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【世界史】一問一答の威力!

高校生

2021/12/17

世界史における一問一答の重要性

世界史の勉強というと、「ひたすら暗記だ」という人もいれば「丸暗記などではなく流れを理解することだ」という人もいます。

社会という科目の性質上、どうしても覚えることが多く、かつ覚えてさえしまえば得点できる問題も多いですよね。

一方、その「暗記」の背景には、歴史の流れや他国との繋がり等、いわゆる”タテとヨコ”の理解が存在し、この理解が明解であるほど暗記は捗ると言えるでしょう。

つまり、世界史の勉強に関しては(もちろん他の科目もそうですが)、「暗記」と「理解」は両方とも必要なものであり、どちらか一方ということは基本的にありえないものなのですね。

このような世界史の勉強において、非常に大きな力を発揮するのが、みなさんご存じ”一問一答”です。

書店に行けば必ずと言っていいほど複数の一問一答問題集が並んでいますよね。

それだけ広く普及しているのは、効果的な問題集だからだと思います。

もちろん、一問一答を好ましく思わない意見も聞いたことはあるかもしれませんが、実はそれらは必ずしも一問一答問題集自体を批判するものではないのです。

試験で点をとるということに関して、基本的な単語を覚えるということは必ず必要な作業ですし、要は”使い方”次第なのです。

今回は、この一問一答式問題集について、具体的にどう使えば良いか、学習にどう役立てられるかという点から、世界史の学習指導に参考になるような記事を書いていきたいと思います。

 

 

 なぜ重要か

繰り返しにはなりますが、世界史は科目の性質上、暗記という作業が必ず必要になります。

どんなに歴史に関する本を読み、どんなに歴史の映画を見ても、結果的に知識として何も残らなければ、テストで点をとることはできません。

その第一歩となるのが一問一答です。

一通り学校の授業を受けた、教科書や参考書に目を通したのであれば、その範囲の単語を覚えるようにしましょう。



よく「世界史の勉強時間は少なくないのになかなか成績が上がらない」という生徒がいます。

そのような生徒の多くに共通しているのは、「暗記」をしていないということです。

ひたすら学校や予備校の講義を聴き、ひたすら教科書や参考書を読んでいるのですが、覚えるという作業を行っていないため、結果的に知識として残るものがないのですね。

たしかに、何度も聴いたり読んだりしていく中で培われていく知識はあるでしょう。

しかし、人間はアウトプットという作業を行わない限り、なかなか記憶として定着しないものなのです。

同じものを何度も読むという勉強法が話題に上がることもありますが、それほどの時間がない生徒には、必ずアウトプットの機会を設けてあげるべきだと思われます。

 

 

そしてもう一点。「基礎知識なしにその上の思考は成り立たない」ということです。

教科書を読んでも全く頭に入ってこないという経験はございませんか?

それは、知らない単語が多く、そのレベルで思考が止まってしまうため、その先の理解ができないからなのです。

経済についての何の知識もない人がいきなり日経新聞を読むと挫折してしまう人が多いのはそういうことです。

「GDP」「アベノミクス」「TPP」等、基本的な単語が自分のものになって初めて、その記事が意味していること、その背景などがわかってくるのではないでしょうか。

つまり、流れがそこまで理解できなくとも、「とりあえず覚えるという」ことは非常に重要なのです。

理解→暗記というフローが一般的解釈かもしれませんが、暗記→理解という流れもまた、重要なステップなのですね。

 

どう使うか

 では、効率的に一問一答を使用していくにはどうしたら良いのか。いくつかご紹介したいと思います。

まず、「いつまでに何周するか」ということをあらかじめ決めておき、そこから逆算するということを忘れずに行うようにしましょう。結果的に試験範囲が仕上がらないという人に多いのが、何の計画もなしに問題集を進めてしまうということなのです。逆算によって、今月、今週、今日はどこまで進めれば良いのかといったことが明確になってきます。1単語1単語を丁寧に覚えていては終わらないかもしれません。基本的に暗記は「毎日少しずつ丁寧に」よりも「ある程度の期間である程度の量を繰り返す」という方が記憶として定着しやすいようです。たとえば1週間で10ページ分進めたいという場合、毎日1.5ページずつ丁寧に覚えていくということよりも、毎日10ページ分をおおざっぱにでも繰り返し見ていく方が効率的ということになります。ますは逆算で学習のペースを確立し、何度も反復していくという方法をオススメします。

