埼玉の塾講師必見!~埼玉県の高校入試事情~
はじめに
私は4年間埼玉県にある個別指導塾で講師をしてきました。個別指導塾の一番のお客様は中学生、それも高校受験生です。私の塾では常時50%は高校受験生の生徒でした。そして、私の担当の生徒も半分以上は高校受験生でした。私の勤務していた塾だけなのかもしれませんが、講師全員が埼玉県の高校入試事情に詳しくありませんでした。特に、実際に自分が受験していない講師(中学入試組)は理解していませんでした。また、親任せで受験した講師、他県から来た講師も同様に理解が遅かったです。
しかし、講師になれば高校受験生を受け持つ可能性は大です。そのためいち早く埼玉県の高校入試事情を知る必要があります。そのため、この記事は埼玉県の高校入試事情に疎い新人講師向けに書いていきたいと思います。
1 私立なのか公立なのか
まず生徒は受験をする際に私立高校志望であるのかそれとも公立高校志望であるのかを決めなければなりません。また、私立を志望するにしても大学付属高校なのかそうでないのか、また埼玉の私立高校にするのか東京の私立高校にするのかという問題点もあります。埼玉県は意外と東京に近いです、京浜東北線沿線や埼京線沿線であれば東京へ短時間で行くことができるので、埼玉以外の私立高校という選択肢も増えてきます。このように埼玉県の高校生は多くの選択肢を持っているのです。そのために進路決定の際には非常に悩まれます。
ただ、私の勤務していた時はほぼ全員の生徒さんが公立高校志望でした。また、経験からですが私立を志望する多くの場合は親御さんが私立と言っているパターンが多かった気がします。志望校を言い出すのが生徒からであれば公立が多いですし、親御さんから言い出すときは私立が多い印象です。
また、生徒から言い出す公立高校は総じて近場の可能性が多いです。これは、先輩がその高校に通っていていいって聞いたからとか、同じくらいの学力の友達が行くからといった理由で決めているからです。これは非常に狭いコミュニティーで考えています。これは危険であります。講師はなるべく大きな視点に立って様々な高校を薦めましょう。生徒に選択肢を与えてください。今まで徒歩で通っていた生徒なので、30分電車に乗るだけでも遠いと感じるようです。しかし、大人から見れば電車で30分はむしろ近いほうです。彼らの狭いコミュニティー、経験の少ない頭だけで考えさせるのではなく、親とは違った大人として意見してあげてください。
2 私立の受験方法
次に、埼玉県高校受験生の私立の受験方法について記したいと思います。埼玉県では私立は2つの受験方法があります。一般受験と推薦受験です。
一般受験はその名の通り学校側が出す試験を解いてその合計点で合否を決める一般的な試験方法です。通常は2月の上旬にあります。学校によって出される教科が違う場合がありますが大方英・国・数の3科目となっています。しかし、私立高校の試験は公立の入試問題と傾向が大きく違っていますし、難易度も難しいものが多いです。普通の中学の指導要領に載っていないような問題を出してくることもあります。これは、難関校であればあるほどです。そのため、私立高校を受験したい特に難関校を受験したい場合は、早めから対策が必要ですし、問題集なども少し難しめの物を使用しなければなりません。
次に推薦受験についてです。こちらは埼玉県独自のもののようです。この試験は一般的に毎年の1月20日前後に行われます。学校によっては何回かに分けて行うところもあります。そのため何回も同じ高校を受けることも可能です。私の生徒で3回同じ高校を受けて3回受かったという生徒もいました。
ではどうやったらこの推薦受験を受けることができるのか。それは、実際に高校の説明会に足を運んでください。
高校が定める基準というものがあります。その基準を満たせば推薦受験をすることができます。重要なのは受けようと少しでも考えているならばその私立高校の説明会には必ず出席させてください。そして自分の学力を証明できるもの(成績や北辰テスト)を必ず持っていかせてください。そして、しっかりと個別相談会で先生の話を聞いてきてください。大事なことをきっと話すはずです。そして、どのようなことを言われたか必ず家庭に電話などして確認をするようにして下さい。
なお上記の二つは埼玉県の私立高校の場合です。東京の場合は推薦入試がないことがあります。しかし、埼京線や京浜東北線沿線の東京の私立高校は埼玉と同じ場合があります。たとえば、埼玉県で行われている入試イベントに出展している東京の高校は埼玉県と制度が同じ場合があります。どちらにせよ、やはり説明会に参加する必要があります。
