【受験生をもつ塾講師必見】塾講師が受験勉強に出遅れた生徒のためにできる5つのこと
受験勉強に出遅れた生徒のためにどうするか?
指導をしていると、部活で疲れてしまった生徒や実行委員で忙しい生徒がいるといったケースもあります。そうなると、受験勉強を始めるのが大幅におそくなってしまいます。そんな中でも合格する生徒はやはりいます。引退するまでに何をするべきなのか、あるいはどう接するべきなのかということと引退してからのことを解説していきたいと思います。具体的には大きく分けて2つ、受験勉強の開始をする前の期間と後の期間です。それぞれの時期にしかるべき勉強をすれば合格を勝ち取れます。
引退前の期間は何をさせるべきか。
仮定の話ですが、例えば高校3年生のA君は野球部で日々、練習をしています。平日はもちろんのこと休日も朝から夕方まで野球をやっているとします。そのため毎回のテストではあまり良い点数ではないので推薦入試ではなく一般入試で私立大学進学を目指しているA君、引退した後の勉強に不安を持っています。学校以外に個別塾に週一回で通っています。
ここで講師の立場ではまず、A君のスキマ時間を探して欲しいです。スキマ時間とは例えば朝、通学するときのバスや電車の乗車時間や就寝する前の時間のちょっとした時間のことです。あんまり時間があるわけではないけれどちょっとしたことが出来る微妙な時間であり、その時間に勉強をさせるのです。勉強と言ってもわざわざノートにシャープペンシル片手に演習するのではなく、英語や古文などの単語帳を活用するのです。そんなこと言っても僕の乗る電車は満員で難しいと言うA君ですが、そんなA君みたいな人のためにスマホを活用させましょう。知っている人も多いだろうと思いますが、知らない人のために紹介するのがスマホの勉強アプリ。この便利な時代、なんとスマホでも勉強をすることが出来ます。色々と種類があるので使うことを生徒へ勧めましょう。スマホさえ持っているのであれば、片手でも出来ますので忙しくても手軽に出来ます。アプリの種類にもよりますが、自分が覚えたやつは記録してくれるので単語帳を使用するよりも使いやすいと思います。生徒のスキマ時間を見つけて単語の暗記をさせましょう。合間を縫って単語だけでも完成させることは受験の基礎であるので重要です。出来るだけ多くの基礎を空いてる時間で養いましょう。
可能であるのならば、なるべく朝と夜に暗記ものはやりたいです。朝に覚えた単語を夜に再度、確認するといった方法です。こうすれば、覚える効率も上がります。例えば、朝の通学の途中でやってから夜に帰宅するときにやるという感じです。試してみる価値はあります。
塾の授業としてはとにかく復習を多くさせるようにしましょう。演習量は他の生徒よりは劣ってしまいます。しかし、一回の授業で確実に理解をすればそれだけ質の良い勉強ということになります。例えば、英語に関して言えば授業で英語の長文問題を扱ったとします。漠然と解いて終わりでなく、授業後に家に帰った後に分からなかった単語を再度見直ししたり文構造の確認をするなどさせましょう。
英語の復習で一番効果があるのは音読をすることです。しっかり集中して頭のなかに訳せるように音読すれば確実に身につきます。それだけではなく読むスピードも速くなっていきます。是非、音読をさせましょう。学校の授業も無駄にしないように、授業中に寝るなんてことはやめさせるようにしましょう。確かに部活動などで朝練習をして、学校の授業は寝てしまう気持ちも分かります。しかし、ただでさえ時間のない人は寝てしまうとどんどん遅れてしまいます。学校の授業もおざなりにしないようにしましょう。
~まとめ~
1、スキマ時間を活用させる。
2、復習をしっかりとさせる。
引退後の受験勉強開始
さて、野球部のA君は夏の試合後に野球部を引退しました。そして夏休みを迎えました。まだ、部活が終わったばかりで何も集中できないA君。そんなA君のために講師としてはどうするべきなのか。まず、勉強時間の目安です。夏休みということもあるので1日に大体10時間以上は勉強させましょう。もちろん、すべて授業ではありません。目安としては自習:授業=6:4ぐらいにしましょう。
