塾講師の時間外労働を減らすコツ9点!【新人講師必見】
時間外労働を減らすテクニックを伝えます!
皆様こんにちは!人材教育コンサルタントの上田一輝です。
前回は「塾講師とコスパ」をテーマに、
■ 時短勤務が可能であること
■ 意外と稼げるうえ、割がよいバイトであること
■ 働く時間が限られている方に、幅広くおすすめできること
といった内容を紹介してまいりました。
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コスパを考えるなら塾バイト!その理由は?【大学新1年生必見】
しかし、それでも塾業界に入ることをためらってしまう方がいるのも事実。
その理由を伺ったところ「見かけの時給は良いが、時間外労働が多くて大変そう…」と感じていることが多いことがわかりました。
確かに、インターネットで塾講師の生の声を検索していると
僕は研修期間の3ヶ月で辞めてしまったので、時給は研修期間として1800円だ。もしこれからも続けるのならば時給2100円になる。こう書くととてつもなく良いバイトのように見えるのだが、実際にこの金額がそのまま時給になるわけではない。この金額は「授業をした時間」への時給になるのだ。授業は基本的に50分になるので、それだけしかもらえない。授業の準備や黒板を消したりしていれば50分授業でも一時間働くことになるのだが、50分授業分しか貰えない。オフィスで待機していた時間に仕事が無かったら、拘束時間にもかかわらず時給が発生しないのだ。
(出典:http://d.hatena.ne.jp/coconutsfine/20090212/1234415385)
時給1000円!2000円…とあったとしても、授業計画(予習・教材準備・プリント作成)で時間はかかるし、生身の生徒に対して授業をするので例えば、部活で遅れてきた生徒に無料で補習というケースも、経営にもよりますが有ります。
(出典:http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1211083407)
といったような「塾講師は時間外労働が多い!」というコメントが目立ちました。
確かにいくら見かけの時給が高くても、このような状況では決して“コスパが良い仕事”とは言えませんよね。
そこで、今回は、
いかに時間外労働を減らしながら働くか、をテーマに、実質時給を上げる、具体的なテクニックをお伝えしてまいります。
塾講師は時間外労働が多く、大変そうだ…と尻込みしている方や、現在塾講師で、時間外労働が多くて困っている方はぜひ最後まで目を通してみてくださいね!
そもそもどのような業務が時間外労働に繋がるのか
最初に塾講師の労働時間イメージを見てみましょう。
下の図をご覧ください。
より詳しく解説していきましょう。
業務内容
17:00~17:30 授業準備 ※時間外労働
・授業前ミーティング(責任者・各科目担当者との打ち合わせ。集団指導に多い)
・白衣を羽織る(私服OKの塾に多い。スーツの塾は事前に着用していく)
・生徒の出迎え(受付の人数が少ない塾では実施することが多い)
・その他、同僚との共有
17:30~19:00 授業
・宿題添削(この事例では、授業内テスト中に行っているようです)
・授業(集団指導の場合、板書案作成も必須になります)
19:00~19:30 授業後業務 ※時間外労働
・指導報告書の作成(多くの個別指導では必須です。1人につき1枚、5~10分ほどかかります)
・次回の教材用意(必要であればコピーを取ります)
・室長への報告・共有
表面時給と実質時給
この場合、労働時間は17:00~19:30の2時間半、となりますね。
ただし多くの塾では、給与は授業時間+みなし手当(だいたい数百円程度)となっていることがほとんど。
仮に時給2000円、手当500円だった場合は、今回のお給料は3500円となります。
従って実質時給は3500円÷2.5時間=1400円となるわけです。
※ この計算はあくまで一例です。実際の条件や勤務時間は塾ブランド・教室ごとに異なりますので、ご注意下さい。
…さて、いかがでしょうか。
意外と授業時間以外の業務も多いなぁ!と感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、塾講師は授業外にやる業務の“種類”は多いです。但し、それぞれにかかる“時間”は数分程度のものがほとんど。
そこで、いかに効率的に、細々したタスクを処理していくか…ということになります。
(参考)時間外労働であることが多い業務一覧
■ ほぼ全ての塾ブランドで給与が発生しない
・予習、授業準備
・着替える時間(私服OKの場合は不要)
・講師オリジナル教材の作成(無理してやる必要はありませんが…)
・授業間の空き時間(労働時間ではないですが、授業のスキマ時間は無給になります)
■ 塾ブランドにより有給・無給が異なる業務
・生徒・保護者からの質問対応
・報告書作成
・テスト採点
・生徒の出迎え
具体的なテクニック9選!
