今回は小学生の子供にとっては難しい「童謡」「詩」について紹介してみたいと思います。ぜひ今回最後に取り上げる詩を使って、生徒さんに詩の難しさ、一方で想像力を働かせる面白さみたいなものを伝えていってほしいと願っています。実は今回取り上げる題材は筆者が中学入試の際に実際に解いたものになります。
詩とは何か?
詩とはそもそも何のことなのでしょうか?「言語の表面的な意味だけでなく美学的な性質をもって表現される文学」などと説明されることがありますが正直わかりませんよね(笑)あまり定義にこだわる必要はないと思いますが、少数の言葉から風景・景色を想像し、さらにそこから筆者の気持ちを考えなければならない点で難易度が高い形式の文章になります。どのような分類があるかをまずざっと見ていきます。
詩の分類
まずは口語詩と文語詩という区別です。
口語詩…現代に使われている言葉で書かれる詩
文語詩…昔い使われていた言葉で書かれる詩
次に形式上の分類を説明します。
定型詩…音数に一定の決まりがある詩。一般的に七語調をイメージしがちだが、それに限られない。
自由詩…音数に決まりが無い詩
散文詩…普通の文章のように書かれた詩
これだと自由詩と散文詩の違いが良くわかりませんが、散文詩のほうが短い言葉で改行されることなどがあまりなく、より普通の文章に近いと言えるでしょう。
最後が内容上の分類です。
叙情詩…作者の心情を中心にうたった詩
叙景詩…自然の風景などを写生的・客観的に描いた詩
叙事詩…歴史上の事件や人物などを中心にしてうたった詩
という分類になります。叙景詩だからと言って作者の心情が重要ではないかというとそうでもなく、景色になぞらえたりして伝えようとしていることもあるので、言外の意味をどれだけ察することができるかが重要になります。
実際に詩の難しさを体感してみよう!
これは実際の入試問題から使わせてもらっています。
夕焼け小焼けの
赤とんぼ
①
オわれてミたのは
いつのヒか
山の畑の
桑の実を
小籠に摘んだは
②まぼろしか
(以下略)
問一 ---①「オわれてミたのはいつのヒか」の部分について、
(1)カタカナは漢字に直した上で、文字の形、大きさを整えて、ていねいに大きく書きなさい。
(2)この詩の中で「オわれて」とは、どういうことですか。具体的に答えなさい。
問二は略
(05年 筑波大駒場)
三木露風の作品「赤とんぼ」の一部ですね。知っていれば別ですが、全くこの詩に触れたことがない生徒がどれくらいこの問題を解けるでしょうか?
ちなみに作者はこの問題で当然のごとく「追われて」と書きました。トンボの大群にでも追いかけられてるんじゃないか!?みたいな理解です。しかし冷静に考えてみるとさすがにおかしいですよね笑
上の問題自体は入試なのでもちろん正解があるわけですが、もし生徒さんに見せていろいろな解釈が出てくるのは良いことだと思います。ぜひ素材として訊いてみてはどうでしょうか?こうして様々な想像をさせることが結果的には国語力の向上につながります。
ちなみに正解はこんな感じです。(実はこれを読んでいる講師の方たちにとっても難しかったのではないでしょうか!?)
問一
(1) 負われて見たのはいつの日か
(2) 幼いころに姉に背負われていたということ
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