こんにちは!この仕事を始めた頃に教えた生徒たちが、すでに保護者になっているベテラン講師(老師?)平山(♀)です!
前回の記事で、これから総合型入試が主流となっていくのに合わせて講師も総合的な人生設計のお手伝いをする必要がある、ということをお伝えしたのですが、今日は具体的にその「人生設計のサポート」をどう行ってあげれば良いのか、について皆様に伝授したいと思います。
目次
・生徒にとっての「人生設計」の定義
・今後状況や希望が変化しても、より多くの選択肢が取れる道
・それぞれに合った「より成功しやすい道」
・選択や変更に柔軟な学校選び
・まとめ
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生徒にとっての「人生設計」の定義
「人生設計」といっても、年代や、学生か社会人かという境遇によって随分と意味合いが異なることと思います。したがって、まずは塾講師が教える先の生徒たちにとっての「人生設計」の定義だけ先にしておきたいと思います。
ズバリ、生徒にとっての「人生設計」とは、
将来を見据えた学校選び
です。
これはなにも、将来なりたい職業を学生のうちから決めろ、ということではなく、なりたい職業が決まっている人も決まっていない人も、現在の自分の立ち位置からこの先にどのような世界が広がっていて、どのような選択肢(可能性)があるのか、ということを具体的に提示してあげた上で、
- 今後状況や希望が変化しても、より多くの選択肢を取れる道
- それぞれの性格や体力、適性、得手不得手から浮き上がってくる「より成功しやすい道」
- 比較的多くの選択肢を取れ、かつ変更にも対応可能な学校並びに、大学なら学部学科
を具体的に示してあげ、自分自身で将来へのロードマップが思い浮かんで来る状況を作ってあげるのが良いでしょう、ということです。
「人生設計なんて大袈裟な!ただの進路相談じゃないの?」と思われる方もいるかもしれませんが、そんなことはないと思います。
将来どんな仕事に就くか、どんな職場で働くかによって人生はガラッと変わります。
同僚、上司の影響力、仕事のやりがいはメンタルを左右し、職場での出会いが結婚につながり、また収入次第で健康で文化的な生活ができるかできないかすら変わってきます。
どんなに本人が望んだとしても、向いていないものもあります。
逆に全く考えもしなかったような仕事が天職だとわかり、大成功を収めることもあります。
例えば、体力があまりなく、気が優しい性格の生徒がいたとして、「一人でも多くの命を助けたいから医者になりたい」と思ったとします。
一生懸命頑張って医学部に行き、国家試験に通って研修も終え、立派な医者になることは可能です。でもこの生徒の心身の健康を考えた時に、本当にそれは一番「向いている」と言えるでしょうか?
周りも常に心配になりますし、何より本人がずっと精神的にも肉体的にもキツい思いをし続けなくてはならないと思うのです。人を助けたいが為に心身をすり減らして寿命が縮まったとしたら、本当に幸せでしょうか?
それでもいいなら、もちろんそれでいいのですが、自分も色々な職種を経験して思うことは、
やりたい仕事と向いている仕事は決定的に違う
ということ。そして、
- やりたい仕事でMAX頑張ってもあまり成果が出ず、悔しい思いも相当する上、あまり喜ばれない
- 向いている仕事は何も考えず手足を動かしているだけなのに日々成果が出て多くの人にも喜ばれ、一切悔しい思いをすることはない
と気づきました。
当然、結果的により多くの人を助けてあげられるのは後者です。
自分が多くの人を助けているという実感があることが、人間にとって最も幸せな瞬間です。この幸せな瞬間が多ければ多い人ほど、輝けるのです。
だから私は進路指導でなく、「人生設計という名のプランニング」を、私の手元にやってきた生徒たち全員に毎年プレゼントをし続けています。
今後状況や希望が変化しても、より多くの選択肢が取れる道
教え子たちの年齢層は中学受験の小学生〜大学受験の高校生・受験準備生まででしょう。
中には小学生の頃から希望する道が絞れている子もいますが、そのような子は100人中2-3人といった感触で、大抵は数年ごとに変わる、ないしは高校3年生になっても全く何も思い浮かばない、という子もいます。
どちらが良い・悪いではなく、どちらのタイプの生徒にも選択肢を与えられる権利があると私は思っています。
希望がはっきりしていても、大学で勉強していくうちに不向きだとわかって転部や再受験をする学生も沢山います。
そういった時に、
「ああ、以前先生が、進むべき道はこれじゃないなと思ったら転部が出来ると言っていたから教務課に相談してみよう。」
となってくれればそれで良いと思うので、会社で言えば終身雇用の考え方でなく、合わなければ転職しようとか、副業しようとか、そう言った「選択肢を柔軟に持っておく」というスタンスを躊躇なく取れるマインドセットを学校選びの段階から伝授してあげられれば、時代にもマッチしていて将来に対してより自由な考え方が出来ると思うのです。
例えば、
- 法学部と経済学部で迷っている高校生なら、それぞれの違いとともに商学部を紹介してあげる。
- 自分が文系なのか理系なのかいまいちわからない中学生なら、双方のコースがある高校を紹介してあげる。
- 意志が弱くて中々希望が決められない小学生には、沢山の学部を持つ大学の附属校を紹介してあげる。
- スポーツや音楽など、一芸がある生徒にはその道でも活躍出来、その道じゃなくなっても勉強が続けられる学校を紹介してあげる。
自分が通ってきた道と照らし合わせながら、いろんな方向に転べるプランを考えてあげると、とても喜ばれます。
それぞれに合った「より成功しやすい道」
私は塾でも家庭教師でも、担当することになった生徒のことを、
この生徒はどうやったら最も輝くか?