多すぎではないのか?という人もいるかも知れませんが一般的な受験生はこのぐらいの目安です。そして、授業の内容も基礎演習を多くとりましょう。基礎は何度も言いますが入試にとって重要です。授業後には必ず復習させましょう。そして、自習の場所としてはやはり塾でやらせるべきです。なぜなら、塾で行っていると分からないことがすぐ先生に聞けるというメリットがあります。分からないところがすぐに聞けないと忘れてしまったりしてしまいます。それを防ぐために生徒に塾に来させましょう。
質の良い勉強というのは予習、授業、復習のサイクルを守ることです。そのサイクルの徹底を生徒に心がけてください。例えば英語の予習というのはあらかじめ長文を自分の力で解き、答え合わせをしておきます。また、分からなかった単語を調べるなどすれば準備は万全です。出来ればノートに長文本文をコピーしておくのがベストです。教科書やテキストに書き込むよりノートの方が余白もありますのでおすすめします。予習をしっかりすれば本番の授業時の理解はよりいっそう上がります。復習は先ほど述べましたが、このサイクルの中で最も重要ですね。復習して定着していないと次に進むのは難しいからです。勉強は積み重ねが重要であります。復習が積み重なって成績アップにつながります。
急には成績が上がる人はいません。特に大学受験はすぐにうまくいくというような甘い世界ではなく、もしかしたら焦る人が増えてくるかもしれません。特に受験勉強を始めるのが遅かった人ほど、部活なんてやらなければ良かったと感じます。しかし、部活動で培った経験は無駄ではありません。部活を辞めて後悔する人はいますが部活を続けてやりきって後悔している人なんていません。しっかり講師としては生徒を励ましましょう。なかなか周りに追いつけませんが別に受験前に追いつけなくても入試本番で合格する力を発揮すれば良いのです。体育会系の人はやはり集中力が他の人よりもはるかに高いです。そして、精神的にも肉体的にもタフです。少々、無理なことでもやれてしまうのが強みです。だから、周りに追いつくことが可能なのです。このことを承知の上で生徒に接しましょう。集中力というのは勉強面ではかなり生かされます。テストのような短時間でどれだけの結果が残せると言ったらやはり集中力があるほど有利です。
~まとめ~
3、塾で自習させる癖をつけさせ、分からないことはすぐに先生に質問させる。
4、予習、授業、復習のサイクルを徹底する。
5、しっかりと励ます。
終わり
スキマ時間に勉強をして、受験勉強を夏の大会後に始めたA君は持ち前のガッツで勉強に取り組みました。人よりも遅れている分、人の何倍も勉強しました。急には成績が伸びず、悩んでいたA君でしたが先生に励まされて集中力は切らさずに10時間以上の猛勉強を毎日続けました。こうした結果、なかなか周囲に勉強が追いつけませんでしたが、センター前に成績を伸ばして、見事に志望校に合格できました。こういったことは珍しいことではありません。A君はしっかりと文武両道を体現してくれました。
いかがでしたか、いくつか参考になったら嬉しいものです。繰り返しになりますが、学生時代にやっていたことが大人になってから出来ますか?学生の時代は大人になってから誇りにしてほしいです。ある人は受験のために部活を辞めてしまいました。その選択も間違いではありません。しかし、自分の好きなことを途中で辞める人よりも最後まで続けていた人が人からは評価されます。文武両道は難しいです。でも仮に両立できなくてもどっちもあきらめない人が素晴らしいと思います。生徒の進路をしっかり理解して、受験勉強をすれば例え遅く初めてもすぐに追いつけます。講師も生徒もあきらめずにがんばってください。お役に立てたら嬉しいです。
今、この瞬間でも全国の受験生は勉強しています。自分の将来になりたいもののためや夢を実現可能にするためなどおのおの違う夢だとおもいます。中にはまだ分からない・・なんて言う人もいます。そのような人はいて当たり前です。高校まで見る世界と大学で見る世界はかなり違います。大学に行ってから、新しいことに興味を持ち、夢が変わったなんてのも良いです。大学はそういう場所でもあります。最後に蛇足になりましたが、ここまでお読みいただき、ありがとうございました。