自分のやり方を生徒には押し付けていませんか?「過去問の上手な使い方」の教えどころ【大学受験編】
受験生なら誰もが通る道である「過去問」。しかし、いったいどのように過去問を利用すればよいのか?どのくらいの時期に解き始めるのが適切なのか?これらの疑問は、受験生を担当する講師であれば誰もが一度は考える疑問点でしょう。今回は、この過去問の扱い方についてご紹介します!
始める時期は「早ければ早いほどいい」!?
過去問を始める時期について、さまざまな考え方があります。大学入試の場合には、高校三年生の夏前から始めるくらいがちょうどいい、というのが一般的な意見です。あまり早く始めてしまうと直前に解く過去問がなくなってしまうのではないか、という考え方や、冬休み前からでは遅すぎて十分に量をこなせないまま受験することになる、などといった意見からこの時期を適当とする方が多いようですが、実はこれはあまり得策ではありません。
過去問を始める時期は「早ければ早いほどよい」のです!!
その理由は単純で、早くに始めれば早くに始めるほど、その大学の問題形式や設問の傾向に慣れることができるからです。市販の問題集などの問題を解く際にも、ただ単純に解くのと「この問題は志望校の傾向に似ているな…」と考えて解くのでは得られるものの差は大きいでしょう。
また、早ければ早いほど量をこなすことが可能です。こなした量というのはそのまま生徒さんの自信につながります。これらの意味合いからも、過去問にはなるべく早く着手させたほうがよいでしょう。
具体的には、高校二年の夏ごろからでも早すぎることはありません。むしろ三年になってからじゃ遅い!と考えるくらいで構わないでしょう。
過去問は「参考書兼問題集」!
「でも過去問をそんなに早くから始めても、満足に解けなくて意味がないんじゃないの…?」
これも至極もっともな疑問ですね。ですが、それで構わないのです。
高校二年生の段階で過去問が解けないのは仕方がないことです。この時期から過去問をやることの目的は、「志望校と自分の距離を測る」ことです。自分の目指すゴールを具体的に知ることで、伸ばすべき分野を把握でき、それが生徒さんのモチベーションにもつながるでしょう。そのため最初は時間を決めて解くのではなく、解答と並べながら傾向を知ることに重点をおいて利用するのが効果的でしょう。もしくは、その段階で解けそうな問題だけ選んで解かせるのもひとつの方法です。
なんとなくぼんやりと認識している入試の難しさを、実感の持てるものにするという意味で、過去問を解かせることは大いに利点があります。量としては、第一志望なら10年分を3回もこなさせればまず臆することなく本番に臨めるだけの自信をつけることができるでしょう。
最初は見た目通り「分厚い」壁として受験生に立ちはだかる「赤本」。しかし裏を返せば、こんなに入試に直結した参考書もありません。講師の皆さんも最強の参考書である「過去問」を是非最大限に有効活用して、生徒さんを夢の第一志望へと導いてください!