まずは基本パターンを覚える
仮定法とはその名の通り、ありえない状況を仮定して物事を述べるときに使う表現のことです。日本語でも<もし私が鳥だったら>というふうに、現在のことに対してもあえて過去形を使いますが、英語でもこのように一つ前の時制を使うことによって、仮定法の表現をすることが出来ます。なので、ごっちゃになってしまった場合には、一回日本語で考えてみると良いと指導しましょう。では、具体的な内容に入っていきます。
いつに対する仮定かを見分ける
<現在に対する仮定>か<過去に対する仮定>かの区別
仮定法では、暗記しなければいけないことがたくさん出てきます。ですがその暗記物を覚える前に、基本形をしっかり押さえておくことが重要です。では、基本形の例文を挙げます。
If I were manager, I would never accept the offer.
もしも私が経営者だったら、そのような申し出は決して受け入れないであろう。
この文では<経営者でない自分が、経営者である>と仮定していますね。このように現在のことに関しての過程をする場合には、仮定法過去という形を使います。
仮定法過去の基本形
If S1 V1p, S2 would V2
確認ですが、Sは主語、Vが動詞、pが過去形、ppが過去分詞です。これらの記号を覚えてない生徒には、これを機にしっかり覚えさせましょう。これらがテストに出ることはないですが、今後の英語の学習において、とても必要になります。これらの記号を覚えるとより効率的な英語の学習ができるのです。
仮定法過去の条件節ではbe動詞にはwasよりもwereが好んで使われます。また主節の助動詞には、would/should(~だろう)に加えて、could(~できるだろう)、might(~かもしれない)も使うことが出来ます。
では次は、過去のことに関する仮定です。
If I had been the manager, I would not have accepeted the offer.
もしも私が経営者だったならば、私は決してその申し出を受け入れなかったであろう。
このような表現を仮定法過去完了と言います。このように同じ例文で比べてみると生徒も理解しやすいと思います。また、生徒は英文をみて違いを理解しようとしますが、訳の違いにもしっかり気を配るように指導してください。では、仮定法過去完了の公式です。
仮定法過去完了形の基本形
If S1 had V1pp, S2 would have V2pp
では実際の入試ではどのように出るのかを確認していきながら、わかりやすく指導していきます。
<例題>
< >, I would have filled out the job application earlier.
もし私が知っていたら、もっと早くその就職申し込み用紙に記入していたのに。
1 If I have known
2 If I know
3 I knew
4 If I had known
答えは4のIf I had kownです。では、次の問題です。
<例題>
If my sister were not so busy, She < > to the party.
もし私の姉が忙しくなければ、彼女はそのパーティーに行けるのだが。
1 had gone
2 went
3 could go
4 could have gone
答えは3のcould go です。
生徒はそれぞれカンマの右左の穴を、公式を見ながら適切に入れることが出来ると思います。ですが、実際のテストの場合、あのぐちゃぐちゃした公式を見ずに正確に解くことが出来るでしょうか。だいぶ難しいと思います。なのでもっとわかりやすく解ける方法を紹介します。
これさえ覚えればすぐできる
過去形ならwould形
大過去ならwould have pp形
語呂も悪くないですし、すぐ覚えることが出来ると思います。例題一問目では右がwould have pp形ですね。なのですぐ大過去(had pp)のIf I had knownであると分かります。次の例題では逆に右の部分を埋める問題ですね。左は過去形、ということで右はwould形であるcould goがはいるとすぐわかります。なぜwould形と表すのかは、このように他の助動詞もくるからです。この二つは最初の基本的な説明をした後に覚えさせると本当に効果的です。ぜひ、試してみてください。
見分けられることによって生じる注意事項
この二つの見分けがつくようになった生徒に必ず教えてほしいことがあります。そしてそれは、先ほどの見分け方のすぐ後に説明してください。
仮定法過去完了と仮定法過去の合体パターンに注意
この二つ、仮定法過去完了と仮定法が合わせて使われる場合があるのです。先ほどの説明でいうならば、過去形ならwould形、大過去ならwould have pp形、これらが混合する場合があるということです。ではどのような場合にそうなるのか、例文をあげます。
If I had accepted the offer, my company would not exist now.
もしも私がその提案を受け入れていたならば、私の会社は今頃存在しないであろう。
この文では前半の部分が過去のことに関する仮定であるのに対し、後半の部分は現在の事実に反することをを述べています。このように、<過去にもしも~だったならば、今は・・・・だろう>と時制のずれた表現をする場合には、If節には仮定法過去完了、主節には仮定法過去の形を使うことができるのです。これは穴埋め問題で、ひっかけとしてよく出てきます。仮定法の問題が出たら文の最後にnowがあるかどうか、必ず確認するように指導しましょう。
仮定法未来
次は、未来のことに対する仮定の仕方を学びましょう。では、日本語の例から入っていきましょう。
もしも明日、家の前に飛行機が墜落するならば、
などということは、未来にもまず起こる可能性がありませんよね。このように未来にきわめて実現の可能性が低いことを表現する場合には、やはり仮定法が使われるのです。では例文を見てください。
If I should be the president of the United States, I would abolish all the nuclear weapons.
If I were to be the president of the United States, I would abolish all the nuclear weapons.
もし私がアメリカ大統領だったら、すべての核兵器を廃止するだろう。
長くなってしまってすいません。これら二つの例文は未来のことに対する仮定ですが、これを仮定法未来といいます。では公式です。
仮定法未来の基本形
If S1 should V1, S2 would[will] V2
If S1 were to V1, S2 would V2
If S1 should V1 の構文では、主節にはwouldだけでなく、willを使うこともできるので、この部分は注意させましょう。
では最後に仮定法のイディオムを簡単に紹介して終わります。
仮定法頻出イディオム
I wish
}S Vp/S had Vpp SがVすればいいのに/していたらよかったのに
If only
as if [though] S Vp SがVするかのように
as if [though] S had Vpp SがVしたかのように
If it were not for~ (現在)~がないならば
If it had not been for~ (過去に)~がなかったならば
without~ (現在)~がないならば/(過去に)~が
=but~ なかったならば
⇔with~ ~がある[あった]ならば
It is (high/about) time S Vp SがVする時間だ
suppose[supposing](that) S Vp もしもSがVするならば