そこで、実際に私も活用している「時間外労働を減らすテクニック」を伝授していきます!
どれもスグに実践できるものを厳選しましたから、ぜひ業務内に取り入れてみましょう。
1、予習する前に、前任者や先輩、責任者にポイントを聞いておく!
一番時間外労働として大変なのが「予習教材の作成」ですね。
特に集団指導であれば板書案もあわせて作成する必要があり、新任の先生にとっては大きな負担かと思います。
そこで「前任者や先輩、責任者にポイントを聞く」ことを、予習の前に行いましょう!
これを行うことで、
生徒がつまずきやすいポイントがわかる
生徒情報やクラスの雰囲気などが掴める
塾として “ここだけはしっかり教えないといけない!” 重点指導箇所が理解できる自分が(万が一)解けない問題があったときに、教えてもらえる
といった効果が得られます。
また、積極的に先輩や責任者と話す機会を持つことで、関係性も強化できます。
すると仕事の効率的な進め方を教えてもらえたり、困ったときに助けてもらいやすくなったり、といった効果も!
また、すでに学校で習った内容を復習する場合は、生徒に前もってわかりづらい所を聞いておくことも有用です。
“どこを教えればよいのか”がわかれば、予習はグッとやりやすくなります。
新人~中堅講師の方はぜひ使ってみてくださいね!
また、個別指導の場合だと、その場で授業内容を決める…という先生もいるようですが、これは決してお勧めできません。
次回の授業内容を事前に決めておくことで、先生の予習が楽になるばかりでなく、授業のクオリティも上がります!
必ず授業内容は決めておくようにしましょう。
(参考)教案の作り方
http://www.juku.st/info/entry/992
http://www.juku.st/info/entry/1020
http://www.juku.st/info/entry/1065
全3回にわたって、教案の作成テクニックを詳述してあります(集団指導向けです)。
2、勤務はまとめる
意外ながら効果が大きいのは、授業の入り方。
「1日にたくさんのコマに入る!」というのが鉄則です。
なぜなら、1日あたりの授業外勤務時間は変わらないため、週3日、1コマずつよりも週1日、3コマ授業に入ったほうがコスパは良くなるからです。
先述した例を考えてみましょう。
授業は2000円/時、授業手当が500円、授業前後の時間外労働が1時間だとすると
■授業が1時間
2000(円)×1(時間)+500(円)=2500円
2500÷2時間=1250円/時
※授業1時間+授業外時間1時間で、勤務時間は2時間になります
■授業が2時間
2000(円)×2(時間)+500(円)=4500円
4500÷3時間=1500円/時
■授業が3時間
2000(円)×3(時間)+500(円)=6500円
6500÷4時間=1625円/時
…どんどん実質時給が上がっていくことがわかりますね!
また、どうしてもコマをまとめることができない…という方は、交渉して担当する科目を限定してもらうのも手です。
英語だけ教える、となれば、それだけ予習の手間が少なくなります。
まずは一度、責任者の方に相談してみましょう。
3、スキマ時間をつくらない
授業中、
生徒が教材を取り出そうとガサゴソしている時間テストや演習問題を解かせている時間生徒がトイレに行っている時間など、少しではありますがスキマ時間が出来ることがあります(特に個別指導はそうです)。
ここをムダにせず、ぜひその間に報告書を作成したり、コピーを取るようにしましょう!
