とか「2月までにTOEICで600点を目標にする!」といった形で、継続して勉強に取り組んでもらいやすいでしょう。
学生講師が実際に大学で使っている英語のテキストを参考にして、生徒に取り組んでもらう英文レベルや内容を調整することで、よりリアルな大学での英語の授業を体験してもらえるでしょう。
資格試験系の勉強
一つ目で挙げた英検やTOEICのような英語資格系の勉強を進めてもらうのが最も一般的といえます。大学入学後の単位認定につながることもあります。また、就職活動期に履歴書・エントリーシートの資格欄に記入することもできるでしょう。
英語資格系以外でも、漢字検定などの就職につながる各種検定の取得を目指してもらうのが一つです。これは個別指導塾の場合は柔軟に対応できるでしょう。
その他の例をあげますと、観光業界を目指す生徒であれば「世界遺産検定」、経理などで役立つ「簿記検定」、Word、Excel、PowerPointなどの「Microsoft Office」を使いこなせる能力を証明する資格である「MOS」(Microsoft Office Specialist)などがあります。
いずれにしても、指導できる講師がいるのかどうかが問題となりますが、勉強を続けてもらうには目標が必要でしょうから、これらは検討に値するでしょう。昨今増えてきている自習管理型の塾の場合は、これらの対策であっても受験勉強と同じ指導で対応できるのが強みといえます。
他には、公務員志望の生徒がいる場合は、公務員試験の対策として「数的処理」「文章理解」「判断推理」「資料解釈」といった一般知能分野の勉強をしてみるという手もあります。
これらの勉強は、受験対策と似ている面があります。仮に文系で数学を受験で使っていない場合でも、中学校内容の数学知識は求められます。(例えば、方程式の計算)
逆に、理系の場合でも「文章理解」では現代文を読むことが求められます。(大学受験と比べると短い文章です。)
また、一般企業就職を目指す場合は、SPIの対策も有用でしょう。SPIの問題には中学受験で問われるような問題もあり、演習問題の選定にはあまり労力は掛かりません。そして、これらの対策の場合、前述の資格試験系と比べると学生講師でも比較的対応しやすいメリットがあります。
大学での学びの準備
ここまでは具体的な単位や資格取得を目指す内容をお伝えしてきました。
それ以外のアプローチでは、大学入学後のレポートの書き方について学んでもらうことが挙げられます。大学でレポートの書き方を指導してくれることが増えてきましたが、高校まででレポートの書き方を学んでいる学生は多くなく、大学での学びに対して不安感を抱く層への訴求効果はあるでしょう。
私の小論文指導を行ってきた経験からいうと、「結論から先に書く」ことが苦手な生徒が非常に多い印象です。それに対して、学術的な文章(レポートや卒業論文)ではまず結論から書き、そしてその後に理由や具体例を述べていく形になることは、お読みいただいている皆さんは認識されているでしょう。この文章の書き方を、大学入学前に練習しておくことは有意義になります。
近年、レポートや論文の書き方などを説明する本の出版が増えてきましたが、私は小熊英二著『論文の書き方』(講談社現代新書)を推奨します。新書にしては分厚い本で、学生としては手に取ることを躊躇しそうですが、大学で文献を読むことを考えると、文献購読の練習にもなり一石二鳥です。文章の書き方のみならず、文献の調べ方やネット上の情報の信憑性をディスカッションしてみることも、いい経験になると思われます。
社会経験を積んでもらう?
最後は少し例外的なものになります。
大学生をアルバイト講師やスタッフとして採用している塾では、推薦入試合格者を「スタッフ」として雇用して研修することもあり得るでしょう。
大学入学前から継続して雇用することで、研修をじっくり行うことができたり、採用媒体に対する費用の節約になったり、塾内のことをよく知っている生徒が講師を務めることで教室内の空気感を引き継ぎやすかったり…とメリットは多数あげられます。講師としての勤務は高校生の間は避けるべきでしょうが、事務処理などのお手伝いをしてもらう分には問題ないでしょう。
ただし、塾によっては高校生の間のアルバイト雇用を禁止しているところもありますので、お勤めの塾の就業規則等をよくご確認ください。
おわりに
大学受験が終わると「受験勉強」はゴールになるため、そこで勉強をやめてしまう生徒は非常に多いです。
ですが、せっかく勉強習慣が身についたのにそれを失くしてしまうのはもったいないですよね。もちそん生徒は「せっかく受験が終わったのだから遊びたい!」と思うでしょうが…。
保護者サイドからしても、受験合格後に全く勉強しなくなったら「この子は大学へ入った後に無事に進級・卒業できるのだろうか…」と不安になるでしょう。その不安を解消するためのものでもあります。
生徒にとっては学習習慣の継続、保護者にとっては子どもの学習への不安解消、塾運営の目線では退塾による生徒数減少をしばらく抑えられる。それぞれにとってメリットがあるはずです!
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