3 説明会の重要性
ここでは高校説明会の重要性をお話しします。保護者と生徒に必ず説明会には参加させてください。ここで言いたいことは以上です笑。ただ様々な形の説明会がありますのでその一つ一つを説明していきます。
① 大型説明会
塾主催であったり、新聞社が主催であったりして大きな会場に多くの高校が一気に集まる説明会があります。この説明会にはぜひ参加するようにと私は保護者と生徒に話してきました。なぜなら、一日で多くの高校に出会うことができるからです。また、埼玉で行われている大型入試イベントに出展している東京の私立高校は埼玉県の生徒を受け入れる準備があるということです。しかし、この大型イベントには一つ問題があります。それは大きくて出展数も多いためにどこに行けばよいかわからず、結局話をほとんど聞けなかったり、すぐに帰ってきてしまうということです。そのような失敗を防ぎために事前に話を聞く高校に目星をつけておきましょう。必ず行く高校・行けたら行く高校・興味はあるけど行かなくてもいい高校・その他といった具合で分けておいて優先順位をつけておくと時間をうまく使え有意義なイベントとなりますので、生徒や保護者と話し合ってみてください。
② 個別説明会
これは高校が独自に主催するものです。大型説明会で話を聞いて興味が出たり、それ以降に気になった高校などで行くことがあると思います。大体7月頃から12月頃までやっています。私は面談時には必ず気になった高校には生徒を連れて(最悪保護者なしでもいいです)行くようにお話をしていました。生徒がいかなければならない理由は、当たり前ですが生徒が3年間通う場所だからです。生徒は必ず高校に行ったら何かしら雰囲気を感じるはずです。なんとなくですがいいとか悪いとかそれは校門に入った瞬間にわかるといいます。
なので私は必ず生徒に行くように伝えて、行ってきた後は必ず「どうだった?」と聞くようにしていました。その際には真面目な返答を期待するのではなく、雰囲気について聞きました。また、2でも書きましたが、私立高校の説明会の場合は個別相談会があり推薦入試の話もあるので必ず成績を証明できるものをもっていかせしっかりと話を聞いてくるように言うことを忘れないでください。
個別相談会は公立高校では限られた時期に行われることが多く人気校では抽選となる場合があります。もし、時期を逃して参加できなかったならば学校を個別で訪問させてください。多くの学校の場合、問い合わせれば問題なく行ってくれます。そのようにしてでも自分が受験する高校には必ず足を運ばせてください。
4 公立入試の注意点
公立入試の個々の教科の入試については別の機会に話すとしてここでは一般的な注意点について記します。まず内申点の扱いです。内申点とは中学の評定のことです。中学の評定が高校受験に影響してきます。当日の試験の点数にこの評定店が加味されます。そのため学力は十分でも内申点が低いために落ちてしまったり志望校の学力を下げる生徒が多いです。この内申点の扱いは各高校によって違います。1年1:2年1:3年3というところもあれば、1年1:2年1:3年1といったところもあります。3年から気持ちを切り替えた生徒ならば3年の比重が高いほうが有利ですよね?また、中学1.2年生に指導する際にはこの内申点の話をしっかりと行い今のうちから勉強を頑張るように伝えてください。
次に倍率についてです。出願がすむと新聞にその年の各公立高校の倍率が発表されます。この発表によってその年にどの高校に人気があるかがわかります。これに生徒が惑わされる可能性があります。昨年度まで1.2倍程度だった高校がその年に1.5倍になったために出願先を変えようとします。(1度のみ出願変更が可能です。)しかし、たった0.3倍上がっただけです。私も中学生のころはこの倍率におびえていましたが、大学受験そして就活を通して考えると1.5倍どころか2倍でも全然低いと感じます。これからの世界では5倍10倍が当たり前です。それを踏まえて、多少の変動ならば変えさせずに生徒には自分たちが今までどのくらいの倍率を潜り抜けてきたのか、生徒の志望度はそんなものなのかを確認させて決意を新たにさせてください。
終わりに
いかがだったでしょうか。今回は埼玉県の高校入試に重点を当てました。もちろん基本的な内容は調べてもらうとして発展的な内容を中心にまとめました。これを読んでいてわからないこともあると思いますが、その際は自分の塾の先輩にも積極的に質問してください。生徒の将来がかかっていることです。この記事だけや自分自身の理解だけで突っ走るのは危険です。あくまで参考ということでこの記事に書いてあることを生徒に伝えてください。