部活→勉強!スイッチを切り替えさせる4つのポイント!【受験生指導】
部活引退→受験勉強 切り替えのコツ
部活を続けてきた三年生にとっては、引退してからが受験勉強の本番です。
部活をしてこなかった人たちと比べると不利に感じますが、
これまで鍛えてきた体力や集中力を活かせば、挽回はもちろん、大逆転も可能です。
最も大切なことは引退した直後、部活中心の生活から勉強中心の生活にいかにスムーズに切り替えられるかです。
もくじ
- 本質は似ている 部活と受験勉強
- 間隔はおかず、切り替えは一気に
- 大会などに代わる目標を立てよう
具体的目標を聞いてみる
モチベーションを高める目標を立てる
- 部活の仲間と勝ち抜く
部活の仲間を勉強の仲間に
受験勉強中の息抜きの仕方には注意を!!
- まとめ
本質は似ている 部活と受験勉強
部活で大会やコンクールを目指す道のりと、受験で第一志望校を目指す道のりは多くの点で似ています。
- 目標に向かって努力するということ。
- 基礎の反復練習が大切であるということ。
- 部活では練習試合や紅白戦、受験勉強では模試や実力テストという日々の成果を試す場があり、どちらも終わったら次に向け対策を練らなければならないこと。
- 自分や相手をしっかりと把握することが勝利(合格)につながるということ。
このように、少し挙げてみただけでも共通点はけっこうあります。
今回はこの部活と勉強は似ているという観点を用いて、
生徒に部活から受験勉強へうまく切り替えさせる方法
を紹介していきます。
間隔はおかず、切り替えは一気に
部活引退後は、しばらくゆっくりしたいという生徒が多いですが、部活に注いでいた情熱をそのまま勉強に振り替えさせたいところです。
せっかく続けてきた習慣、そして高まっていた熱い気持ちを勉強に生かすには、
<徐々に>ではなく、<一気に>が大切なのです。
放課後、部活に励んでいた時間を勉強にチェンジさせることがまず有効な第一歩です。
家に帰ると気持ちが緩んでしまいがちなので、学校や図書館で勉強するように指導しましょう。
朝練や昼練をしていた生徒はその時間も勉強に活用させたいところです。
強調するようですが、ポイントは<一気に>です。
大会などに代わる目標を立てよう
多くの生徒が部活に熱中できる理由の一つが、「県大会に出場すること」、「自己記録を更新すること」などの目標がはっきりしていることです。
その大きな目標の前にも具体的な目標がしっかりと立っているはずです。
例えば、「大会の出場メンバーに選ばれること」、「この日までにタイムを伸ばす」などなど、
部活経験のある講師の方にはよくお分かりいただけると思います。
では、具体的な目標を立てるということが、学業となると難しいことに感じてしまうのはなぜでしょう。
・・・それは、大きな目標を立てられていないからではないでしょうか。
受験の目標と言えば、言わずもがな志望校ですよね。まずはこれを決めることが重要です。
決まっていない生徒にはとりあえず仮の志望校を決めさせ、他の学校との比較、検討を講師の方は積極的に進めましょう。
この時期は講師の方は生徒がだらけないように勉強に集中させようと躍起になりがちですが、その勉強のモチベーションの基盤ともいえる志望校を決めることにも重点を置いて指導してください。
具体的目標を聞いてみる
また、部活でも同じでしたが、実際に自己の熱意を奮い立たせているのはより現実味があり、手に届く位置にある具体的な目標のほうです。
志望校というものは大体のものが時間も実力も現在の自分からはほど遠いものです。
志望校がもともと固まっていた生徒は自然と小さな目標を自分の中で立てていき、効率よく勉強を進めていきますが、部活で忙しく志望校など考えたこともなかった生徒は志望校が決まり、そこで満足してしまうことがあります。
具体的な目標がないと、だんだん志望校が現実味のないものになっていきます。
受験寸前になって、ここは無理だからここでいいやとだいぶ下のところに落ち着くなんてことが、今までで実際に何回かありました。
私自身生徒の第一志望が決まって、一安心してしまったということありました。
なので、
講師の方は志望校が決まった後も、まず何を目標に目指していくのか、身近な目標も聞いてみてください。
志望校の配点は英語が高いのでまずは英語の偏差値を上げる、次の模試までに志望校評価をBまでに上げる、などなどぱっと出てくるようであれば心配はいりません。
具体的な目標をすぐにいえるということは、現時点での自分の実力をはっきりと把握している証拠でもありますからね。
