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保護者面談で気をつけたい3つのポイント

2021/12/17
 受験シーズンは、該当学年でなくてもそわそわするものです。受験生だけでなく保護者もまた、受験をリアルに感じる緊張感のある時期になります。この時期にしっかりと次の学年へのケアが出来るかどうかが、在塾生にとってその塾の価値を決める重要なポイントになります。今回は、在塾生ケアの中でも重要度の高い、保護者面談時に気をつけたいポイントを3つまとめてみました。
 

その面談がなんの目的で行われるのかを明確にする。

 
 まず、面談を行う際に気をつけたいのは、その目的です。面談担当の講師に理由を質問すると、「面談の時期だから」「頼まれたから」などという身も蓋もない回答が返ってくることもしばしばです。面談も講義と同じで、目的意識がなければクオリティーの低いものになってしまいます。
 
 ただでさえ、一般的な面談は15分から30分程度という短時間で行われます。その時間内ですべてのテーマや要素について話すのは難しいですし、かといって総合的な話に終始すれば抽象度が高くなり、問題解決には繋がりにくくなります。授業態度や成績の変化、また学校情報や特定の教科についてなど、いくつかのテーマを絞って、具体的な話をすることで問題点を共有し、解決に向けてご家庭と協力する体制を作りやすくることができます。
 

志望している進路と現状のギャップを主観・客観両面から伝える。

 
 塾や予備校に求められていることの大半は、志望校合格と学力向上です。ですから、偏差値や受験情報など客観的なデータを求められているように感じるかも知れませんが、現在では多くの予備校や教育機関がインターネット上にデータを掲示しています。もちろん、そういった情報提供も必要ですが、多くの保護者はネットで調べれば分かるような情報を求めてわざわざ面談に足を運んでいるわけではありません。「この住所でこの偏差値だと、この学校が妥当ですね」「この学校を受験するなら、もう少し頑張った方が良いですね」というような誰でも判断できるような話を期待して来ているわけではないのです。
 
 では、どんな情報が必要かというと、主観的な情報、言い換えれば担当講師の経験を元にしたプロフェッショナルな分析や、具体的な対策を求めているわけです。偏差値からは見えない、学校ごとの出題傾向や問題形式との相性や、授業中の様子やノートの取り方、授業中の発言や休み時間の様子など、データにはならない情報がたくさんあります。その中から必要な要素をピックアップして、志望校合格や学力向上へ繋がるアイデアを伝えることに面談の価値があります。
 
 保護者が知らないことで、自分が知っていることを伝えて、はじめて意義があると言えますが、保護者が知らないことの中には、知らない方が良いこともあります。生徒との信頼関係を壊しかねない内容で、保護者が知らなくても問題ないようなことを言わない配慮も必要です。
 

家庭や学校での状況など、講師が知らない情報を聞き出す。

 
 最後にもう一つ、講師が保護者と話す必然性のひとつに、講師自身が知らない情報を引き出す機会であることが上げられます。とくに家庭学習の様子や、学校で様子など、本人が積極的に話さないことの中に、解決すべき問題があることも多いです。家庭のことに干渉するのは塾講師の仕事の域を超えているという意見もありますが、知っているだけで対応できることは沢山あります。家庭の問題に闇雲に首を突っ込んだり、解決しようとしたりするのではなく、あくまで情報として持っていることで生徒に対する配慮がしやすいと言うことです。
 
 両親や兄弟の学歴などが必要以上にプレッシャーになってしまっているケースは案外多く、そういったことへのケアも知っていれば可能です。もちろん、ある程度、話をして頂くためには生徒だけでなく保護者との信頼関係も大切になってきますから、講師の日々の言動や対応など常に誠意が必要です。教室長やマネージャは授業以外の面の観察や指導をすることも肝に銘じたいところです。

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