次に、学校の講義や教科書とうまく併用していくということです。たしかに、ただ講義を聴いたり、教科書を読んだというだけでその範囲を完全に理解できる人は少ないでしょう。しかし、一度触れた範囲の話は、なんとなく頭に残っているものです。どうせ一問一答を進めるのであれば、より頭に残っていることが大きいうちにやっていく方が効率的でしょう。具体的には、学校で習っている進度に合わせて進めていったり、教科書に軽く目を通し、一問一答で覚えた後に教科書を読み直したりと、うまく講義と教科書等を利用していくと良いと思います。その際、あくまでも自主学習においては「覚える」ことに注力することを忘れないようにしてください。何度も言いますが、アウトプットにこそ時間をかけないと暗記は難しくなります。

 

センター試験対策

 一問一答を本当の意味で仕上げれば、センター試験で8割以上得点できるといいます。そのためには、ただ設問を読んで答えられれば良いというわけではなく、細かい部分まで仕上げていかなければならないのですが、少なくとも一問一答はセンター試験対策においても強力な武器になります。

具体的には、設問と答えを相互的に覚えるようにしていただきたいと思います。一問一答を使っている生徒でよく見かけるのが、「この設問はこの答えだというのを覚えてきてしまっていて、ちゃんと知識として定着しているか不安だ」という生徒です。つまり、機械的に暗記するだけでは今後の学習にとってはあまり効率的とは言えないということです(最初はそのような丸暗記でも十分ですが)。慣れてきたら、設問を細かいところまで読み取り、その上で解答を覚えるようにしてください。この設問と解答の相関関係が定着すれば、センター試験のような選択問題の場合、間違っている選択肢にすぐに気付けるようになると思います。

少し余談ですが、センター試験の過去問を解く場合、たとえ正解した問題に関しても、選択肢で曖昧に感じる部分があれば解説を読み込むことをオススメします。各問題の派生した知識まで覚えてしまえれば、より効率的なセンター試験対策となるでしょう。その際、解説を読んで覚えなおしたい部分があれば、ぜひアンダーラインを引くようにしていただきたいと思います。解いた過去問がいくつかたまってきたら、それぞれの解説のアンダーラインを引いたところだけ見直せば最高の復習ができるようになります。自分なりの参考書を作っていきましょう。

 

生徒に取り組ませる

 最後に、以上のことを生徒に取り組ませる際のポイントをお伝えしたいと思います。

それは、先述の逆算を手伝うことと、小テスト等を実施してモチベーションを保たせるということです。

生徒は、逆算が非常に苦手です。何も考えずひたすら学習を進めてしまう生徒もいますし、逆算しようとしても、それがあまり現実的ではない形に終わってしまう場合も多いです。そこでこそ、講師が手を貸してあげるべきではないでしょうか。講師としての役目は、単に教えるということだけではなく、生徒を正しい方向に導くということも重要なのだと私は思います。

そして、小テストを実施して、生徒の到達度を細かく把握するようにしていただきたいと思います。そのときの正答率によって今後のペースを修正することもできますし、何より生徒が勉強を進める指針にもなります。細かくとも、生徒に小さなハードルを与え続けることによって、日々の学習にメリハリがつくことと思います。小テストという小さな手間には、それ以上の大きな効果があるでしょう。

 

おわりに 

以上が、世界史における一問一答問題集の重要性と、その有効な使い方になります。世界史とは言いましたが、どんな科目にも共通して役立つ部分もあると思います。講師の方々に少しでも参考にしていただけたら幸いです。

 

 

 

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