自分の力量が図れるということは受験を生き抜く中での重要な要素です。
そういった意味もこめ、第一志望校が決まったからと言って当分はほったらかしにせず、受かるために今何を勉強しているのか、少し突っ込んだ質問をすることを講師の方は心がけてみてはどうでしょうか。
モチベーションを高める目標を立てる
先ほど説明した具体的な目標の重要性からいえることですが、
講師の方は生徒には、部活と同じような目標の持たせ方をさせましょう。
まず大きな目標(第一志望校)。
そして、それに向かうまでの小さな目標(具体的な目標)。
部活が終わり、時間がある程度経過しても志望校が定まっていない生徒は結構います。
私の経験上、いつまでたっても志望校があやふやな生徒は、勉強に身が入らず、成績もいまひとつです。志望校は早めに決めさせることを頭に入れておいてください。
講師の方は気になる学校をいくつか聞いて、オープンキャンパスや説明会などの日程を調べてあげるなどのサポートを心がけましょう。
部活の仲間と勝ち抜く
部活の仲間を勉強の仲間に
部活が終わったからと言って同じ部活だった友達とこれっきりだということは少ないと思います。
元部活仲間とは互いに刺激し合うことを勧めましょう。
部活での実力を知っているからこそ勉強でも競争心がわくというものです。
しかし、ここで注意したいのが刺激と言っても一緒に勉強すればいいと言うことではありません。
それだと話し込んでしまい逆効果になってしまう可能性があるので、たまに言葉を交わしたときに勉強での成果を簡単に聞くぐらいに留めておいたほうが効果的です。
生徒には常に「今あいつは頑張っているから、俺も」と思わせることが重要です。
点数などを競い合うことはもちろん、この時間、この期間はメールやラインを控えようといろいろな約束事をしてお互い勉強に集中できる環境をつくることを生徒に促しましょう。
これも部活と同じです。最高のグラウンドでやる練習と凸凹で窮屈なグラウンドでやる練習とは質が違います。
勉強も同じで、まずは集中できる環境を作り上げることが成功へとつながるのです。
受験勉強中の息抜きの仕方には注意を!!
よく息抜きと言ってスポーツ(自分のしていた部活)やゲームをし始める生徒が受験勉強を始めて数週間たつと何人か出てきます。
これは要注意です。
私自身受験生だったころ、サッカー部を引退した後によく近くの公園にサッカーをしに行っていました。
このような息抜きは習慣化されてしまうのです。
習慣化されたことは生活の中で徐々に回数が増えていくということです。
月一での息抜きが週一の息抜きに、週一の息抜きが週三に…。
一度のゆるみがじわじわと広がっていってしまうのです。
ゲームや自主練はだんだんエスカレートし、している時間、回数が増えたり、またそれらの疲労から勉強への妨げになってしまうことがあります。
ですが、だれにでも息抜きは必要です。
ではどのような息抜きの仕方が受験生には適切なのでしょうか?
それは集団での息抜きです。
例えば、
定期テスト終わり、模試の帰りなどにそのままみんなでどこかに遊びに行く…など
そのような息抜きの仕方を受験生たちに勧めています。
一人での息抜きはいつでも自分がしたいときにできてしまいます。
ですが、集団での息抜きは友達と予定を合わせなくてはならないのでそう簡単には出来ません。
特に塾に頻繁に通っている受験生は尚更です。
息抜きは一人ではなく複数、友達とすることであるということを指導してみてはいかがでしょうか。
まとめ
受験生は常に不安です。
受かるか受からないか、本人たちにとってはそのようなシンプルなものでは決してありません。
親や先生からの期待、プレッシャー、友達と比較したときの焦燥感、テストで結果が出ないと一気に自信を無くしてしまうなんてことは受験生にとっては日常茶飯事です。
受験はこれほど激しく生徒の気持ちを揺さぶるものです。
そしてこのような中でも自分の感情をうまくコントロールできる生徒が合格すると私は思います。
私達講師は、まず、
受験に耐えられる環境を生徒たちに作り上げさせることに全力をそそぐべきです。
部活→受験の切り替えは一気に!
大きな目標と、それに伴う小目標を立てさせる
部活の仲間と受験を勝ち抜く
息抜きはみんなで行う
今回紹介したことは受験勉強への基盤になるものです。
しっかりとした基盤の上でなければ勉強ははかどりません。
講師の皆様は夏休みに入るまでにしっかりと受験に適応できる環境づくりを生徒にさせましょう。
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