今からでも知っておきたい!【模試】の効果的な活用法とは?
模試を活用して合格に近づく!その効果的な活用法とは…?
受験生・講師のみなさまこんにちは!
人材教育コンサルタントの上田一輝です。
この時期に多いのが「模試」。
夏が明けてから、土日いずれかはいつも模試を受けていた記憶がある…という塾講師の方も多いのではないでしょうか。
今回は
- なぜ秋に模試が多いのか
- 模試の注意点と効果的な活用法
の2点について、詳しくお伝えしてまいります!
なぜ秋に模試が多いのか
具体的な志望校が固まる時期だから
他の記事にも述べましたが、夏明けの成績を見て、最終的な受験校・志望校を決める人がほとんどです。
具体的な志望校が見えるようになると、そこに向けてどれだけ、点数を伸ばす必要があるのか…と逆算したくなりますよね。
そのため、たくさんの方が一斉に模試を受けるようになります。
また、志望校が固まっていない生徒に対しても、模試は有用です。
なぜなら、成績から“あなたは〇〇がチャレンジ校、△△が実力相応校…”と教えてくれるためです。
(だから学校で一斉に受験させるわけです)
学校単位の受験が増え、母集団が増えるから
先ほど述べたとおり、中3・高3になると、学校単位での受験が増えます。
これは模試の合格判定における信頼性を、大いに高めることになります。
例を挙げて考えてみましょう。
中1模試の場合は「中1で塾に通っていて、かつ意欲が高い生徒」しか受験しないため、必然的に偏った偏差値になりがちです。この点において、秋に開催される模試は様々な生徒が受けるため、特に公立高校模試・大学センター模試において、より正確な数値が反映されます。
全範囲から出題できるから
秋以前の模試では、学習進捗を考慮しながら模試を作成する必要があります。
実際の試験とは異なる、限定された範囲でしか作問できないため、どうしても範囲の得意・不得意によって差がついてしまうケースもあります。
塾によって進度も違うため、ときには全く知らない箇所が出題されてしまうことも…。
この点においても、秋以降の模試は”原則として”すべての範囲から出題。
そのため、実際の入試問題に即した形で受験することができます。
模試を受け続けるだけでは意味が無い?!
今まで述べてきたとおり、秋以降の模試を受験し、自分の学力を客観視することはとても重要です。
しかし、ただ受け続けるだけでは意味がありません!その理由は3つあります。
見直し・解き直しをする
模試は多くの講師が「今、この時期にしっかり学習できていないとまずい!」と考える問題を出題します。
つまり、その年の受験を見据えて、講師が総力をあげて作成した”最高峰の問題集“と捉えることもできるでしょう。
ですから、見直しをしないのはとてももったいない!
必ず見直しをしたうえで、同じ問題をもう1回、解き直すようにしましょう。
また、この時期には「わかる!」だけではなく「(何も見ずに)解ける!」ことが必要です。
ただ解説を読むだけでなく、もう1回同じ問題が出た時に、確実に解けるように復習をしましょう。
とはいえ、模試には満点を取らせないため、難問・奇問が含まれているケースもあります。
一つの基準として”受験者の正答率が30%を下回る問題”については、解説を読むだけで十分でしょう。
惰性で受けないように
連続して模試を受験していると、つい「また今週末も模試か…適当に受ければいいか」と、惰性で受験してしまう生徒が目立つようになります。
ですが”現時点での学力を正確に把握する”という目的を考えれば、決して手を抜いてはいけません。
本番と同様に時間管理を行うことはもちろん、体調管理も併せて行うようにしましょう。
たまにはリフレッシュする時間を!
