【講師の受け入れ・定着】退職者・辞退者を出さないために今すぐやるべきこととは?
1.イメージと現実の違いが応募者に与える影響
塾について求職者が応募前に抱くイメージと、実際に面接や研修などの機会で知った姿のギャップは、採用決定時点から実際に勤務に就くまでの間に辞退しないかどうかに大きく影響します。指導内容、指導形態、雰囲気、労働条件など、ギャップが生じるポイントは多々あるかと思いますが、今回は実際に講師になった方が選考過程及び勤務に就いた際に感じた良いギャップ、または悪いギャップをご紹介しながら、どう対応すればよいか考えて見ようと思います。
なお、以下に掲載するコメントは実際に塾講師ステーションへ応募していただき、その後勤務に就かれた方からいただいたアンケートを基にしています。
2.応募者にプラスの印象を与えるギャップ
応募者にプラスの印象を与えるギャップとしては、塾という固いイメージを払拭するもの、懇切丁寧な対応、研修システムの厚さなどが多いようです。いずれも講師の勤務環境を整えるのみならず、生徒さんにとっても利益が享受される内容であるため、このような点を心がけることは塾経営において非常に重要です。
Aさんのケース
【閉鎖的ではなくアットホームな塾でした】
以前は、個人指導塾だから講師同士の関係も希薄で会話があまりないものだと思っていましたが、そういったこともなく安心しました。また、長い期間働いている先生から声をかけてもらえるなど、精神的にも負担がなく仕事に向いている環境だと感じました。生徒自体も、物覚えのいい子が多く、中途半端に指導するのではなく、成績を上げられるような指導をしなければいけないなと感じました。集団とは違いますが、閉鎖的ではない環境で満足しています。
Bさんのケース
【進学塾という感じがなくとてもアットホーム☆】
正直なところ、進学塾という感じではなかったです。**近辺の生徒さんが多いのもあるのか、とてもアットホームな雰囲気で、生徒さんとも親御さんとも距離が近く、その分難しい部分もありますが、やりがいもあります。
Cさんのケース
【勉強をすることの楽しさを教えることも大切!】
最初塾講師とはとても堅く、先生という存在を存分に出していくイメージが強くあったので、すごく頭が良くて真面目でキチッとした人じゃないとできないのではないかと思っていた。しかしここの塾に来て塾長の話を聞いていると、頭が良くて真面目なのは大切だけど、もっと大切なのは生徒さんの心を掴むことなのだと思った。勉強だけを教えるのではなく、勉強することの楽しさを教えることや生徒さんと楽しくコミュニケーションをとることも、塾講師の仕事なのだと感じた。
Dさんのケース
【サポートがしっかりしていて安心です!】
まだ新しい校舎なので内装も綺麗で片付いており、とても雰囲気のいい教室だった。塾長もカジュアルで話しやすく、教室全体で生徒の学習をサポートしている感じがする。また研修もきちんとしていて、新人にとって難しいこともしっかりサポートしてくれているので安心することができた。
3.応募者にマイナスの影響を与えるギャップ
反対に、応募者が描いていたイメージと現実のギャップが応募者にマイナスの影響を与えてしまうこともあります。
研修が思ったより空疎であった、イメージしていた雰囲気と違った、対応が冷ややかだったなど、些細なことでも大きなマイナスの印象を与えてしまうことがあります。
Eさんのケース
【初っ端から…】
最初から模擬授業だったので、私が抱いていた研修のイメージとは異なっていて、少し戸惑いました。実践を大事にしているのだなと思いました。
Fさんのケース
【授業の進め方についての説明がありました】
特に研修はなく、授業の進め方の口頭説明が1時間半ほどありました。
4.応募者に良い印象を与えるには
プラスのギャップを感じるときは、応募者にとってはごく当たり前と感じていること以上のことが塾側から提供され、反対にマイナスのギャップを感じるときは応募者にとって当たり前と感じていることが十分に塾側から提供されなかったということです。
塾は決して固い側面だけではないということも、塾側からすれば当たり前ですが応募者は固定観念を持っている場合が多いようです。研修も、塾側にとっては授業の進め方は大体決まっていて簡単であり、改めて教えるほどのものではないと思っていても、応募者にとっては不安に感じる部分が多いようです。
大切なことは、相手の立場に立って求めている以上のことを提供するということを常に心がけることだと言えそうです。これは決して講師への対応に限った話ではなく、生徒に対しても同じであるかと思います。