これが原因だった!応募者を増やすために求人文面に盛り込みたい2つのポイント
塾講師情報局ではいくつか応募者増加のための策や、求人文面の書き方のコツをご紹介してきました。しかし、求職者の方が求人記事を見て実際に応募しようとする際にどんなことを感じているかは、定量データのみで測ることが難しいという現状がありました。
そこで今回、塾講師情報局では、実際に塾講師ステーションを利用していただいている(もしくは利用していただき、すでに講師として勤務されている方)求職者の方にヒアリングを行いました。
応募時にどんな点を重視するか、どんな情報を良く見るか、応募するときにどんなことを考えているか(不安はないか)などを聞いていくうちに、求職者の方が実際に応募することを妨げてしまうあるハードルがあることがわかりました。
今回はこのハードルと、それらを解消するためには求人文面にどのような工夫を施せば良いかをご紹介します。
①応募先を選ぶにあたって、本当に重視しているポイントとは
まず一般に、求職者の方が応募先を決める際に重視しているポイントとしてあげられそうなのが、時給、コマ数(勤務日数)、家や大学からの所要時間などです。
しかし、時給については、実は必ずしも重要とは言えないようです。
塾講師の仕事では全体的に、一般のアルバイトよりもコマ給が高いため、塾講師の仕事の中でさらに時給が高いところを求める求職者は少ない印象です。逆に、時給が高すぎると、それに見合うだけのサービスを提供できるかが不安になってしまうといった求職者の方もいました。過去に弊社で実施した「応募につながる要因の分析」でも、時給が応募者数に与える影響はかなり小さいことがわかっています。
では、求職者の方がもっと重視しているポイントとはいったい何なのでしょうか?
実は、定量データからはわからない、学習塾についての定性的な性質がかなり重要視されているようです。例えば、どんな雰囲気の塾か、どんなルールや慣習があるのか、教室長はどんな人で、どんな考え方をする人なのか、といった具合です。
どんな雰囲気の塾か
ガツガツ受験勉強をする学習塾なのか、アットホームな補習中心の学習塾なのか、講師間の雰囲気はどんな感じなのかなど、塾の雰囲気というのは、働く上で自分に合っている職場かそうでないかを判断するのに重要な材料となります。こういった情報が求人情報にない時点で、求職者の応募先候補からは外されてしまう可能性が大きいです。
どんなルールや慣習があるのか
学習塾は十人十色ですので、宿題のルールや自習のルール、予習復習ついての慣習など、塾によってさまざまな違いがあることかと思います。例えば自分も生徒として通っていた塾の場合は、こういったルールや慣習を良くわかっている状態で勤務に就けますが、そうでない場合はどう振る舞うのが正解かわからず、勤務にあたり不安があるといった求職者の方が多いようです。
教室長はどんな人で、どんな考え方をする人なのか
働く上では、責任者の方と良い関係が築けるかどうかも重要なポイントです。教室長の方と性格や考え方の面であうかどうかを気にしている求職者の方も多いようです。
②「応募」の持つ意味について
「応募」ボタンを押すことにどんな意味があるかわからず、応募を躊躇してしまう求職者も多いようです。
春先には特に大学新1年生からの応募が増えますが、塾講師への応募が初めてのアルバイト応募という人も少なくありません。もっと言えば、塾講師への応募が、学校・家庭の範囲を超えた社会とのかかわりが初めて生まれる場であることもあるのです。そんな求職者にとっては、特に以下3つの点について悩んでしまうことがあるようです。
話を詳しく聞くところからのつもりでいいのか、勤務前提なのか
応募する=私は絶対貴塾で働きたいです、の意思表明になってしまうのかどうか悩んでいる方がいるようです。応募というと、一見、求職者が実際に勤務できるかどうかの選択権は塾側に委ねられているように感じますが、面接などで直接塾についての説明を聞いたり、教室長の方とお話できることは、応募者の方が本当にその塾でいいかどうかを決める上での重要な判断材料ともなります。つまり応募後のプロセスは、求職者にとっては選ばれるのをただ待つのみではなく、自らも選択をしていくプロセスであるはずです。求人文面上のみで自分に適した職場環境であるかを判断することは相当困難です。
応募=絶対働きたいの意思表明と勘違いしてしまっていると、応募ボタンを押す心理的ハードルも自然と高くなってしまいます。少しでも気になったら応募して大丈夫です、といったような説明が1文あると、応募のハードルも下がることでしょう。
併願していいのかどうか
併願していいのかどうかも求職者にとっては悩ましいようです。
早く勤務先を決めたいので、不採用だった場合に備えて複数応募した気持ちはあるものの、複数合格となってしまった場合に辞退するのは申し訳ない(気が引ける)といった方がいるようです。
こちらに関しては辞退されるリスクを考えるとあまり併願はしてほしくない、というケースもあるかと思いますが、併願をNGにすると応募者が減ってしまうのもまた事実です。双方のメリットデメリットを考慮したうえで、求人文面上でしっかりと立場を明記しておくことが採用活動を成功させる上では重要です。
まとめ:求職者が安心して応募できる状態をつくることが大切
今回紹介した、求人情報の不足と、「応募」が持つ意味についての齟齬は、連鎖的な問題です。定性的な求人情報が少なく、かつ応募ボタンを押したらもう断れないと感じてしまっているとしたら、応募へのハードルが高くなってしまうのも当然です。
いずれも求職者へ応募に際して何らかの不安を抱かせてしまっているということが問題の根幹にあります。求人作成の際は求職者の立場に立つ(特に初めて社会と関わることになる大学新1年生の立場に立つ)ことが重要です。もちろん、立地条件や給与面、指導形態などが合わずに応募に至らないこともあるかともいますが、いずれにしても今回ご紹介したような求職者の応募時のハードルを少しでも低くすることは応募者を増やすための絶対条件です。是非今一度、求人文面を見直してみてはいかがでしょうか。