土日も模試があると、2週間ずっと勉強し続けることになることもあります。
もちろん、受験直前期は「常に勉強し続ける!」という意志が大切です。
ただ、さすがに1ヶ月以上、全く休みなく学習するのはとても辛いもの。
よほどの事情がない限り、ときにはリフレッシュタイムを設けることも考えましょう。
その際は、やめ時が難しい、ゲームやスマホは息抜きとしては適していません。
個人的には、
- 外を散歩しながら、自分が合格する姿をイメージする
- 家族に、自分が好きな外食に連れて行ってもらう
- ジムなどで運動した後、スーパー銭湯などに行く
など、ダラダラしないリフレッシュ方法がおすすめです。
模試をしっかり活用するために
最後に、模試を活用するために知っておくべき3つのポイントをお伝えしていきます。
学習サイクル(習慣)の中に組み込む
「模試がとても良い問題集となること」は先ほどお伝えしましたね。
しかし、きちんと復習しようとすると、実は丸一日近くかかります。
これをただやみくもに、日頃の学習サイクルに詰め込んでしまうと、学習量が多すぎて終わらない…ということになってしまいます。
無理して学習量を上乗せすると、ひとつひとつのやり方が疎かになり、かえって効率を下げることにも繋がりかねません。
そこで、9月以降の学習計画の中に、必ず“模試を復習する時間”をどこかで確保し、代わりに何かの勉強を諦めるようにしましょう。(個人的には、得意科目の暗記単元を削ることを薦めます)
模試の結果で一喜一憂しない
模試の結果はどうしても気になるもの。
つい、偏差値が”3上がった””4下がった…”と一喜一憂してしまいがちです。
これは模試の本質とはかけ離れたものですので、やめるようにしましょう。
確かに模試は、現時点での客観的な立ち位置(学力)を示してくれます。
しかし、(センターそっくり模試などを除き)実際の受験問題とは大きく異なるものです。
基本的に模試は誰もが"そこそこ”解けるよう、一般的な問題を出題します。
そのため、模試の合格率=本当の志望校合格率とは限らないわけです。
試しに志望校の問題と見比べてみてください。
全然違うことが実感できるのではないでしょうか。
また、しょせん結果は結果であり、あなたの努力や意欲を否定したものではありません。
ですからあまり感情的にならず、淡々とやるべき復習を行うことが、合格への近道となります。
※塾講師の先生へ
上記の通り、模試と実際の入試問題は大きく異なります。
模試だけで生徒の努力や受験校を判断しないように注意しましょう。
また、保護者の方は授業中の態度や宿題の提出率などを知らないため、つい模試だけで生徒の学習態度を判断してしまいがちです。
もし生徒が自宅で保護者に責められていてつらそうであれば、一言ご家庭にフォローしてあげると良いでしょう。
模試を通して、“今やる”分野を知る
模試の良い点の一つとして、”他の受験生がどこを得意としているか、苦手としているか”が客観的に見えることが挙げられます。
例えば、平均正答率が70%なのに、自分が間違えている問題は「他の受験生は解けるのに、自分が苦手としている分野」になります。
私はよく「苦手分野は落とさず得点し、+α(アルファ)で合格する」と伝えています。
これは、ライバルがきっちり取ってくる問題は落とさずに得点したうえで、皆が苦手としている分野で少しでも点を取ることができれば合格する、という考え方です。
この時、模試はまさに”自分に足らない部分はどこか“を明確にすることができます。
正答率が高いのに間違ってしまった分野・問題は、点が取りやすい箇所ですから、労少なく点を取ることができます。
ぜひしっかり復習をして、次の模試に備えるようにしましょう!
まとめ 模試を活用して合格をグッと引き寄せよう!
以上、模試の注意点から活用法までをまとめさせて頂きました。
土日も学校や塾・予備校に通い、気がついたら2週間連続で勉強していた…というのはよくあることです。
長い受験生活の中で、秋はまだゴールが見えず、それでいて生活がしんどくなる、かなり厳しい季節ではないでしょうか。
ですが、どんな苦しい時期にも終わりが来ます。
今、頑張って模試を受け続け、復習することは間違いなく、合格可能性をグッと引き上げてくれます。
読者の皆様が模試を活用して、合格を勝ち取って頂けることを願い、結びとさせて頂きます。