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【受験生をもつ塾講師必見】参考書の効果的な使い方を生徒に教えよう!

2021/12/17

生徒と参考書の相性

講師の皆様こんにちは。今回は参考書の効果的な使い方を説明します。参考書といえば、市販のものであり、学校から配られるものではありません。ですが今までで一冊も参考書を買っていない生徒はほとんどいないと思います。講師の皆様もよく学生の時は買われたと思います。町の本屋で売っている参考書はとても分かりやすいものが多く、買って損はないと思います。ですが、それは参考書を実際に使った時です。また、参考書は正しく使えば使うほど成績の向上につながります。

先程、市販の参考書はとても分かりやすいものが多いと申し上げましたが、種類は様々です。内容が濃いが字ばかりの物、問題が多く説明が少し浅いもの、短期間やるだけで効果的なもの、繰り返しやる必要なものがあるもの、本屋に行くと本当にいろいろなものがあります。ですが、いろいろな種類があるものは本だけではありません。生徒も同じです。飽きっぽい生徒、目をかるく通しただけで終わらせる生徒、何回も繰り替えし熱心にやる生徒、これも授業をしていると様々なタイプがいるものだなとよく思います。なので生徒と参考書間での相性の良い、悪いが重要になってくるのです。友達選びと同じではないでしょうか。一緒にいて飽きない、話しやすい、何回も会う、参考書も似たようなものだと思います。ずっと使えて、読んでいても苦にならない、繰り返し読む。

生徒に参考書を勧めるときに講師がこの作者のこの本がお勧めだよと特定の参考書を買わせようとすることがあると思います。それもいいかもしれませんが、その参考書をいいなと思ったのはあくまでその講師だけです。その講師にあった参考書というだけなのです。塾の先生に勧められて買った参考書だけど、結局使わなかったと何回か言われたことが私自身ありました。参考書は買ってもやらなければ意味がありません。それだけでなくお金の無駄、また買ったことに自己満足して、勉強しなくなることも稀にあります。やはり、参考書は生徒が自分自身で選ぶべきものなのです。そして生徒に、参考書を買うときは友達をつくる感覚で選べと指導してください。では、どのような生徒にどのような参考書があうかを紹介していきます。

三日坊主の生徒にはこれ

 三日坊主で、すぐに問題集をやめてしまう生徒はたくさんいます。では、そのような生徒に適した参考書を紹介します。

市販の参考書は大きく二つに分けられます。文字が多い説明型の参考書とほとんどが問題の参考書です。説明型の参考書でよく見るのは現代文の解き方の参考書、英語の文法を扱っている参考書です。問題型の参考書はどの分野でもよく見かけます。この二つの種類の参考書、どちらがいいかは使う人次第で決まると思います。ただ、すぐに飽きてしまう生徒には強く問題型の参考書をお勧めします。それもなるべく薄いものがいいと思います。飽きっぽい生徒は自分の力を過大評価する傾向にあります。なので問題型の参考書を買うときも、説明型の参考書を買うときも自分ならやり遂げられるだろうと思って、なるべく厚みのあるものを買いたがります。

確かに厚みのある本のほうが一見詳しそうでいいものに見えますが、実際にやり始めるとすぐにやめてしまう。このような生徒はやまほどいます。生徒が一番勉強に対して意欲的になるときは達成感を感じた時だと私は思います。それも、勉強嫌いで飽きっぽい生徒であればあるほど、定期的に感じなければいけないものだと私は思います。

勉強の妨げになる満足感

参考書には各々いい面と悪い面があります。まず説明型の参考書には達成感というものがありません。たくさんの字を頑張って読んでも知識は得られますが、問題を解かない限り、知識を得たという実感はわきません。また、問題型の参考書で厚みのある物を買ってしまうと終わった時に逆に達成感がありすぎて満足してしまいます。勉学をするのに一番感じてはいけないものは満足感です。

受験で合格したとき以外は絶対にしてはいけないものだと私は生徒にいつも言っています。定期テストで、五教科でどうしてもいつも四百点を超えることができなかった生徒がやっと超えることができたが、その次の定期テストでは結果がさんざんであったことがありました。なぜそのようなことが起きたのかというとその生徒は四百点以上を取った時に満足してしまったからです。その時に次は四百五十点を超えることを目標にしていたら結果は大きく変わっていたでしょう。ですが今まで達成できなかったことをようやく達成できたときに次に何を目指せばいいのかわからなくなってしまったのです。満足感は自分の目指してきたものに終止符を打ち、周りを見えなくします。大きな達成感は満足感を生みます。適度な達成感が一番良いのです。また問題集は繰り返しやることによって効果が発揮されます。ぶ厚い問題集を繰り返し解くことはこのような生徒には不可能です。

基礎問題も要は使いよう

では具体的にどのような問題集がこのような生徒に適しているのか。それは数日間完成型の問題集です。よく見かけるのは30日間完成型と表紙に書いてあるものだと思います。他にも21日間完成型など様々なものがありますが、それは生徒の好みでいいと思います。いずれにせよ、この種類の参考書はすぐに終わらせることが出来ますし、応用問題はあまりないと思いますが基礎力は十分につきます。また基礎問題を繰り返しやれば、もうワンステップ上の参考書で応用問題を解くとき、理解に苦しむことは無いでしょう。時々応用問題をいきなり持ってきて、長い時間考えたけどまるでわかりませんという生徒がいますが、そのような生徒はその分野の基礎がまだ習得できていないのです。基礎あっての応用です。基礎問題を確実にこなす力があれば応用問題を解いても、まるでわからないということはあり得ないのです。生徒が応用問題の質問に来たら、講師の皆様はまずその問題の基礎をしっかり理解しているか確認しましょう。