と思っていつもじっくりと観察しています。
そうすることによって、意図せずピッタリの学校やピッタリの職業が閃くことがしょっちゅうあります。なので、遠慮せず言うようにしています。
「ねえねえ、警察官があってそうだと思うんだけど、どう?」とか、「今キミが看護師として働いている姿が急に舞い降りて来たんだけど、なんでだろう?」とか。
「考えたことなかったけど良いかも。」とか、「それだったらこっちの職種の方がいいです。」とか、向こうも率直な意見を返してくれるので、そこから色々と一緒に妄想を膨らませるのです。
実はこの妄想合戦が大切で、そうやって少しでも将来について考えたり具体的な話を聞いてみたりすることで、生徒自身でもあれこれ希望を出してくるようになります。
また、こちらが思ったことを言う時には必ず、どうしてそう思ったか理由を添えてあげるよう心がけています。
「XXさんは〜が得意だから、こういう仕事がピッタリだと思うよ。」
「○○さんは気遣いが上手だから、こんな仕事はどうかな?」
といった具合です。
生徒としても、良いところを言われると悪い気はしませんし、意外と認識できていなかったりもするので、教えてあげることによって自己肯定感UPや自己分析にもつながります。
そうやって、一緒に輝ける道を探してあげる作業それ自体が、まずは立派なプランニングだと私は信じています。
選択や変更に柔軟な学校選び
受験するにしても、具体的に希望が絞られている場合にはそれに合った学校を探せば良いですが、何も思い浮かばない!と言う場合は結構本人が困るものです。
そんな時は、将来像という軸ではなく、進学先の学校という軸で可能性を共に模索してあげるのが良いでしょう。
少し前に、大学には進学したいが特にやりたいことも決まっておらず行きたい学部が決められない、といった学生向けに複数の大学で「リベラルアーツ学部」なるものが作られました。
入学してからどの学部の講義でも受講できるので、在学中に色々受講してみて、卒業までに進路を決める、というスタンスの学部です。
これが最近では高等学校でも、学習の方針として取り入れているところがちらほら出てきました。
こういった考え方を採用している学校に行けば、先生も一緒になって進路選びをしてくれるので、そういったところをいくつか紹介してあげるのも良いでしょう。
あと私が良く提案するのは、大所帯の大学の附属校です。
大所帯だと医学系あり、スポーツ系あり、芸能系あり、文化系あり、国際系あり・・・と、かえって迷ってしまって決めかねるほどの選択肢があります。
附属校在学中に、説明会などでどの学部が自分にあっているかを何度も聞くチャンスがありますので、その間に考える、と言った方法は中々決められない人にとっては救世主のような方法です。
まとめ
さあ、今日もまた長々と語ってしまったのですが、人生設計のサポーターとしてのイメージを掴んでいただくことは出来たでしょうか?
おさらいとして、以下にやるべきことを改めて書いてみます。
- 向き不向きや希望を鑑みて、将来考えられる素敵な道をいくつか提案してあげる
- それぞれの道に必要なパスを具体的に示してあげる
- 自分の体験談も交えつつ、目先にある学校選びを一緒に行なってあげる
これだけですが、簡単に出来そうに見えて思ったほどは簡単ではないんです。
コツは、職業に詳しくなることでも、学校に詳しくなることでもありません。
生徒のことを よ〜〜〜〜〜〜〜〜〜く、穴の開くほど観察すること。そして、自分の進路だと思って、真剣にプランニングしてあげること。
この2つさえ出来ていれば、あなたも必ず、良い人生設計がしてあげられると思います。
よく食べ、よく教え、よくプランニングして、塾講師の私たちで力を合わせて、日本の未来を変えてきましょうね!!
本日もご清読、誠にありがとうございました。
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