いかに何もしていない時間を減らすか…?と考えながら仕事を行うことで、ムダな時間が減っていきますよ。
4、業務は内容ごとにまとめて行う
仕事は細切れでやるよりも、まとめてやったほうが効率が良くなります。
例えばプリントのホッチキス止めや採点は、1人ずつやるのではなく、なるべくまとめて時間を作って行うようにしましょう。
また、意外と時間がかかる「コピー」も、1枚ずつ行うのではなく、まとめて印刷するようにしたほうが効率的です。
日頃、「生徒ごとに個別に対応している」業務があれば、それは本当にまとめられないのか?と考えながら行うと良いでしょう。
5、報告は簡潔に、わかりやすく「付箋に書く」
業務終了時、責任者への報告・共有を行う塾は多いと思います。
ただ、このタイミングでアルバイトの方が一斉に帰るため、列を作って並んでしまうことも…この時間、もったいないですよね。
そこで、私は“付箋紙に報告を書き、責任者のパソコンに貼っておく”ということをしていました。
これであれば待ち時間はゼロになりますし、履歴も残りますから、何か問題が発生した時にすぐに遡ることができます。
※塾によってはフォーマットが決まっていたり指定の方法があったりするので、その場合は従うようにしてください。
6、報告書は事前に書くテーマを決めておく
個別指導に付随する業務としてほとんどの塾には「授業報告書」があります。
一人ひとり書く必要があるため、大変だ…と感じる方も多いそうです。
私がかつて個別指導をしていたときは、授業前に“生徒の様子”以外の報告書を書き終えるようにしていました。
授業のポイントや授業日などは、授業前にわかっています。
ですから、急いで授業内に書き切るよりも、予習とセットで書いてしまったほうがはるかに楽だと感じていたためです。
また、そこで書いた内容を生徒に見せながら解説すれば、より生徒の理解も深めることが出来ます。
なるべく授業前にできることはまとめてやってしまうことが、時間効率を上げることに繋がります!
7、大学にスーツで行ってしまう
集団指導の場合、スーツが義務着用の塾も多いと思います。
一度自宅に帰って、再びスーツを着替える…というのは手間ですよね。
そこで、逆転の発想として“大学にスーツで行ってしまう”という手段はいかがでしょうか。
スーツで授業を受けることに最初は抵抗があるかもしれませんが、教授から文句を言われることはまず無いでしょう。
また、毎日スーツを着ることで、着こなしが上手になります。
そのため、就活の際、周りよりもピシっと見えるようになりますよ!
「そこまでできない…」という方は、教室にスーツを置けるように依頼したり、私服OKの塾を探してみましょう。
8、時間外労働が少ない会社を選ぶ
「時間外労働」に関してですが、これに関してはまず何より塾毎の時給や給与体系を理解することが先決です。塾講師ステーションでは塾毎の応募ページに各塾の時給・給与体系を詳しく掲載していますので応募前に是非参照して下さい。
(出典:「塾講師はブラックバイトなのか?徹底検証!」塾講師ステーション情報局)
上記例にもある通り、応募前であれば塾の時給や給与体系を理解することはとても重要です!
単に近いから・友達がいるから、といった理由で応募せず、よく比較して応募するようにしましょう。
9、あまりにひどい場合は責任者に相談する
それでも時間外労働が減らない場合、責任者に相談するのも手です。
親切な方であれば、一緒に時間外労働を減らす方法を考えてくれるでしょう。
逆に、相談に対して「仕方ない、諦めなさい」と言われてしまう場合は、職場を変えることも検討するべきでしょう。
工夫次第でコスパは変えられる!
いかがでしたか。
意外と業務改善を行うことで、実質時給を高めることができる!というのがご理解いただけたかと思います。
最後に、塾講師ステーションで別の記事を執筆されている方の“生の声”を紹介します。
とにかく足を動かす予習をしていたため、1授業の予習は少なくても、4時間くらいかけていました。授業の時間も含めると働く時間は5時間。授業1コマ2000円の給与だったので、時給に換算すると400円になりますよね。教えることが楽しかったので、苦しいとかいやだいやだと思いながらやっていたわけではありません。しかし、時給に換算するとなかなか厳しいなあとは思っていました。
それでも、2年目になると1年目の経験がとても活きてきました。授業のための勉強に終わりはありませんが、1年目よりも予習の負担は大幅に減らすことができます。それに加えて要領もわかってきますから、だんだん1コマの給料が時給へと近づいていくのです。
時給が2000円だったら、他のアルバイトに比べて相当高い額ですよね。
(出典:「塾で働いてみて分かったこと〜時給は?忙しさは?〜」)
効率よく稼ぐことを意識するあまり、授業のクオリティが下がるのは問題ですが、なるべくコスパよく働きたいですよね。
ぜひ紹介したテクニックを取り入れて、楽しい塾講師生活を送りましょう!
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