応用問題をいきなりやろうとして、いくら考えてもまるでわからない、そして先生に聞いても理解できない。それは基礎がしっかり自分の中で確立されていないからです。いきなり難しい問題をやろうとする生徒はたくさんいます。それは、そっちの方が楽しいからです。ですがそれでなかなかできなくて勉強が嫌いになってしまう生徒もたくさんいます。

逆に、基礎問題をやることに抵抗を感じる生徒もたくさんいます。それは基礎問題がとても退屈だからです。なので基礎はなるべく時間をかけずに飽きない方法で習得するのが良いのです。それに数日間完成型の参考書は一ページ一ページに目標タイムやその問題をやった日付けなどを書き込む箇所があります。目標タイム内に問題が解ければ、達成感を感じ、飽きずに継続してできると思いますし、また日付け欄もしっかり書き込めば、表紙に書いてある通りの日数でできたかどうかがわかり、それもまた生徒にとってちょっとした楽しみにもなります。この種の参考書は生徒が継続して勉強できるように、たくさんの工夫が問題外に施されています。なので数日間完成型の参考書が三日坊主の生徒に最も適しているのです。

受験期をむかえる生徒にはこれ

次は何から手をつけていいか分からない生徒に適した参考書を紹介します。どの生徒でも受験期が近ずくと各教科を一から復習しようとすると思います。そしてどこから勉強を始めればいいのか分からず、不安になっている生徒をよく見かけます。そして、その時にやってしまいがちなことは、総復習と表紙に書いてあるようなとても厚みのある参考書を購入して結局やらないことです。受験期がちかずいてくると誰でも焦ります。躍起になってどっさりと大量の参考書を買ってくる生徒もいますが、そのような生徒はどの参考書も中途半端に手をつけ、やったような気になり、勘違いしたまま受験に臨み、落ちてしまいます。なので参考書は慎重に選ばなければなりません。まず、各教科どれも一からやる必要はないということを生徒に理解させましょう。必要なことは、今までやってきたなかでどこの部分が自分の弱点なのかを各教科、しっかり把握することです。それをすぐに確かめられるものがあります。それは単語帳です。

各教科に適した単語帳

では、それぞれの教科に適した単語帳を紹介していきます。

英語

英語は単語と熟語、両方載っているものがいいと思います。どちらかに特化するのは危険だからです。単語を千個覚えると当然自信がついていきます。ですがその分、熟語と文法がおろそかになりがちなのです。熟語は文法でも、各単元に出てきます。なので熟語を覚えているときに自分の文法力の欠落部分に気づくことが結構あるのです。受験では単語力だけでは到底戦えません。勉強にはバランスが大事なのです。

古文

古文単語も同様です。なるべくたくさん単語が載っているものを買おうと躍起になっている生徒がいますが、それも注意です。単語の問題は古典においてあまり出ません。出たとしても文中で意味する単語の意味を答えさせる問題です。なので単語より文を理解しなければ意味がないのです。なので、なるべく一つの単語に対して多くの例文が書かれているものが好ましいと思います。単語より例文の意味が答えを見ずにわかるかどうか、これもまた、文法の欠落部分に気づかせてくれるのです。

その他暗記教科

その他の日本史や世界史などの暗記教科はすべての範囲が詰め込まれた一問一答形式の単語帳がいいと思います。これで自分の現時点での理解度を確認するときは、他の人に問題を出してもらいましょう。暗記というものは人によって定義が違います。一問一答を自分で読んでいて、この部分、そういえばそうだったなと思ったとき、それでおしまいにしてしまう生徒がほとんどです。そうだったなと思い出しただけで、自分は覚えていると思い込む生徒がたくさんいるのです。それではテストの時に絶対に困ります。よくある、見覚えはあるけど思い出せなかったという事態に陥ります。暗記と言うものは問題が出されたとき、その答えを即答かつしっかりと漢字で書けて、初めてできたと言えるものです。ここらへんを勘違いしている生徒が多いので今私が言ったやり方で一問一答を使うようにしっかりと指導してください。

このようにやれば、単語帳は内容的には浅いですが、自分の力量をもっとも速く確認できるものになります。単語帳に一回目を通すだけで自分の弱点、曖昧な所、十分に理解できているところ、これらを把握することが出来ます。自分の力をしっかり把握することによって無駄な勉強時間を省けます。それに、単語帳はとても手軽でどこにでも持ち出すことが出来るので、受験期に入ってもいまひとつ気が引き締まらず、椅子に座って集中できない生徒には本当にぴったりです。

まとめ

参考書はものによっては本当に成績が上がります。しかしそれは中身がいいというより、その生徒にあっているかどうかなのです。今回はよくいる飽きっぽい生徒と、受験期をむかえて何から始めたらいいか分からない生徒に適した参考書を紹介しましたが、大切なことは生徒をしっかり観察することです。そしてどのような参考書がその生徒に一番あっているかを見極め、教えてあげることです。

あくまで「どのような」です。「どの」ではありません。

参考書は生徒本人に選ばせる。理由はすでに述べましたが、これだけは徹底させてください。

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